
三蔵法師、孫悟空、沙悟浄、猪八戒はいかにして出会ったのか!? 『西遊記』の前日譚を描いたアクションエンターテインメント大作『西遊記~はじまりのはじまり~』。中国では公開15日で148億円というスピード記録を打ち立て、2013年の興行成績第1位に輝いた大ヒット作だ。監督を務めた『少林サッカー』『カンフーハッスル』のチャウ・シンチーに直撃!
1995年に『チャイニーズ・オデッセイ』で孫悟空を演じたこともあるチャウ・シンチー。『西遊記』には並々ならぬ熱意を持っているようだ。「子供の頃から大人になった今もとにかく大好きなんです。ドラマ、映画、小説を読み続けています。作者がどうしてこんなにいろんなアイディアを思いつくのか、不思議でどうしようもなかったです。エピソードゼロ的な話にしたのは、僕がそれを観たかったからですね」。
誰もが知る『西遊記』をモチーフにしながらも、猪八戒が美男子だったり、孫悟空がハゲた老人だったり、キャラクター設定から意表をついてくる。「猪八戒は猪なんだけど、人間の姿の時は美男子。孫悟空は身軽で力が強い猿だけど、人間の姿の時は老人。落差を作って驚かせようと思ったんです」と説明。なるほど、凄腕の妖怪ハンターなのに虚弱体質な“空虚王子”など、他のキャラクターも落差たっぷり。奇々怪々なキャラクターたちに注目してほしい。
いつもは監督&主演を務めるチャウ・シンチーだが、今回は監督・脚本・製作と裏方に専念。キャスティングは自らの“勘”にまかせたという。「玄奘(後の三蔵法師)役のウェン・ジャンはなんとなく三蔵法師っぽいなと思いました。勘ですね(笑)。玄奘に恋をする段役は、好き嫌いがはっきりしていてストレートなところがスー・チーっぽいなと思いました。彼女の映画はたくさん観てきたので、演技力も美人であることもわかってましたから」。ただし、孫悟空役だけは難航したのだとか。「ホワン・ボーに最初断られたんですよ。“あなたが孫悟空役をやった時の演技を超える自信がない”と。僕は、“たしかに僕を超えることはできないだろうけど、ホアン・ボーらしい孫悟空を演じてくれればいいんだよ”と説得したんです(笑)」。
『西遊記~はじまりのはじまり~』
11月21日(金)TOHOシネマズ有楽座ほか全国ロードショー
文:岡大