【最近気になる注目ワード・57】1979年度から実施されている大学入試の共通試験。現在までに、その名称は2回も変更されてきたことをご存知だろうか。その名称の変遷とともに、時代に合わせて変化した試験内容についても紹介していこう。
大学入試は「センター試験」から「共通テスト」へ!
毎年1月におこなわれる大学入試の「センター試験(大学入試センター試験)」。大学受験を経験した方には思い出深い試験だろうが、現役の受験生たちはもう「センター試験」とは呼んでいない。
実は、2021年から「センター試験」に代わって「大学入学共通テスト」が実施されており、省略して「共通テスト」という呼び名に変わっている。
なお、変更されたのは名称だけではなく、時代の変化に伴って内容も見直された。センター試験では知識をストレートに問う正誤問題が中心だったのに対し、共通テストではこれからの社会で重要な「思考力」「判断力」「表現力」を必要とする問題が増加している。
この変化を受けてネット上では、「センターより難しくない?」「丸暗記が通用しないんだな」といった声も上がっていた。
この出題傾向は全教科であり、特に変化の大きい英語ではリスニングの出題割合が増え、より実践的な英語力が求められるようになっている。また数学では高度な読解力が求められる問題が増加したことから、試験時間が10分延長された。
その一方で、より現代的な知識を問う科目も新たに導入される予定だ。2025年度の共通テストでは、新学習指導要領で必履修科目となった「情報」が新設されることが発表されている。
そもそも最初は「共通一次」
そもそも、大学入試センター試験と呼ばれる以前の1989年度まで、同試験は「共通一次(共通第一次学力試験)」と呼ばれていた。
共通一次は、国公立大学と産業医科大学のみが対象だったが、その後センター試験が始まり、国公立大学に加えて私学大学も受験できるように変化した。つまり、試験の名称と内容は2回変わっており、現在は「共通一次」世代、「センター試験」世代、「共通テスト」世代の3世代が混在しているのだ。
時代の変化に伴って、呼び方も内容も変わっている大学入試の「あの試験」。どう呼ぶかで年齢がバレてしまう可能性もあるため、大学受験の話題には気をつけたいところだ。(フリーライター・井原亘)
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■Profile
井原亘
元PR会社社員の30代男性。現在は流行のモノや現象を追いかけるフリーライターとして活動中。ネットサーフィンとSNS巡回が大好きで、暇さえあればスマホをチェックしている