飯舘村を拠点に活動する株式会社図図倉庫(ズットソーコ)が運営、環境をテーマにした共創を推進

株式会社ロフトワーク(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:諏訪光洋)は、FabCafe Globalのネットワークに新たに加わる拠点として、2026年7月25日、福島県飯舘村に「FabCafe Fukushima(ファブカフェ フクシマ)」がオープンすることをお知らせします。
FabCafe Fukushimaを運営するのは、飯舘村を拠点に「環境と対話する実験基地 図図倉庫(ズットソーコ)」を運営する株式会社図図倉庫です。同社は、東日本大震災と東京電力福島第一原子力発電所事故の影響によって営業を終えたホームセンターの建物を活用し、他分野横断の環境ラボ「図図倉庫(ズットソーコ)」を運営してきました。ロフトワークとFabCafe Globalは、国内外のクリエイターや企業とのネットワーク、ブランディング、情報発信、プロジェクト創出などを通じて、その活動を支援していきます。
FabCafe Fukushimaは、この図図倉庫を舞台に、地域の人々や研究者、科学者、アーティスト、クリエイター、企業などが出会い、環境について学び、観測し、実験し、つくるための新たな拠点として始動します。被災後、自分たちの暮らす環境と向き合い、その状態を確かめながら、少しずつ地域の未来をつくってきた飯舘村。その経験と知恵を社会にひらき、環境のこれからを考える探究者や実践者が集う場所を目指します。
図図倉庫 Webサイト
FabCafe Fukushima Webサイト
飯舘村で育まれてきた「環境と対話する実験基地」
図図倉庫がある飯舘村は、福島県浜通りと阿武隈地域の間に位置する、山林や農地に囲まれた村です。「日本で最も美しい村」連合にも加盟する、自然と人の営みが身近にある里山地域です。2011年の原発事故後、飯舘村では、放射線量の測定や土壌・森林の調査、農業や食の再生に向けた実験など、地域の環境を知り、暮らしを取り戻すためのさまざまな活動が行われてきました。地域住民だけでなく、研究者や科学者、学生、アーティストなど、村の外からも多様な人々が訪れ、それぞれの専門性や関心を持ち寄りながら、自然と人との関係を捉え直す実践を重ねています。
株式会社図図倉庫は、こうした活動を支え、地域内外の人々が協働する拠点として、2021年に図図倉庫をオープンしました。1,000平方メートルを超える元ホームセンターの建物には、シェアオフィスやアトリエ、イベントスペースなどが設けられています。空間づくりには、地域で使われなくなった建材や家具、資材なども活用。完成した施設を提供するのではなく、村の人々や訪れる人々と手を動かしながら、必要な機能を少しずつ加えてきました。
図図倉庫という名前には、「物事を図る」「姿や形を表す」「目的に向けて工夫する」という「図」の意味と、環境づくりへの取り組みを“ずっと”続けていくという思いが込められています。

撮影:三本松淳

被災地から、「環境の実験区」へ
飯舘村で積み重ねられてきた実践は、被災からの復旧にとどまりません。土や水、植物、食、森林、エネルギーなど、身近な環境を自分たちで観察し、確かめ、必要なものをつくり直していく営みは、気候変動や資源循環、人口減少といった、これから多くの地域が直面する課題を考える手がかりにもなります。
FabCafe Fukushimaは、こうした飯舘村の知恵と実践を、さらに多様な人々へひらく拠点です。地域の人々や研究者、クリエイター、企業などがそれぞれの問いや仮説を持ち寄り、観測し、試し、つくる。失敗や試行錯誤も含めてプロセスを共有し、得られた知見を別の地域や社会へとつないでいく「環境の実験区」を目指します。飯舘村にある自然や資源、そしてこの地で培われてきた経験を起点に、未来の環境と暮らしをともに考え、実践する場を育てていきます。

撮影:佐藤直己
撮影:佐藤直己
撮影:佐藤直己
なぜ、飯舘村にFabCafeをつくるのか
FabCafe(ファブカフェ)は、「つくる」をキーワードに、モノ・コト・ヒトが集うカフェです。国内外に10以上の拠点をもち、地域の素材や文化、テクノロジーを生かしながら、クリエイターや企業、行政、研究機関などとともに、さまざまなプロジェクトを手がけています。それぞれの拠点は、その土地ならではの文化や産業、自然環境と結びつきながら、異なる領域や背景を持つ人々が出会い、新たな活動や関係が生まれる場を育んできました。
図図倉庫もこれまで、イベントやツアー、制作活動などを通じて、飯舘村の環境や、この地で続けられてきた取り組みを地域の外へひらいてきました。一方で、初めて訪れる人にとっては、何が行われている場所なのか、どのように関わることができるのかが見えにくいという課題もありました。FabCafe Fukushimaでは、カフェ機能を備えたものづくりの拠点という立ち寄りやすい入り口を設けることで、図図倉庫で行われている活動を、さらに多くの人へひらいていきます。
専門家や研究者だけでなく、地域で暮らす人、旅の途中で訪れる人、環境をテーマに何か始めたい人、企業や団体など、異なる背景を持つ人々が出会い、それぞれの問いを持ち寄る場所。環境を遠い社会課題として捉えるのではなく、身の回りにある植物や水、土、食、エネルギー、暮らしから考え、試してみる場所を目指します。
ロフトワークとFabCafe Globalは、国内外のクリエイターや企業とのネットワーク、プロジェクトデザイン、情報発信などを通じて、FabCafe Fukushimaの活動を支援します。図図倉庫が飯舘村のフィールドを生かしたプロジェクトをつくり、ロフトワークが地域外の企業や実践者との接点を育むことで、福島と国内外を行き交う新たな活動の創出を目指します。

FabCafeについて
FabCafe(ファブカフェ)は、「つくる」をキーワードに、モノ・コト・ヒトが集うカフェ。ワクワクする未来を生み出す、多彩なコミュニティが交差する場です。地域のクリエイターやアーティスト、企業とともに、食、アート、バイオ、AIから教育まで、ものづくりの枠を超えたラボ活動も行っています。 FabCafe Webサイト

FabCafe Fukushimaからのメッセージこれからの世界は、環境とどのように向き合い、対話していくのか。それは、原発事故を経た福島/飯舘村だけではなく、私たちが生きる世界全体の課題でもあります。しかし、「環境問題」や「復興」という答えのない問いを前にすると、私たちはしばしば無力さを感じます。個人にできることなど何もないのではないか。大きな力を持つ誰かだけが解決できる問題なのではないか、と。だからこそ、一人ひとりが小さな実践を重ねること。試行錯誤から得た知恵や経験を分かち合うこと。その積み重ねによってしか、次の一歩は見えてこないのではないでしょうか。FabCafe Fukushimaは、人と環境の新しい関係を探り続ける、小さな実験の場。多分野の人々の自然に対する好奇心と、そこから生まれる未来への自由研究を共に積み重ねていきましょう。
株式会社図図倉庫 矢野淳
施設概要
FabCafe Fukushima では、不定期で環境やものづくりをテーマとしたイベントやワークショップを開催します。イベント時には特別なドリンクを提供するほか、通常時はセルフサービス形式のドリンクコーナーを設置。自然科学から人文学、漫画や絵本まで、スタッフが選書したユニークな蔵書とともに、ゆったりとお過ごしいただけます。ものづくりに関するご相談も、随時承っています。

最新の営業状況は図図倉庫公式インスタグラムにてご確認ください。
関連サイト
FabCafe Fukushimaサービスページ
図図倉庫 ZUTTOSOKO(note)
お問い合わせ先
株式会社図図倉庫について

図図倉庫(ズットソーコ)は、福島県飯舘村にある1,000平方メートル のホームセンター跡地をリノベーションした「環境と対話する実験基地」です。飯舘村のフィールド全体をミュージアムと見立てて環境世界を探索するツアープログラムや、アーティスト・企業・研究者などとのコラボレーション、地域の歴史や経験を無二の体験に変えるアートプロジェクトなど、地域に根差した様々な取り組みを進めています。2026年には「飯舘村トレーラー基地計画」を始動。協働の場づくりを通して、環境と人のつながりを編み直し続けています。
株式会社ロフトワークについて

ロフトワークは「すべての人のうちにある創造性を信じる」を合言葉に、クリエイターや企業、地域やアカデミアの人々との共創を通じて、未来の価値を作り出すクリエイティブ・カンパニーです。ものづくりを起点に、その土地ならではの資源やテクノロジーを更新する「FabCafe(ファブカフェ)」、素材と技術開発領域でのイノベーションを目指す「MTRL(マテリアル)」、クリエイターと企業の共創プラットフォーム「AWRD(アワード)」などを運営。目先の利益だけにとらわれず、長い視点で人と企業と社会に向きあい、社会的価値を生み出し続けるビジネスエコシステムを構築します。
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