化学肥料・温室効果ガス(GHG)排出量削減を目指し新たな循環型農業モデルを実証

 イオンアグリ創造株式会社(以下、イオンアグリ創造)と、株式会社豊橋バイオマスソリューションズ(以下、豊橋バイオマスソリューションズ)は、農林水産省「中小企業イノベーション創出推進事業費補助金(フェーズ3基金)」※の採択事業として、共同研究に取り組んでおります。今年度中に、埼玉県加須市内にある循環型農業実証施設「加須サーキュラーエコノミー研究拠点(図1)」において、小規模メタン発酵プラントとプロバイオポニックス技術を組み合わせたミニトマト栽培施設が完成し、今春よりミニトマトの栽培試験を開始いたします。両社は本実証を通じ、化学肥料および温室効果ガス(以下、GHG)排出量の削減を実現する新しい循環型農業のモデルを提案してまいります。

 世界的に見ると、全GHG排出量の約4分の1が農業・林業・その他の土地利用から発生しているとされており、農業分野でのGHG排出量削減は持続可能な社会の実現に向け喫緊の課題です。イオンアグリ創造では、自社直営農場から営農活動の環境負荷低減に積極的に取り組んでおります。
 豊橋技術科学大学発ベンチャーの豊橋バイオマスソリューションズは、地域の未利用バイオマス資源を活用した循環型エネルギー供給システムの開発に注力してまいりました。小規模廉価型のバイオガス発電システムを実現するなど、バイオマス資源の種類と量に応じたプラントの試験、設計、施工、メンテナンスまで一貫管理できる技術力が強みです。

 両社は2025年6月より共同研究を開始。持続可能な農業経営と地域社会への貢献を目指し、先進技術の社会実装を加速させます。この取り組みでは、イオン埼玉久喜農場で発生する農業残渣と、イオンモール株式会社(以下、イオンモール)が運営するイオンモール春日部の専門店において発生する食品残渣から、メタン発酵技術を用いてエネルギーを取り出し、さらにその廃液を「プロバイオポニックス技術」を用いて液体肥料に再生します。隣接するハウスではこの液体肥料を使ってミニトマトを生産し、イオングループ店舗へ商品として供給することで、地域内でエネルギーと窒素資源を循環させ、GHG排出量を削減するモデル(図2)を実証します。

 豊橋バイオマスソリューションズとイオンアグリ創造、イオンモールは本実証を通じ、革新的な循環型農業システムの社会実装に向けた基盤を確立し、持続可能で豊かな食の未来を、地域の皆さまと共創してまいります。





図1 加須サーキュラーエコノミー研究拠点



図2 本事業で実証する循環型モデルの概要

【プロバイオポニックスとは】
 通常、水中では有機物は腐敗してしまいますが、特定の条件下で微生物の働きを利用することにより、有機物を水中でも土壌と同じように分解し、植物が利用できる状態の窒素分に変換することができる技術です。



図3 プロバイオポニックスの概念図

※農林水産省中小企業イノベーション創出推進事業(フェーズ3基金事業)は、スタートアップ等が自社技術を社会実装につなげるための大規模技術実証を実施することで、国内のスタートアップ等の有する先端技術の社会実装の促進を図ることを目的としています。
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