漫画・アニメ大国であり、インターネットが広く普及した日本。有名な作品のキャラクターが一般化し、ネット上でスラング(俗語)として使われることが増えてきた。
そこで今回は、知らなくてもいいけど知ってるとネットがもっと楽しくなるかもしれない――“キャラクター名が由来のネットスラング”を調べてみた。
サザエさん時空 出典:『サザエさん』
作中のキャラクターが永遠に年を取らない現象を指す。ネタ元の『サザエさん』のほか、『ドラえもん』『クレヨンしんちゃん』『ちびまる子ちゃん』など国民的アニメになった長寿タイトルは、この現象がよく見られる。お正月や夏休みといった季節イベントを何度過ぎてもキャラクターが若いままなのは、サザエさん時空にいるためである。ジャンルでいえばリアリティを重視する社会派・シリアス系よりも、矛盾を気にしなくていいギャグ・コメディ系の作品に多いようだ。
余談だが今年2月に100巻で完結したギャグ漫画『あさりちゃん』は、最終話でキャラクターが“サザエさん時空を破る”(あさりちゃんが小学5年生に進級する)ことによって、36年間の長い連載に終止符を打っている。
ジャイアニズム 出典:『ドラえもん』
強大な力を背景にして一方的な要求を押し通すこと。その基本理念は、作中でジャイアンこと剛田武が発したセリフ「おまえのものはおれのもの、おれのものもおれのもの」に集約されている。ネット上ではジャイアン的な考え方の個人や国家を批判する意味で使われ、もっぱらネガティブイメージを伴う。
それに対して本家『ドラえもん』以外の漫画・アニメでパロディ的に「ジャイアニズム」が登場する際は、藤子先生へのリスペクトが含まれているためか、コミカルなシーンで使われることが目立つ。この場合はネガティブさが若干やわらぐようだ。