ホラー映画『死霊館』をめぐる状況が複雑化している。ワーナー・ブラザースを相手に訴訟を起こしたプロデューサーのトニー・デローザ=グランドが、今度は別のプロデューサー、ポール・ロックから訴訟されたのだ。

デローザ=グランドが今年初めにワーナーと系列のニューライン・シネマに対して起こした訴訟は、映画の権利と利益分配をめぐるもの。スピンオフ映画『アナベル(原題)』の北米公開が来月、『死霊館』続編の公開が2015年10月に決まっていることもあり、ワーナーはこの夏、デローザ=グランドに75万ドルをオファーして解決しようとしたが、デローザ=グランドは、「遅すぎる、そして少なすぎる」と拒絶している。

一方で、先週ロックがデローザ=グランドに対して起こした訴訟は、デローザ=グランドが約束したのに実現しなかったプロジェクトに関して25万ドルを要求するもの。また、ロックは、『アナベル(原題)』と『死霊館』続編の権利を所有するとも主張しており、映画の公開に影響を及ぼすことが心配されている。

2013年に公開された『死霊館』は、全世界で3億ドル以上を売り上げている。

文:猿渡由紀