光で部屋を自由自在に彩るPhilips Hueのスマート照明
2019年にフィリップスの照明部門から分離独立したシグニファイは、2月下旬に新製品紹介のワークショップを開催した。当日は同社が扱うPhilips Hue(以下、Hue)の製品群が紹介され、AIを含む最先端技術によるスマート照明の世界が披露された。
Philips Hueは四つの価値を提供
ワークショップではシグニファイジャパン コンシューマー事業部事業部長の岩下僚氏が登壇し、Hueの展開を説明。「シグニファイジャパンは2013年、世界No.1の照明メーカーとして国内での販売を開始しました。その後、日本独自のE17口金への対応や工事不要でコンセントに挿すだけで使える製品ラインアップを拡充し、現在は家全体をカバーできるまで充実してきました」と語った。
さらに「Hueの製品群は、圧倒的な安定性と光の質を提供しています。今回、『Philips Hueで暮らしをアップデート』というブランドコミュニケーションを定義し、AI機能の搭載などで照明をより身近なものへと進化させていきます」と述べた。
当日は来日したシグニファイシンガポールのアジア中東アフリカ スマート照明マーケティング統括マネージャーのアディティヤ・ヴィクラム・バラドワージ氏も登壇し、Hueについて次のように解説した。
「Hueは世界中で1億台以上が接続されているスマート照明のマーケットリーダーです。データは独立した安全なサーバーで管理されており、高いセキュリティーとともに配線工事が不要で、簡単にセットアップできる点も消費者にとって大きなメリットになっています」
同氏は、Hueが提供する価値を挙げた。それは「アンビエンス」と「ウェルビーイング」「安心と便利」「エンターテインメント」の四つ。
「アンビエンス」は食事やリラックス時などのシーンに合わせ、照明で部屋の雰囲気を自由に変えられること。「ウェルビーイング」は照明が発する光によって体内時計を整え、自然な入眠と起床をサポートすることだ。
「安心と便利」は帰宅時、外出先からの操作やセンサーによる自動点灯で明かりがついていない家に帰る不安の解消。「エンターテインメント」はテレビ画面と照明の光をシンクロさせて、没入感のある体験を提供することである。
また、同氏はメルセデス AMG ペトロナス F1チームとのパートナーシップ契約についても言及。F1チームは世界各地を転戦するが、時差ボケの解消や光の効果によるパフォーマンス向上を目的としてHueのスマート照明を活用しているという。これはまさに前述の「ウェルビーイング」を物語る事例といえよう。
昨年秋からHueの新製品が続々と登場
シグニファイでは昨年秋から複数のHueの新製品を発売している。そのいくつかを紹介しよう。
フルカラー電球とホワイトグラデーション電球では、メインとなる口金の口径が17mmのE17、26mmのE26の調光性能がアップデートされている。これまで明るさの調光は100~1%だったが、アップデートされた新製品では0.2%まで明るさを絞ることが可能となり、常夜灯のような夜間照明としても活用できるようになった。
また、白色光の色温度は1000~20000Kに対応し、自然光に限りなく近い白色を再現。さらに業務用で培ったクロマシンク技術により、複数の電球をコントロールする際にムラがなく、一貫性のある色を表示する。
「Hue Play ウォールウォッシャー」は、間接照明として壁を彩る高さ約16cmのコンパクトなテーブルランプ。1台で複数の色を滑らかなグラデーションで壁に投影し、電球色や昼光色などの単色にすることもできるので、多彩な使用方法が可能だ。
今年の夏頃には睡眠サポート照明のトワイライト ベッドサイドライトの発売も予定されている。これは本体に二つの光源を内蔵したライトで、それぞれを個別に制御することで読書灯と間接照明の機能が1台に集約されている。
スマートフォンを操作せずに毎日決まった時刻に15分かけて徐々に消灯したり、ボタンを押してから一定時間後に消灯させたりすることが可能だ。
Hue ブリッジ Pro は10年ぶりのアップデートで大きく進化
Hueのスマート照明システムはアプリで調光や調色をコントロールし、空間を自分好みにセッティングすることができる。Bluetoothでもアプリと連携できるが、家全体をカバーして数多くの電球やランプをコントロールしたい場合は、システムのハブとして機能する「Hue ブリッジ Pro」の活用が便利だ。
昨年発売されたHue ブリッジ Proは、Hue ブリッジ発売後約10年ぶりのアップデートとなる製品でAIを搭載。次世代チップを内蔵し、処理能力の速度はHue ブリッジの5倍、メモリーは15倍の大容量になった。接続方法は従来のLANケーブルに加えて新たにWi-Fi対応となり、セキュリティー機能も強化されたという。
接続可能台数はライトが従来の50から150に増え、スイッチやセンサーなどのアクセサリーも従来の12から50に拡大。単体あるいは複数のライトを好みに調光・調色して登録できるシーンは実に500。時間帯や季節、気分によって室内の明かりを自在に変化することができる。
Hue ブリッジ ProとHueのライトとの接続は、アプリを通して行う。実際の接続はいたって簡単。スマートフォンにアプリをダウンロードすれば、次の手順をアプリが示してくれる。まずはアプリとHue ブリッジ Proを連携し、Hueの製品に付いている2次元コードを読み取れば、それでライトやスイッチなどのアクセサリーが登録される。その後は個々に調色や調光、シーンを設定するだけだ。
Hue ブリッジ Proは部屋のレイアウトを認識して最適に演出する機能のほか、AIと対話して照明シーンをつくる機能もある。また、一部のメーカーのテレビでは画面に映し出される映像をAIがリアルタイムで解析して、映像に合った照明を演出する機能も搭載されている。
さらに新機能のMotionAware機能も加わった。同じ部屋に3台以上のHueライトを配置すると、人が動くことによる電波の揺らぎをAIが検知。Hueライト自体が人感センサーとして機能し、人の動きを検知して自動点灯する。
近日中にはアプリのアップデートで、最新機能の「空間マッピング機能」も追加されるという。これは、あらかじめ各ライトの位置をスマートフォンで撮影して、それぞれの位置を認識させておく。すると、例えば夕焼けのイメージで部屋の下方向をオレンジ、上方向を白とするなど、上下方向での色の配置が自動で行える機能である。
部屋や目的に合わせて活用できるアクセサリー
Hueのスマート照明は、さまざまな部屋で活用できる。玄関やトイレを例に挙げると、人感センサーであるモーションセンサーと組み合わせて夜中は眩しすぎない色にする、特定のライトだけを点灯する、などが可能だ。
キッチンでは調理時に手元を明るくし、食後は暖色系の明かりに変える。洗面所ならメイク時は白くハッキリした明かり、夜間は落ち着いた明かりと使い分けもできる。最大三つの部屋、またはゾーンを個別にコントロールできるダイアルスイッチを使用すれば、ボタン一つで設定を切り替えられる。
アプリを操作することなく、照明のオンとオフや明るさ、設定の切り替えができ、さらにカスタマイズも可能なディマースイッチも照明のコントローラーとして便利だ。
ライトのバリエーションが多いのもHueのスマート照明の特徴だ。手吹きガラス製のライトガイド電球は独特な照明効果を生み出し、グラデーション ライト リボンは取り付けた近辺に色が流れるような演出ができ、その流れる動きは非常に滑らかだ。
体験は家電量販店やインテリアショップで
前述の岩下氏にスマート照明の現状や今後の展望などを聞いた。
(以下、敬称略) 欧米では一軒の家に照明が50個以上あることも珍しくありません。壁のスイッチですべて操作するのは大変で、照明をスマート化するメリットは大きいといえます。
一方、日本は欧米に比べて家が狭く、照明の数自体も少ないのが実状です。狭いので壁のスイッチにもすぐに手が届くという点も影響していると思います。ただし、日本でもここ20年ほどで照明への関心は高まっており、照明の重要性は今後さらに増していくとみています。
家電量販店での展示を増やすことに加えて、インテリアショップとの提携を強化しています。ちょっとおしゃれな照明器具とHueのセット提案に取り組んでいます。
また、製品選びで迷わないように「リビングならこのセット」という分かりやすい伝え方をして、スマート照明の導入ハードルを下げていくことに取り組んでいきます。
Philipsブランドでは工事や器具の交換が不要で、ランプを交換するだけでLED化できる製品を展開しています。器具を交換せずにランプ交換でLED化できるソリューションは、今後の当社の大きな強みになると思います。
また、シグニファイは世界70カ国で製品を展開するグローバルのNO.1メーカーとして、製品には高い安全基準を設けています。2030年の100%LED化という目標に向けて、海外のリソースも活用しながら日本の照明環境の向上に貢献していきたいと考えています。
前述でも触れたが、スマート照明には四つの価値があると同社ではいう。しかし、導入するには何かのきっかけが必要。そのきっかけの一つとなるのが、部屋の模様替えだ。
部屋の印象や自身の気分を変えるため、部屋を模様替えしたというのは誰しも経験があるだろう。しかし、そのためにカーテンを変えたり、家具やインテリアの配置を移動したりと手間も時間もかかる。
そこで提案したいのが、スマート照明。ランプや電球の明るさが変わると、部屋の印象もガラッと変わる。スマート照明ならさらに色も好みで変えることができる。しかも操作はスマートフォン一つで済むので、手間も時間もかからない。
起床時と日中、夜間、就寝時で室内の照明を変えると、暮らしにもちょっとしたメリハリが出てくる。さらに同社が挙げる四つの価値を享受することもできるため、まさにHueのブランドコミュニケーションが示すとおり、照明が暮らしをアップデートさせるのだ。Hueのスマート照明を体験してみたい向きは、家電量販店やインテリアショップで製品に触れてみることをおすすめする。






