アイドルソングなのに爆裂デジタルハードコア! BABYMETALの『ギミチョコ!!』!!

先ずご紹介したいのがこの曲、BABYMETALの『ギミチョコ!!』です。"ヘヴィメタル+アイドル"という斬新なコンセプトによる楽曲と動画がYouTubeで海外のメタルファンに大人気となり、今や世界規模での活動を行っているBABYMETAL。そんな彼女達の楽曲の中でも特にハードな1曲がこの『ギミチョコ!!』。

耳をつんざくビープ音のようなシンセサイザーとヘヴィーな低音に乗せて、甘いチョコレートへの食欲とダイエットの狭間で揺れ動く乙女のハートを歌う異色のアイドルナンバーです。この曲を作ったのが元THE MAD CAPSULE MARKETSのベーシストで、現在はソロプロジェクトAA=で活動を行っている上田剛士さんです。

パンクブームの中心にいたバンドの中でも80年代から活動していた古参バンドのひとつ、THE MAD CAPSULE MARKETS。その初期はビジュアル系のバンドとも繋がりを持ち、BUCK-TICK等からの強い影響を感じさせるパンクロックをやっていたのですが、中期からハードなデジタルサウンドを導入し、尋常ではないスピードとヘヴィネスを伴ったミクスチャーロックバンドへと進化を果たします。

海外でも活躍し、2006年の活動停止まで日本を代表するロックバンドのひとつとして数多くの優れた楽曲をリリース。当時のパンク系のバンドではまだまだ珍しかった3D CGを使ったプロモーションビデオや、CDのオマケにオモチャを付けるといったユニークな活動も斬新でした。

そんなマッドのベーシストとして、重低音を担っていたのが上田剛士さん。まさか、上田さんがアイドルの曲を作るなんて……と、非常に意外性のある人選ではあるんですが、『ギミチョコ!!』のハードでメタリックなデジタルサウンドや多幸感に満ちたサビのポップなメロディなんかは、実に上田さんらしい楽曲だと思います。

上田さんによる現在進行形のプロジェクトであるAA=の楽曲と聴き比べてみるのもまた一興。こうしたパンキッシュでメタリックな曲を書くことが出来るクリエイターの起用という確かな選球眼もBABYMETALの人気に一役買っているのかもしれないですね。