故郷のお赤飯は何色だった?(画像はイメージ)

【最近気になる注目ワード・34】お祝いの席の常連メニューといえば赤飯だが、パッと頭に思い浮かんだのはどんな味だろうか。実は赤飯の作り方や味付けには地域差があるとネットで話題を呼んでいる。日本全国にはどんな赤飯があるのか、詳しく見ていこう。

地域の特色が映し出される様々な赤飯レシピ

赤飯のルーツは元々、赤米を蒸したもの。主に西日本で多く見られる、白いお米に小豆で色付けをするレシピは江戸時代に登場したと言われている。関東では小豆の代わりにササゲが使われているが、どちらの赤飯もそんなに味が強いものではない。

しかし北海道や東北地方、山梨県では、甘い赤飯を作る地域があるという。SNS上では「青森だけど、赤飯は甘いのが当たり前だったよ」「地元は小豆の赤飯だけど、北海道に来てからはもはやおやつに赤飯食べてる」といったコメントで盛り上がっている。

札幌の女性学長が提案した「甘納豆」が有力

甘い赤飯の秘訣は、甘納豆。農林水産省のサイトによると、昭和20年代後半ごろに札幌の学校の女性学長が、食紅でほんのり色付けた米を炊いた後に甘納豆を混ぜるという簡便な調理法を考案したというのが有力な由来だそう。

働く母でもあった彼女の「手間のかかる小豆の赤飯を炊くのは大変だが、子どもたちが喜ぶものを食べさせてあげたい」という思いがレシピに映し出されているように思う。

郷土料理の第一人者でもある彼女が、各地での講演をおこなう中で地方の保護者達にこの作り方を教えたところ、瞬く間に人気を博し新聞やラジオなどのメディアで紹介されるようになったという。北海道ではすでに、「赤飯」といえば「甘納豆の赤飯」という食文化が定着しているようだ。

ちなみに福井県大野市では子孫繁栄を願う縁起担ぎとして、小芋・孫芋が連なる地元の名産・里芋を使った「里芋赤飯」が伝承されている。また新潟県中越地方では、金時豆を混ぜ込んで醤油で味付けした「しょうゆ赤飯」が日常的に食されているそう。

赤飯には多様な地域性があり、それぞれに歩んできた歴史があるようだ。他県の人と出会った時には、「地元の赤飯どんな味だった?」と話題のひとつにしてみてはどうだろうか。(フリーライター・井原亘)

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井原亘

元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている