「元妻に大きな不満があるわけではなかったのですが、会社に出入りする取引先の女性と浮気していました。
体の関係はなく、月に数回平日の夜に食事に行くのを繰り返していたら、それを元妻の身内に見られ、『残業と嘘をついて女性と一緒にいたのか』と問い詰められました。
最初は『仕事のついで』などごまかしていたのですが、疑心暗鬼になった元妻が俺のスマホをチェックして女性とのLINEでのやり取りを見てしまい、『嘘つき』『完全に浮気じゃないの』と鬼の形相で言われましたね……。
子どもがいるし離婚だけはしたくないと思い必死に謝ったのですが、『これで許すとこれからも繰り返す』『もっと巧妙に嘘をつくようになる』と元妻の怒りは収まらなかったです。
それまで家庭は安定していて俺を信じていた妻にとって、浮気やそれを最初にごまかしたことは、本当に許せなかったのだと思います。
何とか信じてほしくて、家事の負担を増やしたり妻の好きなお酒を贈ったり、自分なりにがんばりました。
でも、何をしても『機嫌を取って許してもらったらまた浮気するのでしょう』としか妻は言わず、贈った酒も飲まずにそのまま捨てていました。
何よりつらかったのは息子とのふれあいを取り上げられたことで、『汚い手で触らないで』『この子に恥ずかしくないの?』と責められ続けて、精神的におかしくなりそうでした。
もうダメだと思ったのは参観日を俺に知らせず元妻だけ行っていたときで、父親としての立場すらこの家にはないのだと悟り、離婚を決めました。
俺から『別れよう』と切り出したらさすがに元妻は動揺していましたが、それまでの自分を振り返ったら引き止めるなんてできないですよね。
離婚の理由はあくまで俺の浮気が原因とされたけれど、そのときはもうどうでもよかったです。
今は面会交流で子どもと会えているので、それでいいと思っています」(40歳/土木)
浮気は100%した側が悪く、非のない妻の怒りがいつまでも消えないのはわかります。
同時に「どれだけ努力しても報われない」夫の苦悩も確かにあり、一度入った亀裂の修復は本当に難しいのだと実感します。
夫婦の仲は、互いの努力と理解でもって幸せに続くものであり、それが不可能ならば離婚することも間違いではないと感じました。
親の不仲は子どもへの影響を無視できないため、別の形で関わりを続ける道を考えるのも一つの手段ですね。