(C)フジテレビ

 広瀬アリスが主演する月9ドラマ「366日」(フジテレビ系)が現在放送中だ。本作は、HYの名曲『366日』の世界観に着想を得たオリジナルストーリー。高校時代に実らなかった恋をかなえようと再び動きだした雪平明日香(広瀬)と水野遥斗(眞栄田郷敦)が予期せぬ悲劇に直面しながらも、愛する人を思い続ける壮大な愛の物語。

 6日放送の第5話では、事故に遭った遥斗が意識を取り戻したものの、高次脳機能障害による記憶障害が出ていることが判明。明日香は、そんな遥斗を支え、これからも寄り添っていくことを決意する展開となった。本作のプロデューサー・狩野雄太氏に、広瀬や眞栄田の撮影現場での様子や、後半戦の見どころなどを聞いた。

-放送がスタートしてから、反響は届いていますか。

 反響を結構いただいているので、ありがたいなと思っています。業界の関係者の方から連絡をいただくことも、これまでやってきた中で1番多かったですし、プライベートでお店で並んでいるときに、「366日」について話している人の声が聞こえてきたりして、見てくださっているんだなという、うれしい驚きがあります。

-本作はHYの楽曲『366日』をモチーフにしていますが、恋の歌が数多くある中で、なぜ今この曲だったのでしょうか。

 連ドラの企画を考えている中で、フジテレビは昔、楽曲がタイトルになっているドラマがあったのですが、最近はそういうのをやっていないなと考え始めたところが1番大きなきっかけです。僕は今年40歳ですが、『366日』は自分がフジテレビに入社した当時に大ヒットしていた曲だったので、個人的にも思い出に残っている楽曲ですし、その後、いろんな人がカバーしている名曲なので、多くの世代の方に響くのではと思いました。

-広瀬アリスさんと眞栄田郷敦さんの撮影現場での印象を教えてください。

 お2人共、すごく真剣に考えて、お芝居していただいて、ト書きの1個も漏らさずにやるような迫力があります。広瀬さんは現場でよく『366日』を聞いていますし、明日香の笑顔が素晴らしいのはもちろん、彼女の人間としての芯の強さみたいものも表現してくれていると思います。眞栄田郷敦さんもすごく本を読み込んでいて、目線一つにしても、こういう理解でお芝居してくれたんだと感じることが多くあります。遥斗というキャラクターを、いわゆるイケメン芝居とは違って、本当にいい男だと自然と思わせるお芝居をしているのがすごいなと思います。

-そのほかのキャストの皆さんの現場での様子はいかがですか。

 坂東龍汰さんは明るいキャラクターなので地に近いのかなと思いながら、締めるところは締めるお芝居をしてくださります。長濱さんは真面目で、いつも「これで大丈夫ですか」と自分の演技について聞きながら、どんどんお芝居がうまくなっていて、最初に会った頃と顔が違うなと思いますし、綱啓永さんは第3話の泣き芝居がすご過ぎて、こんな芝居ができる方なんだという驚きがありました。皆さん、早々に仲良くなっていて、現場ではキャッキャッと楽しそうにお話していますし、皆さんが座長の広瀬さんを支えたいという思いが強いので、なんていい人たちなんだろうと感じています。

-HYが楽曲『366日』を毎話違ったアーティストの方とコラボしていることも反響を呼んでいますね。

 HYの事務所の社長さんが脚本を読んで、これは男と女の話だからデュエットバージョンにするのはどうかなという話されていて、リアルタイムで放送を見ていただきたいですし、毎回違う人がサプライズで歌ったら面白いよね、というところから実現しました。誰もが知っている『366日』だからこそやれる企画ですし、今後もいろんなジャンルの方にコラボをお願いしているので、楽しみにしていただきたいです。

-ちなみに、今期は記憶喪失になるキャラクターが登場する作品が多いのでは…!? というドラマ視聴者の指摘がありますが、これは偶然なのでしょうか?

 本当に偶然だと思います…!「アンメット ある脳外科医の日記」はカンテレの制作なので大筋は知っていましたが、他局のことは分かりませんし…。遥斗の事故のことは、僕がノンフィクションの作品を見ていたときに、横で一緒に見ていた妻に「もし私がこうなったらどうする?」「そもそも付き合っていた?」と言われて、すごくハッとしたことがあって。そのことが企画の種になりました。

-本作を通じて、どんなことが伝わったらいいなと思いますか。

 別に恋愛しなくても、結婚しなくてもいい時代だと思うんです。ただ、僕は楽曲に込められた意味の通り、大切な人をただ深く思う気持ちは、すごくかけがえのないことだなと思っていて。もうすでにそういう方がいらっしゃる視聴者の方は、隣にいる人を大切に思う気持ちが生まれる一助になれたら、こんなにありがたいことはないなと思います。

-最後に今後の見どころを教えてください。

 目覚めた遥斗が、まっさらな状態から改めて明日香との2人の恋をやり直すところが見どころです。前半は人間ドラマ的な要素が強かったかなと思いますが、後半は恋の展開がめまぐるしく繰り広げられていくので、驚きがありながらも2人の恋が二転三転するのが1番面白いところかなと思います。智也、莉子、和樹らにも、それぞれに転機が訪れるので、注目いただけたらうれしいです。

(取材・文/小宮山あきの)