ふと文房具屋さんで目に留めて、「これは……!」と衝撃を受けたアイテムがあります。

それが、今回紹介するコクヨの「本当の定規」。

今回は実際に使いながら、その名前に込められた意味をじっくり確かめてみました。

目盛りの「線」には太さがある

コクヨ「本当の定規(15cm)」1,760円(税込)

見た目はただのシンプルなステンレス定規。なのに、目盛りの引き方がこれまで見たどの定規ともちがうんです。

普通の定規って、1mmごとに目盛りの線が引いてありますよね。当たり前すぎて、今まで疑問に思ったことがありませんでした。

でも実はこの線、ミクロで見ると太さを持った「面」になっているんです。目に見える線である以上、多かれ少なかれ幅があるのは当然のこと。

そしてこの線の太さこそが、じつは測定誤差の原因になるのだそう。目盛り線の左端・中央・右端、どこを基準に読むかによって、微妙にズレてしまうんですね……。

誤差が生まれず「正確な1mm」に

「本当の定規」は、この問題に対してとても面白いアプローチを取っています。目盛りを「太さのある線」で描くのではなく、色の違う面と面が接する「境界線」として表現したんです。

幾何学の定義でいう、太さを持たない本当の意味での「線」を、定規の上に再現しようとした発想なんですね。

具体的には、標準側は2mmごとに1mm幅の色面を、反対側は1mmごとに0.5mm幅の色面を配置。面と面の境目そのものが目盛りになるので、原理上は読み取りの誤差が生まれにくい構造になっています。

この製品、なんと2014年のコクヨデザインアワードで「NEXT QUALITY」をテーマに募集された中から生まれたものだそう。

「本当に正確な1mmを測りたい」というデザイナーの発想が高く評価されて、商品化に至ったのだとか。

文房具って、こういうバックストーリーを知ると急に愛おしくなりますよね。

細かい目盛りがめちゃくちゃ読みやすい

理屈はわかっても、実際に使ってみないと良さって実感しにくいですよね。というわけで、さっそく手元のものを測ってみました。

まず驚いたのが、細かい目盛りがとにかく読みやすいということ。色面が太めに取られているぶん、どの面とどの面の境目に測りたいものの端が合っているかが、パッと見て判断しやすいんです。

細かい採寸が必要なDIYや模型づくり、デスク周りでちょっとしたサイズを測りたいときなど、地味に頼れる場面が多そうだなと感じました。

ちなみに、精度をとことん追求するなら本体自体の厚みにも気を配りたいところ。「本当の定規」はこんなに薄いんです。

定規に厚みがあると、真上から見ないときにわずかな視差が生まれてしまい、それも誤差の原因になりますからね。

「当たり前を疑う」から生まれたデザインでした

「本当の定規」は、パッと見ただけでは違いがわかりにくいプロダクトかもしれません。

でも「目盛りの線に太さがある」という、誰もが見過ごしてきた当たり前を疑うところから生まれたデザインだと知ると、急に愛おしく見えてきませんか?

価格も手頃なので、文房具好きはもちろん、デスク周りのアップデートやちょっとしたギフトにもおすすめしたい一本です。ぜひ実際に手に取って、その境界線を確かめてみてください。



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