・SCANDAL(8/10 LAKE STAGE)
制服のガールズバンド、そんなイメージだった彼女たちもすっかり大人の色気が出てきました。メジャーデビューから6年目、日本武道館、大坂城ホール、横浜アリーナと、人気・実力ともに今や日本を代表するガールズバンド。
その人気は世界的に拡がっている…、というよりも、思えば彼女たちは元々インディーズ時代から『JAPAN EXPO』や『Sakura-Con』などの海外イベントに勢力的に参加してました。イラストアイコンや顔がハッキリ見えないアー写など、その謎めいた存在含めて逆輸入要素の話題もあったりと、言わばグローバルな“Kawaii”カルチャーの先駆けでもあったんじゃないかと思います。
彼女たちは演奏技術云々以前にプレイヤーとしてのカッコ良さを魅せつけてくれます。ギターをぶら下げたシルエット、それを掻きむしる右手の軌道、ちょっと首を傾けてマイクに向かう表情、ドラムのフィルと同時にバサっと舞い上がる長い髪…、バンドとして、演奏者としての姿、その全てが様になっています。学校の掃除の時間、ほうきを持ちだしてエアギターごっこをする、そんなロックに目覚めたあの頃を思い出します。ロックへの初期衝動、「バンドとしてのカッコ良さ」を教えてくれる存在だと思います。中高生たちが憧れるのも当然でしょう。
・Silent Siren(8/2 PARK STAGE)
読者モデルのバンドなんて…そんな言われ方も多いバンドですが、ちゃんと聴いてみたらハマった!という人も多いのでは。中毒性の高い声とキャッチーな楽曲を武器に勢力拡大中、来年1月には日本武道館公演も決定。
大人に集められたわけではなく、ロックをやりたくて集まった正真正銘のガールズロックバンド。「アイドル、ユニット、色々言われてもいいです。わたしたちは、『バンド』です」と世間からの偏見さえも真っ向から受け止めての自信、週三回のバンド練習、音楽愛とバンドに対するストイックな姿勢は普段からのメンバーのブログやTwitterからも垣間見ることが出来ます。
思えばプリンセス・プリンセスだって、オーディションで集められたバンド。モデルと言えば木村カエラも最初はアーティスト活動を始めることに対し、冷ややかな目があったことも事実。正直、偏見はまだまだあるのかもしれないけど、そんなロックファンにどう挑んで行くのか、目が離せません。
FUJI ROCK FESTIVAL
日本人にはない海外女性のカッコ良さってやっぱりあるもの。個性的な海外女性アーティストを見て行きましょう。まずは夏フェスのパイオニア的存在でもあるフジロック。開放的な気分になれる自然はまさに夏フェスの醍醐味でしょう。
・St. Vincent(7/26 RED MARQUEE)
目鼻立ちのハッキリした顔、スラリとした長い脚、誰がどうみても非の打ち所のないモデル系エキゾチック美女、Annie Clark(アニー・クラーク)のソロプロジェクト、St. Vincent(セイント・ヴィンセント)。
表情豊かな美声と、タック&パティのタック・アンドレスを叔父に持ち、自らサイケデリックバンドのギタリストとして活動していた経歴に裏付けされた卓越したギターテクニックと奇想天外なプレイ。エフェクターとシンセザイザーを巧みに取り込み綿密に構築されたファンタジーとミステリアスが共存する唯一無二の世界は必見です。
昨年、デヴィット・バーンとのコラボで更にコンテンポラリー・アート要素も色濃くなり、ゴシックやシュルレアリスムを思わせるようなヴィジュアル面、時に不可解な?ダンスも披露。そのルックスと音楽からは独自の美意識を持った完璧主義な鬼才女、という印象ですけど、ちょっと天然でお茶目な側面や、ジミ・ヘンドリクスのようなフリーダムなギターソロ、勢い余ってアグレシッブに客席へダイブ!なんてのもキメちゃうような破天荒な一面もある人です。