ニコニコ動画の中でも1、2を争う人気ジャンルである「歌ってみた」。ボカロ曲からアニソン、洋楽に至るまで数々の動画が投稿され、プロデビューを果たす歌い手も続々登場しています。

本連載ではそんな「歌ってみた」がどのようにして発展してきたのか、動画と共に振り返っていこうと思います。

前回は、ニコニコ動画が本格的にスタートしてから(ニコニコ動画β、γ時代)数ヶ月間の歩みと、「歌ってみた」の黎明期を取り上げました。

2007年6月、「おっくせんまん!」と「エアーマンが倒せない」という二つの楽曲を中心に花開いた「歌ってみた」文化に、最初の転換点が訪れます。

 

ニコニコ動画で人気の楽曲をアレンジして一つにつないだメドレー大作「組曲『ニコニコ動画』」が登場したのです。

サイト開設から約半年、ユーザーが築き上げてきたニコニコカルチャーの集大成とも言えるこの動画は凄まじい勢いで人気を伸ばし、ニコニコ動画に「組曲フィーバー」が押し寄せました。

MADやリミックスなど組曲に関連した様々な動画が登場する中、歌い手たちは「組曲『ニコニコ動画』」に歌詞をつけ、「歌ってみた」を投稿し始めます。