「ずっと家庭内別居だった元夫と離婚を決めたときは、40代の後半でした。子どもの就職が決まるのを待ってから切り出そうと思っていましたが、モラハラ気質で私のことを常に下に見てくる夫のことなので、まず一筋縄ではいかないだろうと思いましたね。
反対されたらどうしようとか、子どもたちにはどう伝えようとか、いろいろ悩むうちに数年前に熟年離婚をした友人を思い出しました。
友人は旦那さんの不倫が原因で離婚しているのですが、思い切って気持ちを打ち明けたら
『先に住む家を確保して、話がこじれたらすぐ出ていける状態にしてから話すのがいい』
『離婚を切り出してから嫌がらせが始まるかもしれないから、貴重品は今のうちに取り返しておく』
『話し合いができないと思ったら、家庭裁判所で離婚調停の申し立てができる』
など、たくさんのアドバイスをくれました。
友人自身、慰謝料の支払いを断られたため離婚調停を利用してまとまった額を払わせていて、『離婚を言われた側の悪あがきはすごいわよ』と言うのがリアルでした。
離婚後はひとり暮らしを考えていた私は、ひとまず『これくらいの時期に言おう』と決めてからアパートの物色を始め、年金通帳や実印、生命保険の証書などもこっそりと確保。
私たちの仲の悪い状態にずっと気がついていた子どもたちには、夫に離婚の話をする前の日に打ち明けました。
ふたりの息子は『仕方ないんじゃない?』とドライな反応だったけど、反対されなかったのは助かりました。
子どもたちにもずっと迷惑をかけてきたので、離婚後は気持ちを切り替えて改めて連絡を取り合うようにしています。
夫は案の定『離婚なんてしないからな』と言い出したため、すでに契約を済ませていたアパートに引っ越しました。
『離婚に応じないなら家庭裁判所で』と電話で伝えたら、大ごとになるのを嫌ったのか渋々承諾し、無事に離婚が成立しました。
『先人』の言葉は本当に貴重で、助けてもらえたことに感謝しています」(50代/総務)
離婚のようにその後の人生が大きく変わる一大決心には、経験者の言葉が心強いもの。
筆者の経験上、離婚に同じケースは一つとしてありませんが、共通する大変さを教えてもらうのはとても有効だと感じます。
さまざまな場面を想定して対応を考えておくことが、スムーズに話を進めるには大切です。