名家、旧家と言っても、名家は“社会的に貢献をした人物”を輩出している家。名声を得ており、視点は常に外に向かっています。
一方、旧家は土地に密着しており、代々長く続く家。自分の家や血筋を守ることが目的で、視点の方向は内側です。
この二つは似ているようで異なっていますが、「家を受け継いでいく」という考えは同じです。
一般家庭に育った人にとっては「名家? 旧家? そんな旧態依然な家なんてあるの?」という感じですが……。
妻は身を粉にして働き、家に尽くす。ただただ、家の名誉と存続だけが使命なのだそう。ヒエ~恐ろしや。
今回は、そんな“一般家庭からかけ離れた家”のエピソードをご紹介します。
「地方の大地主で、豪農の一人息子と結婚。お盆とお正月に夫と帰省しますが、東京生まれで農家出身でもない私に対し、義両親はほとんど口をきいてくれません。たぶん、結婚してすぐに同居しなかったからだと思います。
料理や洗濯を手伝おうとすると『いい、いい』といっさい触らせてくれません。申し訳ないので自分たちの洗濯物だけ干しましたが、義母の干し方にやり直されていました。お茶碗を洗おうとしたら『洗わなくていいよ!』と奪い取られてしまいます。
そのくせ、親戚が来ると、私が聞いているにもかかわらず『近くの嫁だったらねぇ』『◯◯さんのとこの娘だったら、畑作業してくれたのに』と大きな声で話しています。夫が『やめろ!』と怒っても聞こえないふり。
親戚が『お茶くらい淹れたらどうだ』と私に促すんです。でも義母は『ほら、お客様だからいいんだよ』と言ってバカにしたように笑うんですよね。
その後しばらくして、夫が電話で妊娠を知らせましたが『そうなの』と言ったきり終わったそうです」(36歳・女性・山陰)
義母の「そうなの」の意味が今も分からないそう。両親の性格を考えると、今の時点で夫はUターンする気はないのだとか。とはいえ、上京した時点で、夫は実家で農業に従事する気がなかったと思われます。
遠く離れていれば他人行儀も致し方ないかもしれません。親戚と大きな声でイヤミな話をするのは考え物ですが……。
いずれにしても、将来のことは早いうちに話し合っておくと安心ですね。