さらに、夜尿症の基本と受診の重要性を解説する市民公開講座を5月17日に開催

- フェリング・ファーマは、夜尿症と子どもの発達・睡眠・神経発達症との関連をテーマにしたメディアセミナーを2026年3月23日(月)に開催し、専門医がその関係性について解説しました
- 夜尿症は自然に治るものと見過ごされがちですが、子どもの自尊心や生活の質に影響を及ぼす可能性があり、早期の受診と適切な対応が重要です
- 夜尿症について一般の方の理解を深めていただくことを目的に、第14回オンライン市民公開講座「夜尿症の基本と受診のポイント」を5月17日(日)14:00~15:00にて開催いたします


【東京2026年3月23日】 - フェリング・ファーマ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長
CEO:ジョン・プルバー、以下「フェリング・ファーマ」)は、夜尿症啓発メディアセミナー「その“おねしょ”、背景に何がある?子どもの夜尿症から考える発達と睡眠」を開催しました。今回は昭和医科大学横浜市北部病院の池田裕一先生、順天堂大学医学部附属浦安病院の呉宗憲先生をお招きし、夜尿症の基礎知識に加え、子どもの発達や睡眠、神経発達症との関連について、それぞれの専門的視点からご講演いただきました。

■子どもの自尊心を低下させ得る夜尿症とは
おねしょはそのうち治るものと思われがちですが、5歳以降で月1回以上の「おねしょ」が3か月以上続く場合は「夜尿症」と定義されます(※1)。夜尿症は小・中学生でも一定数みられる身近な疾患で、幼稚園年長の児童の約15%、小学校5、6年の児童でも約5%が罹患しているといわれています(※2)。しかし、夜尿症は受診率が低く、適切なタイミングで医療につながっていない現状があります。また、夜尿症は単なる排尿の問題にとどまらず、夜尿症があることで子どもの自己評価や自尊心が低くなることが報告されています(※3)。
一方で治療介入によって自己評価が回復したという報告もあり、早期対応が重要です。

■夜尿症と睡眠・神経発達症(発達障害)との関連
 夜尿症の原因の一つに「寝ている間の尿意で起きることができない」があります。夜尿症を治療することで睡眠の質が改善傾向を示したという報告(※4)もあり、夜尿症には睡眠のリズムや睡眠の深さなどが関与している可能性も指摘されています。夜尿症診療では排尿の問題だけにとどまらず、子どもの睡眠や生活全体を含めて捉える視点が重要になります。
 また、近年、ADHDやASDなどの神経発達症への社会的関心が高まる中、神経発達症のある子どもは定型発達児と比較して排尿障害を合併しやすいことが知られています。夜尿症もそのひとつであり、ADHDやASDで夜尿症・昼間尿失禁の併存例が報告されています(※5)。さらに、学校現場でも支援を必要とする児童生徒の割合が増加していることが示されており、プライマリ・ケア医の役割も重要になっています。

■セミナー内容
 まず池田先生のご講演では、夜尿症の定義や有病率、原因、治療法などの基礎情報について解説いただきました。夜尿症は5歳で約20%、10歳でも5~10%にみられる身近な疾患である一方、受診率が低い現状が示されました。(※6)また、夜尿症は子どもの自尊心の低下や宿泊行事への不安につながるほか、家族の負担やストレス増加にも影響することが指摘されました。さらに、夜尿症の子どもは睡眠が分断されることで「睡眠の質」が低下していることが多く、日中の眠気や学業、さらにはメンタルヘルスへの影響にもつながる可能性があると説明されました。原因としては「夜間尿量の増加」「膀胱容量の問題」「尿意で覚醒できない」といった複数の要因が関与し、タイプに応じた治療が重要であることが紹介されました。治療は生活指導を基本に、薬物療法やアラーム療法を組み合わせることで多くの子どもにおいて改善が期待できると述べられました。

昭和医科大学医学部 小児科学講座 教授 池田 裕一 先生



 続いて呉先生からは、夜尿症と神経発達症(ADHDやASDなど)との関連や、診療の意義について講演いただきました。神経発達症のある子どもでは夜尿症の合併が多く、ADHD児の約20%(※7)、ASD児の約16~75%(※8)に夜尿症を認めると説明。神経発達症は複数の要因が絡み合うことで治療が難しくなる場合もある一方で、夜尿症診療は子どもへの支援の入り口となり得ることが示されました。また、夜尿症は命に関わる疾患ではないものの、心理社会的影響が大きく、親子双方のストレスや自尊心低下を招く「悪循環」に陥る可能性があると指摘されました。そのうえで、治療の本質は症状の改善だけでなく、「自尊心を保ち、成長を支えること」にあるとし、結果ではなく「行動」に着目した関わりの重要性が紹介されました。具体的には、「薬を飲めた」「受診できた」などの望ましい行動を肯定的に評価することで、子どもの自己肯定感を高め、親子の関係性を好循環へと導くアプローチが有効であると述べられました。

順天堂大学医学部附属浦安病院 小児科 准教授 呉 宗憲 先生

 質疑応答では、夜尿症の有病率は過去30年大きな変化はなく、小児人口の約6.4%で推移していることが説明されました。一方で、受診状況には地域差があり、受診しやすい環境整備の必要性が指摘されました。また、夜尿症は一般の小児科でも診療可能であり、神経発達症を伴う場合も含め、まずは対応可能な医療機関への相談が推奨されました。

 講演全体を通じて、夜尿症は自然に治るものと見過ごされがちな一方で、子どもの自尊心や生活の質に影響を及ぼす可能性のある疾患であり、早期に医療へ相談することの重要性が改めて示されました。また、夜尿症診療をきっかけに、子どもの発達特性や生活全体を捉えた包括的な支援につなげていく視点の必要性についてもお話いただきました。

【開催概要】
■開催日時 :2026年3月23日(月)13:00~14:00(受付開始 12:30)
■開催場所 :アットビジネスセンター東京駅八重洲通り6階 604
(東京都中央区八丁堀1-9-8 八重洲通ハタビル)
■プログラム:


【登壇者略歴】
池田 裕一 先生 昭和医科大学医学部 小児科学講座 教授
<経歴>
1995年5月 昭和大学藤が丘病院 小児科 助手
1998年4月  神奈川県立こども医療センター 感染免疫科・腎内科 
シニアレジデント
2000年4月  昭和大学藤が丘病院 小児科 助手
2007年7月  昭和大学藤が丘病院 小児科 講師
2009年5月  UCSF オークランド小児科病院 研究所 Visiting Physician
2012年5月  昭和大学藤が丘病院 小児科 講師
2015年4月 昭和大学藤が丘病院 小児科 准教授
2018年4月  昭和大学藤が丘病院 小児科 診療科長
2019年4月  昭和大学横浜市北部病院 こどもセンター センター長 小児科診療科長
2019年6月  昭和大学医学部 小児科学講座 教授
<主な学会活動>
日本小児科学会 代議員、日本小児腎臓病学会 評議員、日本小児泌尿器科学会 理事、
日本夜尿症・尿失禁学会 常任理事、第29回日本夜尿症学会大会長






呉 宗憲 先生 順天堂大学医学部附属浦安病院 小児科 准教授
<経歴>
2004年3月 東京医科大学卒業
2004年5月  東京医科大学病院卒後臨床研修センター 臨床研修医
2006年5月  東京医科大学小児科学講座 専攻医
2007年12月 日本赤十字社医療センター新生児科
2010年10月 東京科学大学(旧東京医科歯科大学)細胞治療センター
2014年  東京医科大学大学院医学研究科博士課程小児科学専攻 卒業
2018年4月 東京医科大学茨城医療センター小児科 科長
2020年4月  東京都立小児総合医療センター心療内科/児童・思春期精神科
2021年5月  東京医科大学小児科・思春期科学分野 講師
2024年12月 東京医科大学小児科・思春期科学分野 准教授
2026年1月  順天堂大学医学部附属浦安病院・小児科 准教授
<主な学会活動>
日本夜尿症・尿失禁学会 理事、日本小児科学会 代議員、
日本小児心身医学会 理事、東京小児科医会 理事、日本睡眠学会






■第14回オンライン市民公開講座「夜尿症の基本と受診のポイント」を開催
夜尿症について一般の方の理解を深めていただくことを目的に、第14回オンライン市民公開講座「夜尿症の基本と受診のポイント」を5月17日(日)14:00~15:00にて開催いたします。
本講座では、関西医科大学の辻章志先生が司会を務め、東京慈恵会医科大学の平野大志先生にご登壇いただき、夜尿症の基礎知識や受診の重要性に加え、受診後に思うような改善が得られなかった場合の対応についても解説いたします。フェリング・ファーマは、今後も夜尿症に関する正しい知識の普及と理解促進を通じて、子どもとその家族のより良い生活の実現に貢献してまいります。

市民公開講座WEBサイト:https://onesho.com/patient/lecture/

▽フェリング・グローバル(以下「フェリング」)について
フェリングは、人々が家族を築き、より良い生活を送れるようになることを目標に掲げる、株式非公開の研究主導型スペシャリティファーマです。フェリングは生殖医療領域のリーダーであり、消化器領域および泌尿器領域において力強い存在感を示してきました。さらに泌尿器がん領域の先端技術の前線にいます。フェリングは、1950年設立であり、スイスのサンプレに本社を置き、世界100カ国以上で製品を販売し、約7,500名の従業員を擁しています。

▽フェリング・ファーマ株式会社について
フェリング・ファーマ株式会社はフェリング・グローバルの子会社として2001年2月に設立され、本社は東京都港区です。
詳細は Home - Ferring Japan, および Japan| LinkedInをご覧ください。
フェリング・ファーマは夜尿症患者・教育関係者向け情報サイト(https://onesho.com/)を運営しています。


※1:日本夜尿症学会, 夜尿症診療ガイドライン 2021, 2-3, 2021
※2:河内明宏,他:泌尿器外科 16(3):193,(2003)
梶原充,他:泌尿器科紀要 52(2):107,(2006)
※3:河内明宏,他:夜尿症研究 4:21,(1999)
※4:Gozeman S, et al. Pediatr Nephrol (2008) 23:1293-96
※5:ADHDの診断・治療指針に関する研究会:注意欠如・多動症-ADHD-の診断・治療ガイドライン 第5版 〔じほう〕, (2022)
※6:夜尿症診療ガイドライン2021. 日本夜尿症学会編, 診断と治療社
※7:JoinsonC, et al. J PediatrPsychol 2007;605‒616.
Park S, et al. Psychiatry Investig2013;253‒258.
※8:von GontardA, et al. J PediatrUrol2015; e261‒267.
GubbiottiM, et al. PsychiatrDanub2019; 475‒478.
Niemczyk J, et al. J Autism Dev Disord2019; 1966‒1975.
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