ユーグレナのココがすごい!
「ユーグレナの研究は、農芸や栄養科学の分野では1980年代からすでに行われていて、来たるべき食糧危機に備え、その栄養や可能性の研究が続けられてきました。ですから、『ユーグレナを食品に』という発想は、まったく新しい話というわけではないんです。私ひとりが考えたわけでもありません(笑)。ただ、育てるのが非常に難しく、今まではその技術がなかったのです」
ユーグレナ社は2005年、沖縄県石垣島において世界で初めて「ユーグレナ」の屋外大量培養に成功。近くの川にいるミドリムシをつかまえてきて、コップで育てる…なんて、そう簡単な話ではないようです。
「自然界に普通にいるミドリムシとは違うんですよ。とても特殊な、ミドリムシ界で最もすごいミドリムシなんです。どこで発見したのかは、ヒミツです(笑)」
そんな、ちょっと謎めいた部分も魅力的なこの石垣産ユーグレナ。どこが優れているのでしょう? ポイントは3つあるそうです。
(1)59種類の栄養素が含まれている
「59種類」と言われてもピンとこないかもしれませんが、その栄養素を一覧で眺めてみると、逆に含まれていない栄養素はあるのか、と思えるほど多彩です。
ビタミン14種、ミネラル9種、アミノ酸18種、不飽和脂肪酸…。すごいのは、人間の体に欠かせない必須アミノ酸9種類がすべて含まれていて、「アミノ酸スコア」が83と、そのバランスも非常に優れているところ。さらに、サバやイワシなど青背の魚に多く含まれている良質な脂質の代表格、DHAやEPA、リノレン酸なども摂取できるのです。
つまりは、ユーグレナを食べることで野菜・肉・魚などに含まれる栄養素が全般的にバランスよく補える、というのが最大の特長。ちなみに、ユーグレナ(原料)1gで摂取できる栄養素は、きんかん約50g分のビタミンA(β-カロテン)、車えび約50g分の亜鉛、ほうれん草約50g分の鉄、サンマ約50g分の葉酸…。「こんな食材は他にありません」と出雲社長。
※ユーグレナの栄養素に関しては、加熱して食べられる状態にした時の量を測定しているそうです
(2)栄養を効率よく吸収できる
植物の細胞には「細胞壁」という細胞を覆う壁がありますが、人間は、草食動物と違ってこの細胞壁を分解する酵素を持ち合わせていません。そのため、野菜を加熱したり切ったりして細胞壁を壊すのですが、それでも吸収効率が悪い、という点がネックだそうです。
しかしユーグレナには、この「細胞壁」がありません。それゆえ、豊富な栄養素を効率的に消化吸収できるのだとか。その消化率はなんと93.1%。「これも、ユーグレナにしかない特長ですね」
(出典:『ユーグレナ-生理と生科学』北岡正三郎編集 学会出版センター)
(3)不要なものを体外に排出する
ユーグレナには「パラミロン」という、食物繊維のような性質を持つ特有の栄養素が含まれています。このパラミロンの表面には小さな穴がたくさんあり、炭と同様、体内の油分などの不要物を吸着し、体の外に排出する働きがあるそうです。
また、プリン体の吸収を抑制し、血中尿酸値を下げるなどの効果も確認されており、今後も研究の余地がおおいにあるとか。
さて、そんな注目点の多い「ユーグレナ」を使った食品、いよいよ試食してみます!