「夫は仕事を理由に家事も育児も手伝ってくれることはなく、いつもワンオペで疲れてきっていた私は、もう家庭内別居でいいと思って客間に布団を移しました。

それを見て『何のつもりだ』と不機嫌になる夫は無視していたのですが、一人息子について『園の行事だけは教えろ』と言われて。

家のなかでは何もしないくせに、園ではいいパパを演じようとするのも本当に腹立たしくて、それでも息子の気持ちを考えたら夫をのけものにすることはできず、渋々伝えていました。

あるとき、演劇の発表会が園であり、先生からは『静かな場面が続くので、拍手などは控えてください』と言われていました。

夫には発表会の日付だけ伝えていて、当日は私は仲のいいママ友と行き、園に来ていた夫とは距離を取っていました。

いざ演劇が始まったときのこと、息子が登場すると夫がひとりで大きな拍手を送ってしまい、周りの保護者が嫌な顔をしているのが分かりました。

夫は違和感に気が付いてすぐやめたのですが、それからずっと苦虫を噛み潰したみたいな顔をしていましたね。

でも、家庭内別居については誰にも言っておらず、園やほかの保護者からすれば妻である私も同罪ですよね。隣のママ友も、別々で見ている時点でおかしいことには気付いているようで、ずっと気まずかったです……。

『申し送り』に不備があったせいで息子にまで迷惑をかけたと思うと、胸が痛かったですね……」(30代/接客業)

家庭内別居を周囲に隠している場合、伝達事項に漏れがあるとこんなトラブルが起こります。

「非常識な親」と思われるのは自分も同じであり、いろいろな違和感が重なって不仲に気付かれる、ということも考えられます。

家庭内別居であっても、子どものために申し送りはなるべく正確に伝えるのが正解。

こんなつまずきが外の世界では自分を追い詰めることを、忘れてはいけません。