フルモデルチェンジした新製品のBW-X90K(左)とV100K(中)、V80K(右)

日立グローバルライフソリューションズは、このほど24年度モデルの全自動洗濯機とタテ型洗濯乾燥機8機種を発売した。このうち全自動洗濯機4機種は設計も見直したフルモデルチェンジで、衣類長もちナイアガラ ビート洗浄はナイアガラ2段シャワーへと進化。使い勝手をさらに改善している。

新製品はタテ型洗濯乾燥機と全自動洗濯機の計8機種

新製品について、サイトでは5月16日に掲載済みで、ここでは発売前に実施された発表会で披露された内容をピックアップする。

新製品に搭載・追加された主な機能は、既報のとおりナイアガラ2段シャワーとおしゃれ着コースにおける時間短縮、化繊コースで、さらに新デザインや使い勝手も向上している。

6月15日に発売となった新製品8機種を改めて整理してくと、タテ型洗濯乾燥機は洗濯容量が10kgのBW-DX100K(以下、BW-は略)と同8kgのDV80Kの2機種。型番のDXとDVの違いは洗剤・柔軟剤の自動投入機能によるもので、自動投入ありがDX、なしがDVだ。

洗濯乾燥機の市場はドラム式が8割以上を占めているため、23年度のタテ型洗濯乾燥機は洗濯容量8kg~12kgの4機種だったが、24年度のラインアップは同8kgと10kgの2機種となっている。

全自動洗濯機は洗剤・柔軟剤の自動投入機能搭載と非搭載の二つのタイプがあり、前者は洗濯容量が12kgのX120Kと、10kgのX100K、9kgのX90Kの3機種で、いずれも型番の頭はX。後者は10kgのV100Kと、8kgのV80K、7kgのV70Kの3機種で、型番の頭はVだ。

低水位時に高濃度洗剤のシャワーで洗剤成分を衣類に浸透

日立グローバルライフソリューションズが同社のユーザーに対して行ったアンケートで、購入時に最も比較した点は洗濯容量が20.4%で、次が19.5%の洗浄力だった。購入時に最も重視した機能では、衣類長もちナイアガラ ビート洗浄が27.6%でトップだった。

乾燥機能が付いていない全自動洗濯機での購入者ニーズは、やはり洗浄力であることがアンケートから分かった。そこで新機能として搭載されたのが、ナイアガラ2段シャワーである。

従来は洗剤を少ない水で溶かした高濃度洗剤液をつくり、底にあるパルセーター(回転羽根)のビートウイングプラスでかくはんすることにより衣類に洗剤を浸透させていた。高濃度洗剤液のメリットは、洗剤がより衣類に浸透しやすくなることだ。

新機能のナイアガラ2段シャワーはこれまでの上段シャワーに加えて、下段シャワーを追加。低水位時に高濃度洗剤をシャワーで衣類にかけることにより、パルセーターでのかくはんと合わせて衣類への浸透を促進し、洗いムラを低減するという。槽内に水がたまり、高水位になると上段シャワーも加えた大流量で洗剤液を循環させて洗う。

新設計で衣類の取り出しが従来よりも大きく改善

前モデルのX120Jは天板部に透明窓が付いていて、中の様子を見ることができた。新製品では全自動洗濯機のうち、V70Kを除く5機種でこの透明窓を採用し、洗濯中の様子が見えるようになった。

また、X100KとX90K、V100KとV80Kの4機種は新設計により、前モデルよりも衣類の投入口が低く、洗濯槽の深さも浅くなった。この投入口から洗濯槽の底までの距離を短くしたことで、洗濯後の衣類は取り出しやすくなった。これは、8kgタイプのユーザーは60代以上が4割以上を占めていたという同社のユーザー調査の結果を反映したものである。

そのほか、上記の4機種は従来分かれていた洗剤と柔軟剤の手動投入口を1箇所に集約。二つ付いていた糸くずフィルターも大容量化して一つにしたことで、使い勝手が改善されている。

報道媒体で洗濯機を取り上げる際は、ドラム式洗濯乾燥機にフォーカスしがちだ。しかし、洗濯機全体の需要では全自動洗濯機が現在も7割以上を占めている。それだけ全自動洗濯機を購入する層は多いということだ。

ユーザー調査などから消費者の意向を探り、そのニーズを反映した日立グローバルライフソリューションズの新製品を家電量販店でチェックしてみよう。