卓球のプロリーグ『Tリーグ』が華々しく開幕した。10月24日、両国国技館に集った5624人は洗練された開幕セレモニーに期待を馳せ、T.T彩たま×木下マイスター東京の熱戦に酔いしれた。
第1マッチのダブルス・チョン・ヨンシク&平野友樹×水谷隼&松平健太で、『Tリーグ』は新たな扉を開いた。オープニングゲームで水谷が『リオ五輪』シングルス銅メダル、団体銀メダルの貫禄を見せ、2-0の勝利。KM東京が歴史的ゲームで先勝した。幾多の修羅場を潜って来た水谷だが、試合後に「今日という日を待ち望んでいた。オープニングの時には感動してウルウルした。今までにないくらい緊張した」と明かした。
第2マッチはかつて『リオ五輪』代表枠を争ったライバル対決・吉村真晴×大島祐哉。得意のラリー戦に持ち込み、勝負どころで積極的に前へ出た大島が3-1で勝利、『リオ五輪』代表選考のリベンジを果たした。
第3マッチは世界ランキング9位のウォン・チュンティン×8位・張本智和のエース対決に。第1ゲーム序盤は2-5と出だしでつまずいた張本だが、ここから怒とうの9連続得点で11-5と先取。張本の勢いは止まらず、第2・3ゲームも連取し、圧巻のストレート勝ち。15歳の全日本王者はコート上のパワフルさとは対照的に、試合後「1番・2番が勝ってくれたので、自分は伸び伸びできた。先輩方に感謝している」と冷静にコメント。さらに「今年は全勝で優勝すると決めているので、次もがんばります」と力強く宣言した。
これでKM東京の勝利が決まったが、第4マッチのチョン×水谷に突入。勝敗が決し、いい意味で肩の力が抜けたのか、緊張感張り詰める一進一退の攻防に息詰まるラリーなど熱戦が繰り広げられ、3-2でチョンが勝利。4-0でのボーナスポイントこそ逃したが、KM東京が歴史的1勝を手繰り寄せた。
最後のシングルスで敗れた水谷は「ここで負けるのが水谷」と笑みを浮かべたが、「結果として負けたが、内容はよかった。今日は接戦がなかったので、最終ゲームまでいく接戦になり、観客が盛り上がる試合ができてよかった」とプロ意識を覗かせた。
敗れたT.T彩たま・坂本竜介監督も、「吉村をシングルスで男にするのが私の使命。初戦に負けたが、最終的に優勝すれば、今日の吉村の負けも生きてくる」とダメージを引きずってはいない。
今週末は10月26日(金)・岡山リベッツ×琉球アスティーダ、27日(土)・T.T彩たま×岡山、KM東京×琉球、28日(日)・T.T彩たま×琉球、KM東京×岡山を武田テバオーシャンアリーナ(愛知県)にて開催。女子は本日10月25日(木)・両国国技館でのTOP名古屋×日本生命レッドエルフにて開幕。『Tリーグ』の今後が楽しみだ。