アクロニス、2025年におけるESG(環境、社会、ガバナンス)レポートを公開。ESG戦略などの進捗を明らかに
スイスのアクロニスは現地時間の3月9日に、「2025 Environmental, Social, and Governance(ESG) Report」(2025年における環境、社会、ガバナンス(ESG)レポート)を公開した。
ESGの優先課題でAIが果たす役割を重視
同レポートは、サイバープロテクションやAIを巡る急速な変化の中で、2025年におけるアクロニスのESG戦略、主要イニシアティブ、グローバルでの測定可能な進捗についてまとめられている。
2024年版のESGレポートと比較すると、同社は2025年に主要ESG指標の多くにおいて、定量的な進歩を遂げたことがわかる。具体的には、IT環境の保護・管理・自動化、従業員への投資、トレーニングと能力開発によるパートナーへの支援およびコミュニティ活動への参画促進、温室効果ガス(GHG)排出量算定の透明性向上、地域社会への支援、グローバルでの運用における環境負荷の削減を通じて、事業の中核にある「信頼」の土台を強化し続けてきた。
同社はESGの優先課題において、AIが果たす役割を重視しており、製品、事業運営、開発プロセス全体でAI利用を促進する一方で、責任ある利用に対する強いコミットメントを維持している。たとえば、AIが新たな機会とリスクの両方をもたらすことを認識して、既存の倫理的なセキュリティー基準に沿ってプライバシーやセキュリティー、誤用リスクに配慮したガバナンスを進化させてきた。このような取り組みは、組織全体における責任ある導入、データ保護、人による監督、適切なユースケースのための明確なガイドラインを定義する正式なAI利用ポリシーによって支えられている。
具体的な取り組みとしては、ネイティブに統合された同社のプラットフォームにAI機能を実装して、エンドポイントセキュリティー、バックアップとリカバリ、エンドポイント管理を強化することで、顧客とパートナーの運用効率と、サイバーレジリエンスを高めてきた。社内では、AIツールを利用する従業員が週ベースで80%超に達し、営業、サポート、法務、オペレーションなどで活用が拡大している。また、研究開発分野ではAI支援開発が大幅に拡大し、300名以上のエンジニアがAIコーディングツールを活用して、累計約200万行のコードを生成することによって、開発およびテストワークフローの生産性向上に寄与する。
同社は、安全な導入、透明性、ガバナンス監視、継続的な従業員のスキル向上に重点を置いて、AIを活用したイノベーションへの投資を継続している。
あわせて、2025年には温室効果ガス(GHG)削減、省エネ対策、再利用の取り組み、責任あるインフラ選定を進めてきた。おもな成果としては、外部のサステナビリティアドバイザーとの連携によるGHG算定の一貫性と信頼性を強化、Scope 1~3のGHG総排出量を2024年比で40%削減、11の地域での18回の「Environmental Day」開催による1500kgの廃棄物回収および1780本の植樹、フランクフルトのデータセンターにおける100ペタバイト超のワークロード移行によるISO 14001/ISO 50001取得施設への集約、消費電力のうち70%を再生可能エネルギー属性証書で補填することによる事業全体のさらなる脱炭素化が挙げられる。
さらに2025年も人材とコミュニティへの投資を継続し、「Voice of Employees」プログラムを拡大して寄せられた提案の50%を導入することによって、職場文化と運営を改善した。また、従業員のエンゲージメントを強化して、600名以上(全従業員の33%)が129の地域プロジェクトで2378時間のボランティア活動に貢献している。あわせて、LinkedIn Learningをグローバルに展開して約70%の導入率を達成するとともに、メンターシッププログラムを拡充したという。
ほかにも、Acronis Cyber Foundation Programを通じて、学校建設プロジェクト3件(1289名の児童を支援)、ITスキルプログラム8件(550名以上が受講)、サイバーセーフティワークショップ40件(2100名が参加)を実施し、社員63名・パートナー企業33社が支援を行った。
2025年はガバナンス、管理体制、説明責任の強化にも取り組んでおり、ダブル・マテリアリティ評価(DMA)の初実施によって、戦略と報告の指針となる重要課題・新規課題をそれぞれ5件特定している。あわせて、ボードメンバーからBoard Sustainability Championを任命して、ESGの優先項目を取締役会レベルで監督するとともに、MSP(マネージドサービスプロバイダ)と顧客が、NIS2、DORA、HIPAAといった規制要件を実行可能なコンプライアンスおよびセキュリティー対策に転換するのを支援する、インタラクティブツールとして「Compliance Navigator」をローンチした。また、AI利用ポリシー、従業員研修、AI機能に関する顧客利用規約の更新を通じた、高度な責任あるAIガバナンスを実現したほか、新たな調達から支払までのP2Pシステムの導入による、責任ある購買を推進している。
Acronis Academyでは、2025年に162カ国・7言語で四半期あたり4000名以上のパートナー社員をトレーニングしており、参加者は平均3~4つの認定を取得し、年間の総認定数は前年と比較して倍になった。また、Partner Ambassadors Programには、現在20カ国から40名のMSPアンバサダーが参加しており、Partner Advisory Council(PAC)も200名以上に拡大している。これらのグループは、共同で10件を超える業界イベントやウェビナーを支援し、合計38回のフィードバックセッション(10回のフォーカスグループ、28回のPACセッション)によって、製品体験の向上やGo-to-Market(GTM)の優先事項に直接的な知見を提供した。







