三重県から兵庫県、そして関東に来た海賊船
こちらの海賊船「海賊船アニバーサリークルーズ号」は、東京都内に本社を構える株式会社SPICE SERVEが営業窓口をしている船で、かつては「ヴィラジオ・イタリア号」という名前だった。
三重県に本社を置く「セラヴィ観光汽船」の所有船で、志摩スペイン村内で遊覧船として親しまれていたそう。その後、神戸港周辺で2007(平成19)年か ら5年間定期運航していたが、当時船を所有していた有限会社神戸リゾートラインの経営の事情で、2012(平成24)年1月に運休を申請。しばらく神戸港に放置されていた。
神戸港としてもそのまま停留させておく訳にもいかず、同船は競売にかけられていたところを、船舶運航会社の方が発見。海での貸切クルージングに長けていた株式会社SPICE SERVEに出資を提案した。
2013(平成25)年8月、同社は海賊船に一部出資(同船に出資している会社は複数あるのだそう)、管理をすることに。船名も「ヴィラジオ・イタリア号」から「アニバーサリークルーズ号」に改めた。
アニバーサリークルーズ号が停泊しているのは千葉の港で、本日は「ぷかりさん橋」に届け出申請をし、許可を得て出張する。2015年以降、現在港湾局に申請している「不定期航路事業」の認可が下りれば「ぷかりさん橋」などに常時来航できることになるのだそう。
株式会社SPICE SERVEは海、陸でのイベントをプロデュースするエキスパート。2009(平成21)年設立で「人生が加速する機会を創造・提供する」をモットーに、急 成長を遂げている会社なんだとか。アニバーサリークルーズ号も「企業イベント主催者や婚礼2次会等の各種記念パーティーで船をチャーターしてもらう」とい う形式で活用がメインの予定。
「以前は経営コンサルタントとして働き、使われていない結婚式場で婚活異業種交流パーティーなどのイベントを企画したのが始まりでした」とJanさん。
「日本のリゾート革命」を目標に、クルージングイベントや陸での法人・個人向けイベント、飲食店やアロママッサージなど、幅広い業界を手掛けている。ゆくゆくは海外進出も視野に入れている。
現在、同社が出資や管理をする船は「アニバーサリークルーズ号」のほかに「ルナフェスタ号」の2隻。「ルナフェスタ号」は定員25名の中型船で「アニバーサリークルーズ号」とは全然雰囲気が違う。
同社所有の2隻以外にも、提携会社の所有船を利用することもできる。相談すれば予算に応じたプランを提案してくださるそう。陸での宴会をやりつくした幹事さんにはうれしいのでは。