愛を貫く主人公達のドラマにうっとり〜ミハイロフスキー劇場バレエ〜

新春は、ミハイロフスキー劇場バレエの舞台と共に迎えよう。前述した通り、つい数年前まで「レニングラード国立バレエ」の呼び名で毎年来日していたバレエ団だ。

 

ミハイロフスキー劇場バレエ『新春スペシャル・ガラ』 拡大画像表示

新年最初の公演は『新春スペシャル・ガラ』。『くるみ割り人形』『白鳥の湖』『ライモンダ』の名場面を、スターダンサー達が、舞台美術とオーケストラつきで踊る。吉田都のゲスト出演も、お年玉のようで嬉しい。

このガラのあと、『ジゼル』『海賊』『白鳥の湖』と、古典の大作が次々に上演される。そのすべてに共通するのは、いずれも愛を貫く主人公達のドラマである点。

 

ミハイロフスキー劇場バレエ『ジゼル』 拡大画像表示

『ジゼル』は、村娘ジゼルと、村の若者に変装した貴族アルベルトとの悲恋の物語。自分の恋が身分違いのものだと知って狂死し、男達を取り殺す精霊ウィリーの仲間入りを果たすジゼルだったが、それでもウィリーの女王の命令に背いて愛するアルベルトを助ける。

 

ミハイロフスキー劇場バレエ『海賊』 拡大画像表示

『海賊』は、難破した海賊コンラッド、アリ、ビルバントらと、彼らを助けたギリシャの娘、メドーラとギュリナーラとの恋物語。奴隷商人にさらわれ、ハーレムに売られた娘達を、海賊達が助けるさまは痛快そのもの。エキゾティックな魅力たっぷりの冒険譚だ。

 

ミハイロフスキー劇場バレエ『白鳥の湖』 拡大画像表示

そして、バレエの代名詞とも言うべき不朽の名作『白鳥の湖』。オデット(白鳥)と王子の愛を、悪魔ロットバルトとその娘のオディール(黒鳥)が妨害する。しかし、オデットと王子の愛の純粋さによって悪は敗れ、ふたりは結ばれるのだった。なお、ミハイロフスキー劇場バレエは、王子とオデットを囲んで様々なかたちを作る白鳥達のコール・ド・バレエ(群舞)の美しさに定評がある。

どんな舞台を選べばいいか迷ってしまうという人は、一度にたくさんの演目を上演するミハイロフスキー劇場バレエの公演で、自分の好みを確かめてみてはいかがだろうか?
 

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キエフ・バレエ-タラス・シェフチェンコ記念ウクライナ国立バレエ-
・12月20日(土)/23日(火・祝)東京国際フォーラム ホールA
 演目『くるみ割り人形』
・12月25日(木)ルネこだいら 大ホール
 演目『くるみ割り人形』
・12月27日(土)/28日(日)Bunkamuraオーチャードホール
 演目『バレエ・リュスの祭典』

ミハイロフスキー劇場バレエ 旧レニングラード国立バレエ
・2015年1月3日(土)/4日(日)東京国際フォーラム ホールA
 演目『新春スペシャル・ガラ』
・2015年1月6日(火)/7日(水)東京文化会館
 演目『ジゼル』
・2015年1月8日(木)/9日(金)東京文化会館
 演目『海賊』
・2015年1/10(土)/11(日)東京国際フォーラム ホールA
 演目『白鳥の湖』
・2015年1月12日(月・祝)神奈川県民ホール
 演目『白鳥の湖』

 舞踊・演劇ライター。現代劇、伝統芸能、バレエ・ダンス、ミュージカル、オペラなどを取材・執筆している。第10回日本ダンス評論賞第一席。年間観劇数250本以上。ブログ