日・インドネシア発酵文化の融合で、次世代機能性食品「ネオテンペ」創出へ


Kopti Rumah Tempe Indonesia におけるテンペの発酵プロセス

津南醸造株式会社(本社:新潟県中魚沼郡津南町、代表取締役:鈴木健吾、以下『津南醸造』)はこのたび、インドネシア・バンドン市に所在するテンペ産業の中核拠点「Kopti Rumah Tempe Indonesia」を訪問いたしました。本訪問には、インドネシア国家研究イノベーション庁(BRIN:The National Research and Innovation Agency)のヌル・アクマリア・ヒダヤティ氏が同行し、日本の伝統的な日本酒醸造技術と、インドネシアが誇るテンペ発酵文化との間における、国境を越えた発酵技術をテーマに交流を行いました。

この度の訪問では、地元テンペ生産者を支える大豆流通および協同組合運営の中枢拠点であるKopti Rumah Tempe Indonesiaにて、微細藻類を融合した次世代ハイブリッド発酵食品「グリーン・テンペ(Green Tempeh)」の社会実装可能性を探ると同時に、発酵産業が地域経済とコミュニティの持続性に果たす役割の可能性を確認しました。

テンペ菌を大豆の表面に付着させるためのステンレス台

テンペ生産のための豆の前処理を行う設備


二大発酵文化の出会い ― 微生物がつなぐ日本とインドネシア
世界がたんぱく質に関する食料安全保障、いわゆる「プロテイン・クライシス」、そして無形文化遺産の喪失という課題に直面する中、発酵という古代からの知恵は、いま再び未来への解決策として注目されています。地理的には遠く離れた日本とインドネシアですが、両国はいずれも微生物の力を生活文化の根幹に据えてきました。日本では国菌である麹菌(Aspergillus oryzae)と酵母が米を日本酒へと変え、インドネシアではRhizopus oligosporusが大豆をテンペへと昇華させています。

鈴木は現地にて次のように述べました。
「私たちは単に食や飲料をつくっているのではなく、文化そのものを育てているとも考えています。二か国の発酵文化の共通点と発展性を確認し、バイオテクノロジーをベースに新しい発酵スタイルを提案することで、KOPTI(Koperasi Produsen Tahu Tempe Indonesia)という協同組合に受け入れられる、現地の栄養課題に応える次世代型の発酵スタイルを開発していきたいです。」

KOPTIは、輸入大豆価格が変動する中で、生産と流通を安定させる機能があり、国民の食を支える無数の零細・中小事業者(MSMEs)の存続を支えています。こういった多様な機能は、酒蔵を単なる製造拠点ではなく農家・自然・消費者をつなぐ「地域の要」と捉える津南醸造の果たす役割とも共通点があることを確認できました。



「グリーン・テンペ」構想と今後のこと ― 伝統に寄り添う技術革新
協議の中心となったのが、微細藻類(ユーグレナ、クロレラ等)をテンペ発酵プロセスに添加する「グリーン・テンペ」構想です。
鈴木は次のように説明しました。
「既にスーパーフードであるテンペを、より付加価値が高く新しいものにする試みです。微細藻類を加えることで、テンペ菌の発酵を促進し、“超発酵食品”を実現できるのではと考えています。」
本技術では、接種工程において藻類バイオマスを加え、テンペ菌の生物としての活性を向上させます。結果として、抗酸化能の向上、タンパク質消化性の改善、独自の旨味プロファイルを持つ製品が得られることが期待されます。
鈴木はまた、技術普及の前提として、現場ですぐに活用できる技術であることの重要性を強調しました。「既存設備で生産することができれば、社会実装のハードルがぐっと下がります。現場で使える技術であってこそ、テンペを単なるコモディティから高付加価値食品へと進化させ、生産者の収益向上につながります。」
BRINのヒダヤティ氏も、「日本のバイオテクノロジーとインドネシアの発酵文化は理想的な補完関係にある。BRINとしても安全性と有効性の科学的検証を支援していく」とコメントしました。

Kopti Rumah Tempe Indonesia について
Kopti Rumah Tempe Indonesiaは、インドネシア・バンドンにおけるテンペ産業を支える協同組合組織であり、大豆の調達・流通を一元的に担うことで、数千の小規模生産者の安定と持続性を確保しています。
津南醸造について

豪雪地にある津南醸造の酒蔵
津南醸造株式会社は、新潟県中魚沼郡津南町に本社を構える日本酒を生産する酒蔵で日本有数の豪雪地帯に位置し、標高2,000m級の山々から湧き出る天然水を仕込み水として活用しています。
「Brew for Future~共生する未来を醸造する~」をブランドコンセプトに、地元産の酒米「五百万石」を活用した伝統的な酒造りとともに、地元の食用米ブランドである「魚沼産コシヒカリ」を用いたテーブルライス日本酒の生産と販売を行っています。



豪雪地にある津南醸造の酒蔵津南醸造のWebページ: https://tsunan-sake.com/
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ