「完全無償化」ではないが、自治体の独自支援によって「完全無償」の自治体が大半だとみられる。なお、対象は公立小学校、義務教育学校前期課程、特別支援学校小学部となる

【家電コンサルのお得な話・296】 2026年4月から、「学校給食費の抜本的な負担軽減」がスタートした。文部科学省はこの取り組みについて特設ページを開設し、制度の狙いや概要について詳しく説明している。

国が年間最大6万8200円支援 自治体の独自支援で「完全無償」も

制度の対象は公立小学校の児童であり、義務教育学校前期課程や特別支援学校小学部も含まれる。一方、公立・私立の中学校の給食費は今回の支援の対象外となっている。

従来、公立小中学校の給食費(食材費)は保護者が負担してきたが、物価上昇が続く中で家計への影響が顕在化していた。今回の制度は、国が自治体を支援することで、結果として保護者の経済的負担を軽減するものだ。自治体が食材調達費を直接補填する仕組みのため、原則として保護者が申請手続きを行う必要はない。

一方で、この取り組みは全国一律に同じ結果をもたらすものではない。給食の内容や回数は自治体ごとに異なるため、国の支援の上限(最大月額5200円または6200円/1年あたり夏休みを除く11カ月分)を超える部分については、引き続き保護者から徴収することが可能とされているからだ。

文部科学省は、この制度を「無償化」とは位置づけておらず、「学校給食費の抜本的な負担軽減」という表現を用いて、完全無償ではないことを明確にしている。実際、自治体側に裁量が残されており、給食の質や内容を維持・向上させるか、あるいは財政負担とのバランスをどう取るかは各自治体の判断に委ねられている。

また、以前から独自に給食費無償化を実施していた自治体では、今回の制度によって国の支援が加わるため、その分だけ財源に余裕が生まれ、結果として負担軽減の効果がよりはっきりと表れる可能性がある。

物価高騰が続く中、子育て世帯の教育関連支出の負担軽減は重要な政策課題の一つである。今回の取り組みは、具体的な対応策として評価できるが、今後は子育て世帯に限らず、社会全体の負担を軽減していく議論も必要になるだろう。(堀田経営コンサルタント事務所・堀田泰希)

堀田泰希

1962年生まれ。大手家電量販企業に幹部職として勤務。2007年11月、堀田経営コンサルティング事務所を個人創業。大手家電メーカー、専門メーカー、家電量販企業で実施している社内研修はその実践的内容から評価が高い。