
『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』のその後の物語を描く映画『猿の惑星:新世紀(ライジング)』の特別映像が公開になった。本作の主人公の魅力をじっくりと掘り下げた“シーザーの軌跡”と題した映像だ。
『…創世記(ジェネシス)』では、アルツハイマーの治療薬を投与した猿から誕生したシーザーが驚異的な進化を遂げ、彼の先導によって猿たちが進化し、人間に反旗を翻すまでが描かれた。このほど公開された映像ではまず『創世記』の名場面が登場し、幼いシーザーが成長してく中で人間と深く交流できるようになるも、檻の中に入れられてしまう過程が描かれる。結果的に彼は他の猿たちにも薬を投与することで軍団をつくり、人間に抵抗するようになるが、彼は最初から人間と敵対しようと考えていたわけではない。
シーザー役のアンディ・サーキスは「彼は生まれつきの指導者」とシーザーを評するが、シーザーは人間を心底憎むことができず、戦いと共存の間で揺れ動いている。前作では“人間”と“猿”の対立だけが描かれたが、新作では猿の中にも人間との徹底戦を望む勢力と、穏健派がいることが示唆されており、シーザーは人間だけでなく、仲間の猿との関係にも悩むことになりそうだ。
シーザーは単に知能的に、身体的に進化した猿ではなく、サーキス曰く「人間の良い面を学び自分のものにしている」キャラクターだ。つまり、シーザーは猿でありながら、ある部分では人間が忘れてしまったり、失ってしまった“人間らしさ”を備えている。そんな彼は極限状態の中で、戦いを選ぶのか? それとも共存を選ぶのか? 見た目は“猿”だが、ここで描かれるシーザーのドラマは観客が深く共感し、新たな発見ができるものになっている。
『猿の惑星:新世紀(ライジング)』
9月、全国ロードショー
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