歴史の陰影に潜む人間像を鮮烈に描き出す時代小説の旗手・木内昇(きうち・のぼり)。緻密な取材と鋭い洞察で主要文学賞を次々と射抜き、現代文学に揺るぎない存在感を刻む作家が、『雪夢往来』(せつむおうらい)で第52回大佛次郎賞を受賞しました。これを記念し、木内氏による講演会を開催します。


                  撮影:朝日新聞社

きうち・のぼり  1967年生まれ。出版社勤務を経て、フリーの編集者やライターとして活動していた2004年、『新選組 幕末の青嵐』で小説家デビュー。2008年に刊行した『茗荷谷の猫』が話題となり、早稲田大学坪内逍遙大賞奨励賞を受賞。2011年に『漂砂のうたう』で直木賞を受賞。2013年に刊行した『櫛挽道守』は中央公論文芸賞、柴田錬三郎賞、親鸞賞を受賞。2025年『雪夢往来』で大佛次郎賞・中山義秀文学賞、『奇のくに風土記』で泉鏡花文学賞、『惣十郎浮世始末』で舟橋聖一文学賞を受賞。他の作品に『よこまち余話』『光炎の人』『球道恋々』『火影に咲く』『化物蠟燭』『万波を翔る』『占』『剛心』『かたばみ』など多数。
大佛次郎賞受賞記念講演会 概要
【1】 開催日時  2026年6月13日(土)14:00開演(13:30開場)
【2】 会 場  横浜市開港記念会館 講堂(横浜市中区本町1丁目6番地) 
【3】 料 金  900円(全席自由)
※ 未就学児のご入場はご遠慮ください。
※ チケット提示で、大佛次郎記念館のテーマ展示「大佛次郎の愛した猫コレクション展」(~4/19)
「戦国のひとびと 二人の秀頼」展(4/25~8/16)のいずれかを1回ご観覧いただけます。
【4】 チケット取扱 チケットぴあ(Pコード:659-459) 2/21(土)10:00~6/12(金)23:59
         大佛次郎記念館窓口     2/21(土)10:00~6/12(金)16:00
【5】 当 日 券  残席がある場合のみ、会場にて12:30より販売
【6】 主 催  大佛次郎記念館(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団) /朝日新聞社
【7】 後 援  横浜市中区役所

横浜市開港記念会館


演題「江戸の出版文化~京伝、馬琴、牧之と版元の人々~」
江戸時代、ほとんどの戯作者には潤筆料、つまり原稿料は支払われなかったと言われています。それでも人々は物語をつむぎ、版行を望みました。そこにある書き手の思いとは。山東京伝、曲亭馬琴といった江戸の人気戯作者と、地方からの発信を試みた鈴木牧之。好対照な足跡を追いつつ、彼らをとりまくあまたの版元の工夫や奮闘にも着目します。市井の人々を楽しませた出版文化とはどういったものだったのか、現代の出版界との比較も交え、考察できればと思います。(木内昇)

受賞作・木内昇 『雪夢往来』(新潮社)
江戸の人々に雪国の風物や綺談を教えたい。越後塩沢の縮(ちぢみ)仲買商・鈴木牧之が綴った雪話はほどなく山東京伝の目に留まり、出板に動き始めるも、板元や仲介者の事情に翻弄され続け──のちのベストセラー『北越雪譜』誕生までの長すぎる道のりを、京伝、弟・京山、馬琴の視点からも描き、書くことの本質を問う本格歴史長篇。(新潮社HPより)
大佛次郎賞と受賞記念講演会について
朝日新聞紙上に「天皇の世紀」を連載中に亡くなった大佛次郎の多彩な業績を記念するため、朝日新聞社が1973年に創設しました。
大佛次郎は、時代小説に社会的なひろがりと芸術的な深さを与えるとともに、現代のさまざまな問題を扱った小説で広い読者層を獲得しました。また、豊富な資料を駆使して歴史上の出来事を再構築し、ノンフィクションの分野に新境地をひらいて、その作品を現代文明の批評として提示しました。
さらに随筆、旅行記などにもすぐれ、その多面的な活動は豊かな教養と知性、それに知識人としての気骨をあらわしています。
大佛次郎賞は、このような大佛次郎の業績を尊重し、小説、戯曲、評論、ノンフィクション、歴史記述、ルポルタージュなど、形式のいかんを問わず、優れた散文作品に贈られます。
大佛次郎記念館では、2001年、第27回講演会より会場を横浜に移し、朝日新聞社と大佛次郎記念館が共催で受賞者による講演会を開催しています。
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