国民的アニメとして、幅広い年齢層のファンから愛されている『ちびまる子ちゃん』。
原作者・さくらももこの幼少期の体験に基づく同名コミックをアニメ化した本作は、静岡県の清水市(現:静岡県静岡市清水区)に住む小学三年生の“まる子”と彼女の周辺の人々との日常を描いたものですが、そのエピソードの数々は時代に関係なく、誰もが幼少期のころに経験したことのある親しみの持てるものばかり。
現在、まる子と同じ小学三年生の子供たちはもちろん、かつて小学三年生だった大人たちも、まる子に自分の体験を重ねて一喜一憂できるところが人気の秘密なのかもしれません。
そんな『ちびまる子ちゃん』のテレビアニメも、早いもので、今年で放送25周年を迎えるというからビックリです。
こんなに長きに渡って、多くの人から愛され続けてきたのはなぜなのでしょう?
その秘密を探るべく、高木淳監督を直撃!
高木監督は1990年の放送開始時から演出助手として『ちびまる子ちゃん』に参加し、2007年から監督を務めているシリーズを最もよく知る作り手のひとり。
そんな監督に、1月25日(日)の『ちびまる子ちゃん アニメ25周年記念~旅は道連れ、苦あれば楽あり美味もありスペシャル』で放送される「『まる子、さぬきに行く』の巻」の見どころを紹介してもらいつつ、25年間受け継がれてきた『ちびまる子ちゃん』の変わらぬ魅力としなやかな変化、続けるためのちょっとした秘密について伺いました。
友蔵、ひろし、お姉ちゃん、まる子、4人で初のさぬき旅行!
――今回放送される『ちびまる子ちゃん アニメ25周年記念~旅は道連れ、苦あれば楽あり美味もありスペシャル』では、原作者のさくらももこさんが脚本を書かれた「『まる子、さぬきに行く』の巻」が放送されますが、なぜ、まる子は讃岐に行くことになるんですか?
高木: まる子の世界では王道なんですけど、テレビの讃岐うどんの番組を見ていたまる子が「美味しそう! 行きたい」って言い出して。いつもはお母さんに「バカなことを言ってるんじゃないの。行けるわけないでしょ」ってなるんですけど、今回はおじいちゃんが「わしも食べたいの~。わしの貯金をはたいて行こう」ということになるんです。
その裏には、友蔵の大阪万博に幼いまる子を連れていってやれなかった罪滅ぼしみたいな想いもあるんですよね。それで、おじいちゃんが自分とまる子の旅費を出し、ひろしとお姉ちゃんもひろしの貯金で一緒に行くことになるんです。