SUPERCAR解散後、iLL、LAMAなどで活動してきたナカコーこと中村弘二によるソロ・プロジェクトKoji Nakamuraが、BAYCAMP2014のステージに立った。
初めて自身の名を冠したこのKoji Nakamuraは、彼の音楽キャリアの集大成的なプロジェクトであり、4月に発表された1stアルバムでは『Masterpeace』、傑作と銘打ってハイブリッドなロック・ミュージックを提示。深く、色どりのある音世界と、音楽のバックボーンか探究心へと大きく広がるサウンド・スケープを生みだしている。
10月よりKoji Nakamuraとしての初ツアーが行なわれるが、今回のBAYCAMPのライヴはツアーと同メンバーでのステージ。登場早々に、メンバー――田渕ひさ子(g/bloodthirsty butchers、toddle、LAMA)、345(b/凛として時雨、geek sleep sheep)、そしてiLLでもタッグを組む沼澤尚(ds)を紹介すると、1曲目へ。
ジャキジャキとした鮮やかなギターと、白昼夢的なリフレインに、会場が一気に歓喜に包まれた。いきなりSUPERCARの曲「White Surf style 5.」で幕を開けるサプライズに、遠くのほうでのんびりと構えていたオーディエンスも、ステージへと駆け寄り、手を掲げ、体を揺らす。
続く「Know Your Rights」、「Anemone」はいずれもLAMAの曲。田渕とナカコーによる歪みのきいたギター・アンサンブルに、ナンバーガールやSUPERCARが登場した90年代がフラッシュバック。どこまでも甘美なメロディとナカコーのヴォーカルは成熟し、大人のセンチメンタリズムを感じさせつつも、当時の青白い熱っぽさが透けて見えてグッとくる。
「(次は)夏っぽい曲……たぶん」というナカコーのフリで、勘のいいファンが大きな歓声で反応したのは、SUPERCARの曲「Summer Tune」。疾走感のあるドラム&ベースのビートに、ノイジーなギターが炸裂する爽やかなポップ・チューンにオーディエンスの一体感が増した。
わずかにメランコリーただよう、終わりゆく夏にぴったりのアンセムに続いては、バースト感たっぷりのロックンロール・ナンバー「Jet Bee Town」。SUPERCARのアルバム『OOKeah!!』(1999)からの2連発だ。