株式会社ジンズホールディングス(東京本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:田中仁、以下JINS)は、新しい価値の創造に挑戦するマインドを取り戻すため、多彩なアートを取り入れクリエイティビティを刺激する新社屋に、昨年移転しました。この度、3階のギャラリースペースに、国際的に活躍するキュレーターである長谷川祐子氏のキュレーションのもと、写真家・高木こずえ氏の「プラネタリウム」の展示を2024年9月より開始しました。
「美術館×オフィス」を体現したギャラリーが、従業員のクリエイティビティを刺激!
JINSは現在、“Second Genesis(第二創業)”を掲げ、JINSブランドの刷新に取り組んでいます。昨年、自分たちが冒険者(ベンチャー)であることを改めて認識し、覚悟を持って新しい価値づくりに挑戦するマインドを取り戻すべく、東京本社を移転。地上9階建てのビルを一棟借りし、新進気鋭の建築家・高濱史子氏のもと「壊しながら、つくる」と「美術館×オフィス」をコンセプトにフルリノベーションした新社屋では、入居以降、多彩なアートや従業員用サウナ、カフェを導入し、従業員のクリエイティビティを高めるため、新しい働き方を大胆に模索しています。
3階は商談室フロアの廊下部分をギャラリースペースに活用し、「美術館×オフィス」のコンセプトを体現。従業員はもちろん社外の方の感性にも働きかけ、創造性が充填される場所として長谷川祐子氏に監修いただきました。第1回として2023年10月より2024年6月まで、アーティストの立石従寛氏、松田将英氏、保良雄氏の共作による映像インスタレーション「Gravitation」を展示しました。
旧来の制作手法に収まらない写真家・高木こずえ氏。初公開となる新作含む20点が、写真の新しい解釈を提示する
今回、第2回となる展示プログラムとして、写真家・高木こずえ氏の「プラネタリウム」を展示します。高木氏は写真をベースにしながらも、旧来の写真の枠に収まらない制作手法で新しいアートを切り開いてきました。本展示では、写真作品だけでなく近年取り入れている油彩や版画を、写真の新たなる解釈として提示する作品20点を展示。なかでも展示プログラムのタイトルでもある作品「プラネタリウム」は、プラネタリウムの建物を撮影したポラロイド写真と、写真をもとにキャンバスにアクリル絵の具と写真の古典技法「サイアノタイプ」で描いた作品。サイアノタイプを発明したジョン・ハーシェルが天文学者であったことから、星々を眺めるプラネタリウムを青写真とも呼ばれる技法も取り入れて表現しています。他にも新作(タイトル未定)である富山県の海辺で撮影した写真は、長谷川氏との対話を経て、当初白黒だった作品に異なる色のレイヤーを重ねることで、1つの写真が違った変化をみせる作品となっています。これらを含む、「SUZU」(2011)、「琵琶島」(2012-2017)、「プレリュード」(2018)のシリーズに加え、2024年作の初公開となる新作4点を展示します。
展示「プラネタリウム」
作品「プラネタリウム」。ポラロイド写真で撮影したプラネタリウム(上の写真)をもとに、アクリル絵の具と写真の古典技法「サイアノタイプ」で描いた絵画(下の写真)。
写真(展示左)をもとに油絵で描いた絵画(展示左から2つ目)は「琵琶島」シリーズの作品。
富山県の海辺で撮影した写真(展示右2点)は異なる色のレイヤーを重ねた新作(タイトル未定)。
富山県の海辺で撮影した写真に異なるレイヤーを重ねた新作(タイトル未定)の2点(展示左2点)と、アメリカ・オレゴン州でのスナップショットをもとにした木版画(展示右)。
「プラネタリウム」について長谷川祐子氏より
JINSギャラリー第2回目は女性アーテイスト、高木こずえの個展「プラネタリウム」となります。高木は1985年生まれ、2006年から自分にとって身近な風景を写真、コラージュ、絵画、版画など多様なメデイウムによって表現してきました。
「SUZU」は長野県の諏訪地方で、彼女が6歳まで過ごした場所を再訪して撮影したものです。「琵琶島」は現在住んでいる場所で、「プレリュード」は米国ポートランドで撮影されました。撮影した新作が加えられています。高木は、「自分の目の前にあるものを撮らない、それを追っていった先にある、何かにつながっているものを撮りたい」と語ります。
「プラネタリウム」は近い星、遠い星が異なった輝きをもってその場に展開しています。
一つ一つの写真の光景は異なった時間に存在する。例えば6歳時と自分の「現在の時間」との距離をはかりながら、それぞれの瞬間が放つ光の輝きをとらえる。その視点は彼女の写真に、透明でありながら生命力に富んだ活気を与えています。写真を撮る行為は身近な風景を「遠い」ところにむすびつける、「見る」ということの可能性を拡張してくれる行為でもあるのです。
長谷川祐子(はせがわゆうこ)氏・プロフィール
キュレーター/美術批評。金沢21 世紀美術館館長。国際文化会館アートデザイン部門プログラムデイレクター。京都大学法学部卒業、東京藝術大学大学院美術研究科修⼠課程修了。水戸芸術館学芸員、ホイットニー美術館客員キュレーター、世田谷美術館学芸員、金沢21 世紀美術館学芸課長及び芸術監督、東京都現代美術館チーフキュレーター及び参事を経て、2021 年4 月より現職。タイ、モスクワ、シャルジャ、イスタンブールなどでのビエンナーレをはじめ、国内外で数多くの展覧会を企画。主な著書に『破壊しに、と彼女たちは言う:柔らかに境界を横断する女性アーティストたち』、『ジャパノラマ-1970 年以降の日本の現代アート』、『新しいエコロジーとアート-「まごつき期」としての人新世』など。
「プラネタリウム」について高木こずえ氏より
写真は変化だと思うのです。
ある光景が、ネガになったり、プリントになったり、データになったり、版木になったり、版画になったり、絵になったりする。それが私が写真だと思っていることです。
写真は変化します。容れものは乗りかえられ、イメージは移動します。その移動のさなか、イメージはしばしば見えなくなります。暗いカメラの中、ネガの反転の中、薬液の中、ハードディスクの中、版木の奥、真っさらなキャンバスの上… そういう場所に潜んで姿を消し、新たな姿でふたたび現れる。それが写真。だから、写真は変化、そして明滅。
ここにあるのは「SUZU」(2011)、「琵琶島」(2012-2017)、「プレリュード」(2018)の過去のシリーズと、2024年作のあたらしい数点です。変化と明滅をくりかえし、ここまで届いた光景です。
高木こずえ氏(たかぎこずえ)氏・プロフィール
1985年長野生まれ。現在、長野にて制作活動。
2007年東京工芸大学芸術学部写真科卒業。
2006年のデビュー直後に、キヤノン写真新世紀グランプリ受賞、森山大道賞受賞、EPSON Color Imaging Contest 準グランプリ受賞を受賞するなど、華々しくそのキャリアをスタートさせた。2009年には新人作家の登⻯門とも言われるVOCA展2009にて府中市美術館賞を受賞。2010年に第35回木村伊兵衛写真賞を受賞した。
高木こずえは、写真をベースにしながらも、旧来の写真の枠に収まらない制作手法で新しいアートの地平線を切り開いてきた。ストレートフォトと、その対局にあるかのようなデジタル技術を駆使した作品群は高木の制作の2つの柱であるが、近年はさらに油彩や版画といった表現技法も取り入れ、これらを「写真」の新たな解釈として提示している。
近年の個展として「プレリュード」TARO NASU、東京 (2019)、「鏡と⽳−彫刻と写真の界面」ギャラリーαM、東京 (2017)、「琵琶島(She's[3人の写真家。彼女たちの写真展])」キヤノンギャラリーS、東京 (2014) 、ほか。主要な参加展覧会として「リ・シンビズム2 - そして未来へ」 茅野市美術館、長野 (2024)、「シンビズム2 - 信州ミュージアム・ネットワークが選んだ20人の作家たち」 須坂版画美術館、長野 (2018) 、「信州の美術いま・むかし 菱田春草から高木こずえまで」長野県信濃美術館・他、長野 (2017)、「豊穣なるもの 現代美術in豊川」豊川市桜ヶ丘ミュージアム、愛知 (2015) など。
10月18日(金)に「プラネタリウム」を特別に一般公開!
3階ギャラリーに展示された「プラネタリウム」。普段は従業員や関係者のみが入れるこの場所を、特別に一般公開します。この機会に、ご興味がある方はぜひお越しください。
【開催日時】
2024年10月18日(金)11:00~14:00(最終受付:13:30)
【開催場所】
株式会社ジンズホールディングス 東京本社
(〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-1 安田シーケンスタワー)
【入館方法】
10月4日(金)9:00~10月18日(金)13:30の期間に「ONCA COFFEE神田店」にて商品をお買い上げいただいた方に、特別鑑賞チケットをお配りします。当日は1階にてチケットと引き換えに、ご入場いただけます。
【プチギフト】
ONCA COFFEEドリップバッグ ※先着順。なくなり次第終了 ※味はお選びいただけません。
【ONCA COFFEE神田店】
JINS東京本社の1階に併設するコーヒースタンド。営業は平日の9:00~17:00。
詳細:https://www.onca-coffee.com/shop/
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