その4「ハードな作品よりも癒し系の作品を求め始める」
職場での人間関係のストレス、連日の残業、日々、積もっていく肉体疲労……。会社の規模や収入に関係なく、やっぱり社会人って大変なんです。誰しもが日々の労働で疲弊していくものなんです。
そうなってくると、アニメを視聴する時の作品のチョイスにも少なからぬ影響が出てきます。ハードなSF作品やシリアスなドラマ性の作品よりも、可愛い女の子達がただただ無邪気に楽しそうにしている……『きんいろモザイク』や『ご注文はうさぎですか?』といった所謂"萌え四コマ"原作のアニメ作品や"空気系""日常系"と呼ばれるアニメ作品に強く惹かれていく様になります。
そうした作品が我々、疲れたサラリーマンに与えてくれるのはズバリ"癒やし"です。可愛らしい女の子達が画面の中で微笑んでいる……ただそれだけで良いのです。ギスギスした人間関係とか悲しいエピソードとかは、現実世界の中だけで十分なのです。
せめてアニメの中だけは、幸せな空気に浸りたい、癒やしを求めたい……昨今の萌え四コマアニメや日常系アニメの人気の高さには、そうした社会人アニメファン達の切実な思いが込められているのかもしれません。
その5「田舎や地方を舞台にしたアニメに癒やされ、田舎暮らしに憧れ始める」
そして、そんな日常系アニメ作品群の中でも、『のんのんびより』や『たまゆら』『普通の女子校生が【ろこどる】やってみた。』の様に田舎、地方を舞台にしたアニメは、都会暮らしで疲れ果てたサラリーマンの心を掴んで離しません。
アニメで描かれる長閑な田園風景や密度が高く殺風景な都会の景色とは違う地方ならではの温かみのある背景は、まさに癒やしそのもの。そこで繰り広げられるのんびりとしたポップなストーリーを観ていると、不意に都会の喧騒が馬鹿馬鹿しく虚しいものに思えてきて、田舎暮らしに憧れたりし始めます。
何だったら、田舎に行けばアニメに出てくる様な可愛い女の子と付き合えたりするんじゃないかと妄想を繰り広げたりとかまでするものなのです。
……が、田舎に行ったら今みたいに沢山のアニメをリアルタイムで観ることは出来なくなるじゃないかとふと気付き、都会のくたびれた社会人アニメファンは不意に現実に引き戻されます。そんな時は、自分で自分に言い聞かせましょう。「お前は疲れてる」「ゆっくりアニメでも観て、少し休め」と……。
アニメの舞台になった地方を巡る"聖地巡礼"も大ブームとなっている今日この頃ですが、その人気の裏にはこういった社会人特有の切実な願望があったりするのかもしれないですね。
というわけで、社会人で尚且つアニメファンとして、日々のアニメ視聴の中で思っていた"あるある"ネタをまとめてみました。とはいえ、本当はそれぞれのアニメ作品に対して丁寧に、そして、長く愛を込めて接していくのがベスト。
何だか毎日が忙しない社会人。日々の中で、時間や余裕を作るのはなかなか大変かもしれませんが、大好きなアニメくらいは心に余裕を持ってジックリと、作り手側に感謝をしつつ楽しみたいものですね。