奥脇達也(g)

――いまはもっとわかりやすく、幅広い人たちに聞いてもらうためにやってるってこと?

理姫 ライブでもしっかり歌うとか、自分で決めた動きをちゃんとやるとか。アカシックを作るときに決めたのは“とりあえず売れよう”ということなんですよ。こういう曲をやろうとか、こんなバンドになろうではなくて“何でもいいから売れよう”って。

――アカシックにとって、売れるために必要なことって?

理姫 良い曲ですね!

――すごい真っ当な結論(笑)。

理姫 でも、難しいんですよね。良い曲を作るのって。

奥脇 「俺だったらCDを買うな」というレベルまで持っていくってことかな。メロディはすごく王道だと思うし。そのぶんアレンジで好きなことをやって、自分たちも楽しくやってるんですけど。
 

――初の全国流通盤『コンサバティブ』もポップなメロディと個性的なサウンドのバランスが素晴らしいですからね。歌詞もすごくおもしろいと思います。リードトラックの『終電』も既に話題になってますが。

理姫 「終電で帰る」という歌詞を取り上げてもらうことが多くて、書いて良かったなって思います。

奥脇 遊んでた2年間の経験が生きてるんですよ。

理姫 そう。「いい女はいくら飲んでも終電で帰るもんだよ」って説教されたことがあるんです、年上の人に。それが心にグサッと来て。

奥脇 可愛い子が終電で帰るって何かいいよね、確かに。

黒川 名残惜しくて。

理姫 3回目くらいのデートだったら、帰らなくてもいいかも。

――理姫さんの終電にまつわる思い出が反映されてる、と。

理姫 歌詞には全部“まつわる思い出”が入ってますね。だから、日常がないと歌詞が書けないんですよ。半分ネタ探しで恋愛するっていうか(笑)。