3月2日、DEZERTのワンマンライブ「千秋生誕祭『チアキさん、大変です!』」が東京・渋谷TSUTAYA O-EASTにて開催された。
去る2月には東京・渋谷マウントレーニアホールにて、2部制ワンマン公演「study」を毎週敢行していたDEZERTだが、「study」はホール公演。オールスタンディングのワンマンライブは今年初になる。
タイトルどおりボーカルの千秋の誕生日でもあるためか、会場のO-EAST前には様々な祝い花が飾られ、このバンドらしからぬ(?)華やかな雰囲気を醸し出していた。
開演時刻をやや過ぎた頃、誰もいないステージから歪んだギターの音だけが聴こえてくる。しばらくするとSORA(Dr)、Sacchan(B)、Miyako(G)が登場し、各々が楽器をかき鳴らす。ゆっくり点滅するライトの中、最後に千秋(Vo)がステージに現れる。
指揮者のようなしぐさで楽器隊の演奏を止め、『眩暈』からライブスタートし、1曲目から臨戦態勢のフロアはヘドバンで応戦。そこから一転しミドルテンポの『さぁミルクを飲みましょう。』、不穏な音を響かせながら『変』へと続いていく。『遺書』などライブ定番曲もはさみつつも、『遭難』や『飼育部屋』、『脳姦少年』など近年のライブではあまり披露されていなかった曲も目立つセットリストだ。
ライブ中盤には「ちょっと遊んで帰ろう、ジャムろうかな? 先月から渋谷では“ジャムる”が流行っていて、知ってる? ジャムるとは……楽器隊の奥底にあるセンスが爆発する時間でございます」と千秋。
「これをやるとその場の空気が2段階くらい盛り下がる。でもうちの楽器隊のセンスはすごいんだから……その刃が突き刺さって止まらないぜ……きっと」とジャムセッションタイムへ。千秋の杞憂とは裏腹に大いに盛り上がるフロアであった。
先月の「study」は新曲や、リファインされた過去曲を披露するというある種の実験場でもあったのだが、その経験が生かされて良い意味で余裕や遊び心を感じるようになったと思う。