動揺しながら後に続こうとしたその瞬間、

スパパパパパパン!

甲高い破裂音と共に、何かがヒュンッと風を切って飛んできます。たまらず「うわっ」と物陰に戻って息を潜めていると、

「ヒット!」というAさんの声が。

そう、サバゲーでは自分が弾を受けると自己申告で「ヒット」と叫び、出口から外へと出るのです。つまりこれは、Aさんがやられた、ということ。ということは、さっきの破裂音は相手の銃!?

いきなり飛び出していったとはいえ、Aさんもちゃんと障害物を利用しながら進もうとしていたわけで、そのAさんがこんなに早く弾を浴びて離脱してしまうなんて……。

もしかして、相手チームって、めちゃくちゃうまいんじゃない?(今さら!)

 

 

いきなりの一人離脱で、完全に及び腰になる残りの3人。動けばすぐ撃たれる気がするし、かといってこのままだとジリ貧になってしまう。どうしたら……どうしたらいいのか!? あ、今、ちょっとだけ映画の登場人物の気持ちがわかったかも……。

というか、実際にやってみてびっくりしたのですが、サバゲーのBB弾って、めっちゃ速いんですね。正直、想像していたよりも100倍くらい速かったです。ちょっと前にiPhoneアプリで操作できる戦車のおもちゃを手に入れて、BB弾を部屋の中で撃ってみたら思ったよりも速かった上に跳弾しまくってめちゃめちゃビビった記憶があるのですが、そのときよりもさらに速い! サバゲー、ナメてました。さすが大人の本気の遊びです。たしかにこんな状況でカメラなんて構えてたら、一発で撃たれて壊れてしまいそう。そう考えると、戦場カメラマンってとてつもない職業だな……。

そんなことを考えているうちに、僕以外の二人が動きました。物陰から物陰へと素早く移動し、相手チームと銃を撃ち合っています。

すごい! やるじゃないか!

心の中で褒め称えながら、一歩も動けない僕。

……まさか自分がこんなチキン野郎だとは思わなかった……いや、チキンなのは知っていたけど、ここまでとは……。