冬野心央(左)、井内悠陽(エンタメOVO)
世代を超えて愛されてきたスーパー戦隊シリーズ。その50周年を飾るVシネクスト『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVSブンブンジャー』が3月20日から期間限定全国上映。2月まで放送されていた「ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー」(25~26)と前作の「爆上戦隊ブンブンジャー」(24~25)が共演する豪華劇場版だ。上映を前に、両スーパー戦隊の“2大レッド”こと「ゴジュウジャー」のゴジュウウルフ/遠野吠役の冬野心央と「ブンブンジャー」のブンレッド/範動大也役の井内悠陽が、撮影秘話を語ってくれた。
-本作はスーパー戦隊シリーズ50周年を飾る集大成の作品となりますが、お二人はどんな気持ちで臨みましたか。
冬野 僕は今回、愛想がなく、口の悪い今までの吠と同時に、「キャラ変した!?」と思うような謎の“品行方正な吠(以降、光吠)”(笑)も演じることになったんです。言ってみれば、一人二役のような感じなので、自分の中では「集大成」というよりも「また新たな挑戦だ!」という意気込みで臨みました。
井内 今回の作品は、「ブンブンジャー」のTVシリーズをご覧になっていた方にとっては、1年ぶりの再会となります。だから、皆さんが応援してくださった「ブンブンジャーが帰ってきた!」という思いをきちんと届けられるように、大也のキャラクターは大切にしつつ、さらに成長した姿を見せられたら、と思っていました。
-冬野さんが演じる謎の光吠は、物語のカギを握る重要な存在ですが、キャラが今までと正反対なので、演じる上ではご苦労もあったのではありませんか。
冬野 僕は普段、現場で感じたものを生かしてお芝居することを心掛けています。でも、今回の光吠は、自分の中に共通する部分が一切なかったので、そうもいかないなと。だから、今まで以上に事前に準備をした上で撮影に臨みました。
井内 光吠は、口調も今までの吠とは全然違って、すごく面白かった。今までの吠を知っているファンの皆さんは、よりそのギャップの大きさを楽しめるんじゃないでしょうか。
冬野 それでも、現場ではふとした時に今までの吠が出てしまい、監督から「姿勢が悪くなっている」と指摘されることもあって。難しかったですが、中途半端にならないように、できるだけ振り切ったお芝居をするように心がけました。
-一方、井内さんが範動大也を演じるのは1年ぶりとなりますね。
井内 スーパー戦隊でのお芝居は、他の作品とは違う部分も多いので、撮影に入る前はその感覚を取り戻せるか心配でした。その分、事前に台本をしっかり読み込み、TVシリーズを見返すなど、きちんと準備をしました。でも、実際に現場に入ってみたら、中澤(祥次郎)監督を始め、スタッフやスーツアクターの皆さんも顔なじみの方ばかりだったおかげで、思った以上にスムーズに大也に戻れました。
冬野 僕にとって井内さんは、「ゴジュウジャー」の第1話、第2話で演じて下さった堤なつめ役の印象が強かったんです。でも今回、対峙(たいじ)したときは、完全に範道大也で。ブンレッドとしての圧倒的な存在感とカッコよさが、一目で伝わってきました。
井内 僕も、大也として冬野さんと向き合う今回は、「なつめ役のときとは違った印象になるのかな?」と思っていたんです。でも、前回とまったく変わらなくて。それはやっぱり、わが道を貫く吠のキャラをしっかりつかんでいるからなんだろうなと。そこに、「ゴジュウジャー」で積み重ねた1年間の厚みを感じました。
-今のお話に出た「ゴジュウジャー」第1話、第2話に堤なつめ役で井内さんが出演したことは放送当時、大きな話題となりました。当時は、どんなお気持ちで撮影に臨みましたか。
井内 最初は「ゴジュウジャーに出演する」としか聞いていなかったので、大也役だと思っていたんです。ところが台本をいただいてみたら、役名は“堤なつめ”の上、変身後は“「王様戦隊キングオージャー」(23~24)のクワガタオージャー”で。訳がわからず、「どういうこと?」と(苦笑)。
冬野 僕も、「いきなり先輩レッドと共演!?」とビックリしました(笑)。
井内 実際に演じるとわかってからは、クワガタオージャーに憧れた子どもたちを裏切ってはいけないなと、身が引き締まりました。子どもの頃に見たヒーローは、大人になっても覚えているので、酒井大成さんが「キングオージャー」で1年間かけて作り上げたクワガタオージャーのイメージを壊さないように…と。でも放送後、皆さんが好意的に受け止めてくださったことを知り、安心しました。
-今回はそのとき以来の再共演となりますが、現場でお二人はどのように過ごしましたか。
冬野 今回は、前回よりも深い話ができました。井内さんの好きなラーメンの話からプライベートな話、今やっているお仕事の話まで、いろいろなことを伺って。
井内 おかげでだいぶ距離が縮まりました。「ゴジュウジャー」第1話、第2話は、「ブンブンジャー」のクライマックスと並行して撮っていたので、大也をやった翌日になつめを演じる、みたいな感じで、頭を切り替えるのに精いっぱいで、深い話をする余裕がなかったんです。
冬野 当時は「ゴジュウジャー」の撮影が始まったばかりで、僕も余裕がなかったですし。だから今回、改めてお話ができたことは、すごくありがたかったです。スーパー戦隊を終えた後、どのような考えでお芝居やお仕事をされているのか、同じ道を歩んだ先輩として、井内さんのお話はとても参考になりました。
-それだけいい時間を過ごせたということですね。そんな本作について、お二人の考える見どころを教えてください。
冬野 僕はやっぱり、頑張って演じた光吠を皆さんに楽しんでほしいです。もちろん、「ゴジュウジャー」と「ブンブンジャー」のキャラが出会って起きる化学反応も見どころですし、二つのスーパー戦隊が共闘するかっこよさも、存分に味わっていただけると思います。
井内 「ブンブンジャー」のファンの皆さんには、1年間応援していたヒーローとの再会を楽しんでほしいです。それぞれのキャラも成長しているので、その姿も楽しみにしていてください。今回初めて「ブンブンジャー」をご覧になる方には、大也たちの決めゼリフにもある「これがブンブンジャーだ!」というエッセンスを存分に楽しんでいただける作品だと思います。
-本作でお二人にとってのスーパー戦隊は一区切りとなりますが、最後に今後の俳優としての意気込みをお聞かせください。
井内 僕はこれからも俳優として、いろいろな作品や役に挑戦していくつもりです。その原点となるのが「ブンブンジャー」です。その気持ちは決して忘れず、事務所の先輩の山田裕貴さんが、(俳優デビュー作となった「海賊戦隊ゴーカイジャー」(11~12)のジョー・ギブケン/ゴーカイブルー役で)「ブンブンジャー」に出演されたように、僕もお話をいただければ、範動大也として、いつでも帰ってくるつもりです。これからも安心して見守っていてください。
冬野 「ゴジュウジャー」では、ほかではできない経験をいくつもさせていただき、俳優として大きな糧になりました。今後はまた初心に帰ってさらに経験を積み、いつかは芸能界に旋風を巻き起こす台風の目のような存在になりたいと思っています。そしてもちろん僕も、呼んでいただければいつでも遠野吠として帰ってきます!
(取材・文・写真/井上健一)







