パルムドールを受賞した『冬の眠り』

第67回カンヌ映画祭の授賞式が、フランス時間24日夜に行われた。日本からは河瀬直美の『2つ目の窓』がコンペ部門に出品されていたが、無冠に終わった。

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最高賞パルムドールに輝いたのは、トルコのヌリ・ビルゲ・シェイラン監督による『冬の眠り』。主人公は、ホテルを経営しながら、賃貸物件も所有する裕福な年配の男性。彼に家賃を滞納している貧しい家族や、チャリティ活動に熱を入れる妻などとの日常的なやりとりを見せつつ、彼の中で、静かに何かが変わっていく様子を描く。

グランプリは、イタリアのアリーチェ・ロルワケルの『ザ・ワンダーズ(原題)』。男優賞にはマイク・リー監督作『ミスター・ターナー(原題)』のティモシー・スポール、女優賞にはデヴィッド・クローネンバーグ監督作『マップス・トゥー・ザ・スターズ(原題)』のジュリアン・ムーア。審査員賞は、カナダの若手グザヴィエ・ドラン監督の『マミー(原題)』と、巨匠ジャン=リュック・ゴダール監督の『グッドバイ・トゥー・ランゲージ(原題)』の2作品に贈られた。

1日前に発表された「ある視点」部門には、ハンガリーの『ホワイト・ゴッド』が選ばれている。

【主な受賞結果】
パルムドール:『冬の眠り』(ヌリ・ビルゲ・シェイラン監督)
グランプリ:『ザ・ワンダーズ(原題)』(アリーチェ・ロルワケル監督)
監督賞:ベネット・ミラー監督(『フォックスチャッチャー(原題)』)
審査員賞:『マミー(原題)』(グザヴィエ・ドラン監督)、『グッドバイ・トゥー・ランゲージ(原題)』(ジャン=リュック・ゴダール監督)
脚本賞:アンドレイ・ズヴィヤギンツェフ、オレグ・ニギン(『リヴァイアサン(原題)』)
男優賞:ティモシー・スポール(『ミスター・ターナー(原題)』)
女優賞:ジュリアン・ムーア(『マップス・トゥー・ザ・スターズ(原題)』)
「ある視点」:『ホワイト・ゴッド』

取材・文・写真(ティモシー・スポール):猿渡由紀