~プロの能楽師・日本舞踊家を招き、多面的に「山姥像」を探究~

武蔵野大学(法人:東京都江東区、学長:小西 聖
子)では、独自の取り組みとして「授業改善トライアル」制度を設けています。これは、既存の授業の枠組みでは実施が難しい新たな学びを大学が支援し、試行的に実施できるようにするものです。
今回、この「授業改善トライアル」に文学部日本文学文化学科(東京都西東京市)の伝統芸能ゼミの企画が採択され、体験と鑑賞を通して能と日本舞踊を学ぶ特別ゼミが実現しました。





全7回にわたるこのゼミでは、能楽など中世芸能を専門とする三浦 裕子教授のゼミと、歌舞伎・
文楽など近世芸能を専門とする金子 健准教授のゼミが合同で、まず4回にわたって日本の様々な伝
統芸能で描かれる「山姥(やまんば)」をテーマに研究発表を行いました。続いて、プロの能楽師と日本舞踊家から能と日本舞踊の実技の指導を受け、最終回に「能〈山姥〉の仕舞と狂言語り」および「日本舞踊〈花へんろ〉」の実演を鑑賞しました。
特別ゼミを通して、学生たちは能楽・文楽・歌舞伎・日本舞踊・昔話・禅に描かれる山姥像を比較・分
析し、総合的な資料を作成しました。「山姥」を軸に、日本の伝統芸能への理解と関心を深める貴重な
機会となりました。

【ゼミの概要(全7回)】



【実演鑑賞の様子】(武蔵野キャンパス 紅雲台にて実施


(実演)仕舞<山姥>クセ

(お話)邦楽囃子の紹介


(実演)日本舞踊<花へんろ>

座談会と質疑応答


■鑑賞内容



【コメント】

■文学部日本文学文化学科 三浦 裕子教授
実演鑑賞では、能楽師と日本舞踊家・邦楽囃子家というジャンルの異なる実演家の方が6名もお集
まりくださり、お話と実演をしてくださるという大変贅沢なひと時となりました。学生たちも鑑賞と体
験を楽しみ、能楽という中世芸能と日本舞踊という近世芸能の違いも実感したようでした。

■文学部日本文学文化学科 金子 健准教授
能、日本舞踊と2回のワークショップを経験したうえで、改めて実演を鑑賞するという、恵まれた状
況での特別授業だったと思います。多くの実演家をお招きでき、紅雲台という施設があったからこそ
実現したことで、伝統芸能のなかでもそれぞれ違った特徴や魅力があることを7回にわたってしっか
り学び、体験することができました。

■参加学生のコメント(アンケートより抜粋)
・実演はとても迫力がありました。
・初めて実演を見ましたが、面白かったです。
・プロの実演を鑑賞できるのはとても贅沢でした。
・自分たちがまとめた考えと比較して、プロの皆さんの「山姥」についての考察が印象的でした。
・「山姥」が自然の中に存在する超自然的な存在であるという考えは非常にしっくりくるものでした。
・座談会で話を聞いて、台本の内容について納得ができました。
・謎に満ちた山姥が少し理解できた気がします。

【授業改善トライアルとは】

「授業改善トライアル」は、本学が平成28年度より実施している独自の公募型教育支援制度です。豊かで生き生きとした学びを実現するための工夫を凝らした授業デザインでありながら、予算・運用の面で既存の枠組みでは十分に実施できない取組みを、試行(トライアル)として大学が支援することを趣旨としています。これまで、生成 AI を活用したアクティブ・ラーニングプログラムや、コミュニケーションを活性化するツールを用いたグループディスカッションの実践など、さまざまなタイプの授業が採択・実施されており、今年度は、本件のほかに「母子ケアにおける実践型授業」、「保育者のための木のおもちゃ制作体験授業」など計5件の授業デザインが採択されています。

【武蔵野大学について】


武蔵野大学武蔵野キャンパス
1924年に仏教精神を根幹とした人格教育を理想に掲げ、武蔵野女子学院を設立。武蔵野女子大学を前身とし、2003年に武蔵野大学に名称変更。2004年の男女共学化以降、大学改革を推進し13学部21学科、13大学院研究科、通信教育部など学生数13,000人超の総合大学に発展。2019年に国内私立大学初のデータサイエンス学部を開設。2021年に国内初のアントレプレナーシップ学部を開設し、「AI活用」「SDGs」を必修科目とした全学共通基礎課程「武蔵野INITIAL」をスタートさせる。2023年には国内初のサステナビリティ学科を開設。2024年には創立100周年を迎え、世界初のウェルビーイング学部を開設した。2050年の未来に向けてクリエイティブな人材を育成するため、大学改革を進めている。

武蔵野大学HP:https://www.musashino-u.ac.jp/




【関連リンク】

■文学部日本文学文化学科:
https://www.musashino-u.ac.jp/academics/faculty/literature/
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