『卒業』『ワーキング・ガール』などで知られるマイク・ニコルズ監督が、アメリカ時間19日の夜、心拍停止で急死したことがわかった。83歳だった。ニコルズは、メリル・ストリープとともに、舞台劇『マスター・クラス』のテレビドラマ化に取りかかっていたところだった。
ニコルズはエミー賞、グラミー賞、アカデミー賞、トニー賞すべてを獲得した、ハリウッドでも稀少な人物のひとり。7歳で、ナチを逃れてドイツからアメリカに移住し、シカゴ大学在学中にコメディの魅力に目覚め、シカゴの有名なコメディ・カンパニー“セカンド・シティ”を築いた。1964年、初めてのブロードウェイ劇『裸足で散歩』でトニー賞を受賞。アカデミー賞監督賞には、1967年の『バージニア・ウルフなんて怖くない』で初めてノミネートされ、翌年の『卒業』で受賞した。『シルクウッド』『ワーキング・ガール』でもノミネートされている。
その他の代表作に『バードケージ』『パーフェクト・カップル』『クローサー』など。トム・ハンクス、ジュリア・ロバーツ、フィリップ・シーモア・ホフマンが出演する2007年の『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』が最後の映画となった。
3度の離婚歴があり、現在の妻でテレビジャーナリストのダイアン・ソイヤーとは、1988年に結婚した。2度目の妻とのあいだに娘をひとり、3度目の妻との間に息子ひとりと娘ひとりをもうけている。
文:猿渡由紀
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