吉田仁人 (C)エンタメOVO

 「イイじゃん」が大ヒットを記録し、第67回日本レコード大賞優秀作品賞を受賞、第76回NHK紅白歌合戦にも出場するなど、旋風を巻き起こしたM!LK。グループのリーダーも務める吉田仁人は、息つく間もなく1月30日から上演される「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争 THE STAGE II」に主演する。


 本作は、1987年に発売された「ファイナルファンタジー」を第1作とする日本製RPGシリーズの「ファイナルファンタジー ブレイブエクスヴィアス 幻影戦争」を原作とした舞台。2024年にシリーズ第1弾となる舞台が上演され、演技×殺陣×再現度で好評を博した。第1弾から主人公のモントを演じる吉田に公演への意気込みや2025年の振り返り、俳優業とアーティスト活動それぞれへの思いなどを聞いた。


-シリーズ第2弾となる今回の公演が決まったときの心境は?


 第1弾の台本を読んだときに、「これは続くな」と感じていたんです(笑)。ようやくリオニスからクリスタルが現れて、モントが王になったというところで第1弾が終わったので、ここで終わるはずがないと、第1弾の公演中から「この感覚を忘れないようにしよう」と思って臨んでいました。改めて第2弾のお話を伺って、率直にありがたかったですし、もう一度参加できるということがうれしかったです。第1弾から殺陣を含めて動きがハードだったので、覚悟がいる作品ですし、頑張らなくてはいけないという思いもありますが、第2弾ではどんなメンバーになるんだろうとワクワク感が大きいです。


-第1弾の公演では、吉田さんも手応えを感じていましたか。


 プロジェクションマッピングを使った場面転換や舞台装置によって、ゲームの雰囲気がステージ上でうまく表現できていたと思うので、善戦できたのではないかなと思います。もちろん、感想は見ていただいた方に委ねたいと思っていますが、それぞれがそれぞれのやるべきことを全てできたのではないかと感じました。ビジュアルの面でも、再現度の高いチームが担ってくださったので、甲冑(かっちゅう)やウィッグなど、原作と遜色ないように作っていただきました。支えてくれるアンサンブルの皆さんたちも実力者の方ばかりだったので、演じるのがすごく楽しかったですし、自分の中ですてきな記憶として残っています。


-そうすると、苦労よりも楽しかったという思い出の方が大きかった公演なのですね。


 最終的にはそうですが、稽古の中では大変なことも多かったです。例えば、僕は左利きなのですが、モントの殺陣は右手で行わなければいけなかったので、使い慣れていない腕での殺陣はなかなか大変で。精度を上げるのに苦労しました。それから、右手を使うことに慣れていないので、肩が摩耗したということもありました(苦笑)。使いやすいように武器を作ってくださっていますが、ステージ上ではずっと動き続けているので、どうしても疲れがたまってしまうんですよ。そうしたコンディションの整え方、それから舞台の発声とグループ活動での声の使い分けは苦労しました。ただ、皆さん、プロですし、良い人ばかりのカンパニーだったので、稽古中も楽しかったです。


-吉田さんが演じるモントという役については、どのようにとらえていますか。


 今回は、王になったところから物語がスタートするので、王としての葛藤やそこからの進化をしっかりと描いていきたいと思います。ただ、彼の根幹には第1弾で描かれた、若さや仲間思いで猪突(ちょとつ)猛進なところは変わらずにあると思うので、第1弾を見てくださった方に「モントってこんな人だったっけ?」と思われないように、うまくグラデーションをつけて作り上げていきたいです。アクションに関しては、第1弾から日がたっているとはいえ、覚えているところも多いんですよ。第1弾の映像を見るとより鮮明に思い出すところがあったので、より精度を高めて王になったモントを作ることに集中できたらと思います。

-第2弾に向けての課題は?


 今回から参加される新たなキャストの方も多いので、どのように関係性を作っていくのかが大切になってくると思います。前回は、同世代のキャストが少なかったのですが、今回は僕と同じようにアーティスト活動をしながら俳優をしている同世代のキャストも多いんです。お互いに気を遣わずに相談し合える関係になれたらいいなと思います。それから、先日、前回公演の映像を改めて見たのですが、今見ると、もっと疾走感があった方が良かったなと自分で気づくところも多かったんです。当時は必死でそれどころではなかったのですが、今だからこそ分かることもあると思うので、第1弾を超えられるようなアクションや舞台を作り上げられたらいいなと思っています。


-ところで、2025年は吉田さんにとって変化も多かった1年だったと思います。振り返ってみていかがですか。


 怒涛(どとう)の1年でした。グループとしては、3月からの9カ月間で環境もガラッと変わって。いつかそうなれたらとは思っていましたが、まさかこんなにもガラッと変わるとは思っていなかったので、その環境に適応するのに気持ちの切り替えは必要でした。ありがたいことに年末ギリギリまで、たくさんのお仕事をさせていただいたので、2026年も引き続き、たくさん稼働していくためにも、まずは体調管理をしっかりとしたいです。それから、2025年は、目の前のことに追われて、来週のスケジュールすら分からないという状況が続いていたので、自分はどういうことをしていくのか、どんなインプットをして自分の気持ちを養っていけば良いのかを考える時間を大切にしていきたいです。アウトプットばかりにならないように、常に新鮮な気持ちでいることを目標にしたいと思います。


-例年にも増してメンバーと行動することも多かったのかなと思いますが、改めてグループ活動やメンバーへの思いを教えてください。


 メンバーみんな、グループ活動に対していろいろなことを深く考えているんだなと改めて感じました。「もっとこうしたい」「もっとこうやって打ち出したい」と、この忙しさの中でもしっかりとビジョンを持っているんですよ。なので、グループの2025年の活動にもメンバーそれぞれのリクエストがかなり反映されていたと思います。そうした意見を出してくれるメンバーがいることに感謝です。僕はどちらかというと「それでオッケーです!」と言ってしまうタイプなので、ストイックに向き合っているメンバーがいることでよりブラッシュアップしたものをお届けできると思いますし、このメンバーでありがたいと思うことが多かったです。


-皆さん、熱量が高いのですね。


 そうですね。僕はパフォーマンス面やライブに関しての思いが強く、それぞれが適材適所で得意なところを生かせているのだと思います。マネージメントの皆さんもそうですが、2025年、チームM!LKは本当に頑張ったと思いますし、心から感謝しています。


-アーティスト活動が忙しい中ではありますが、俳優業やお芝居については、どのような思いがありますか。


 グループのみんなもいろいろと活動していますが、やはりグループ活動とどう両立していけば良いのかは考えます。ただ、僕にお話をいただけるということはとてもありがたいですし、求めていただいたということがうれしい。この舞台も「続投していただきたい」とお話をいただいて、すごくうれしかったです。求められなければ続けられない仕事なので、そう思っていただけることが第一歩だと考えていますし、それはとてもありがたいことです。


-吉田さんがアーティスト、そして俳優として活動する中で、これだけは譲れないと思っている「信念」は?


 自己満足かもしれませんが、自分が納得できたかどうかが大事なのかなと思います。自分の中のハードルを超えられたかどうか。ただ純粋に楽しいだけでなく、自分の思うものを表現できたかどうか。そして、舞台では稽古中から修正したいと思っていたところを自分が満足いくものにできたかどうか。そうした自分の中でのハードルをクリアすることを大切にしています。


-なるほど。自分が良いと思うものができたら、それはお客さんにも伝わりますよね。


 そう思っていただいていたらいいなと思います。


-最後に、公演に向けての意気込みとメッセージをお願いします。


 今回、新たなキャストが加わって、また新たな風が吹きます。国々の対立やそれぞれの思惑の交錯など、一瞬でも気を抜いたら置いていかれてしまうのではないかというほど、濃厚なストーリーが展開します。キャストたちが全力でパフォーマンスして、熱のある芝居を繰り広げますので、ぜひ楽しんでいただけたらうれしいです。第1弾を見ていなくても楽しめる内容になっていますので、あまり気負わずに足を運んでいただけたらと思います。


(取材・文・写真/嶋田真己)


 「FINAL FANTASY BRAVE EXVIUS 幻影戦争 THE STAGE II」は、1月30日(金)~2月8日(日)に都内・サンシャイン劇場、2月14日(土)~16日(月)に大阪・梅田芸術劇場シアター・ドラマシティで上演。