前回、新日本のイッテンヨンへ向けて、名レスラーたちの入場シーンをいろいろ見ていたら、ぴあ時代を含め、多くのプロレスラーたちにインタビューしていたと改めて思ったので、今回もプロレスネタをひとつ。「レポートじゃないだろ」や「ネタ枯れじゃないの」と言わず、お付き合いを。
プロレスラーのインタビューと言えば、故・橋本真也さんを忘れることはできない。
リング上では橋本さんならではの色香を漂わせていたが、ひとたびリングを降りると、子どもがそのまま大きくなったという典型なのは有名な話。それに武藤・蝶野・橋本の闘魂三銃士は、時間にルーズなのはよく知られていた。約束の時間に1時間遅れるのは当たり前。橋本・蝶野の両名に2時間遅刻を食らった。
閑話休題。
橋本さんのインタビューの話に戻そう。
「夜中に酔っ払って、駅前で仮面ライダーの変身ベルトを巻き、変身のポーズをとっていたのは本当ですか?」と聞いたところ、「あれは楽しかったなぁ~」と満面の笑み。「やっぱり、男は仮面ライダーと暴れん坊将軍だろっ」と同意できないが、意味は十二分伝わるセリフを残した。
またゼロワン時代に「腱を伸ばして、右腕が伸びないんだよ」と曲がったひじを見せる破壊王に、「それじゃ練習もできないですよね」と振ると、「社長をやっていると付き合いが多くて練習どころじゃない!」とキッパリ言い放ったりもした。
ぴあ中部版時代には、締めの言葉として、最後に意気込みを聞くと「俺が尾張の虎になるっ!」と決めると、満足したのか、ニンマリして肩を叩いてきたりもした。橋本さんのインタビューのこぼれ話は書けないことが大半を占めるし、来るかどうかわからないが、決してハズレはない。インタビュー時は、こんなテンションではないので。興奮のあまり、岐阜出身の訛りが出た51秒あたりは必聴です。
(長州力×橋本真也・コラコラ問答)
また、アキラ兄さんこと、前田日明のインタビューも忘れられない。
30分の取材オファーに対し、行ってみれば、「今日は2時間いいぞ」といきなり長期戦になったことが2度ある。平成の格闘王の異名を取った前田はインタビュー時にも独特の緊張感を漂わせていた。