
リチャード・リンクレイター監督が主要キャストを12年間に渡って撮り続けて完成させた映画『6才のボクが、大人になるまで。』の予告編映像が公開された。96秒の映像の中に12年間かけて撮影されたシーンの数々がギッシリとつまった贅沢な予告編だ。
本作は、母と一緒にヒューストンからテキサスへと移り住んできた6才の少年メイソンを主人公に、彼と家族、そして周囲の人々の物語を壮大なスケールで描いた作品。リンクレイター監督はキャストを12年間に渡って撮り続け、彼らのリアルな成長や加齢をフィルムに記録。ベルリン映画祭で銀熊賞(監督賞)を、シアトル映画祭で作品賞と監督賞を受賞するなど、賞賛を集めている。
特殊メイクやデジタル技術が進化する中、あえて12年間という時間をかけて、フィルム撮影で、メイクやCGでは絶対に再現できない俳優の成長を記録し続けた本作。このほど公開された予告編の冒頭には主人公を演じるエラー・コルトレーンが愛らしい少年から青年へと成長してくシークエンスが登場。同じ俳優が、無邪気な子ども時代と悩み多き青年期の両方を演じているのも、当たり前のように思えるが実は驚くべきことだ。さらにイーサン・ホークやパトリシア・アークエット、ローレライ・リンクレーターら主人公の家族を演じる俳優たちの“12年の歩み”も登場する。
ちなみに本作は6才の少年メイソンが大人になるまでを追いながら、同時に彼が体験する様々な出来事や、彼をとりまく人々のドラマも描いていく。転居、新たな恋、別れ、再会、迷い、そして将来への展望……本作は、誰もが人生の中で経験する出来事を丁寧に描くために12年を投じており、予告編はその撮影スタイルに驚かされるだけでなく、そこで描かれる普遍的なドラマが観る者の胸をうつ内容になっている。
『6才のボクが、大人になるまで。』
11月14日(金) TOHOシネマズ シャンテほかにて公開