全国大学生活協同組合連合会 韓国の大学生協の学生を日本に迎え、日韓大学生協学生交流会2026を開催
韓国の大学生協で活動する学生6名を日本に迎え、大学生協の役割や学生参加について4日間にわたって議論しました。物価高や学生生活を取り巻く課題が共通する中、国境を越えて学生自身が大学生協の未来を考える交流となりました。
全国大学生活協同組合連合会(全国大学生協連)は、2026年6月28日(日)から7月1日(水)の4日間にわたり、韓国の大学生協で活動する学生・職員を日本に迎え、2026年度日韓大学生協学生交流会を開催しました。日本の大学生協の店舗・食堂や学生参加の取り組みを学ぶとともに、両国の学生が大学生活や大学生協の役割について語り合いました。言葉や文化の違いを越え、同じ大学生協に関わる仲間として、互いの経験から学び合う機会となりました。
日韓の学生は、お互いの比較を通じて、大学生協は単なる店舗や食堂ではなく、学生自身が大学生活をより良くするために参加する組織であるという共通認識に至りました。

日韓大学生協学生交流会 参加者同士の国境を越えた交流が深まりました


2001年から続く、日韓の大学生協学生交流
全国大学生協連と韓国の大学生協は、2001年から学生交流を継続してきました。新型コロナウイルス感染症の影響により対面交流が難しい時期もありましたが、オンラインでの交流などを経て、2023年から対面での交流を再開しています。この交流では、開催年ごとに日本と韓国を訪問し合い、それぞれの大学生協の事業や学生参加の取り組み、大学生活や文化について学び合ってきました。今回の日本での受け入れも、単なる施設見学にとどまらず、同じ大学生協に関わる学生同士が、日頃の活動や課題を率直に伝え合うことを大切にして実施しました。

日本の大学生協の仕組みを説明する全国大学生協連の中島専務理事

韓国の学生によるプレゼン
韓国の大学生協と日本の大学生協の交流
韓国では、1988 年以降、現在までに 約30 大学に生協が設立されています。全国大学生協連とは、2000 年より事業や連帯活動についての情報・経験の交流が行われるようになり、2001 年からは職員研修の受け入れや日韓大学生協学生交流セミナー(のちに日韓大学生協学生交流会に改称)が開催されるようになりました。
日韓大学生協学生交流会では日韓の学生委員同士の文化・意見・活動の交流を通し、参加者自身が日韓の文化的背景の違いを相互理解し、共通の価値観を養うこと、自分たちの活動に自信を持つことを目的として開催してきました。

訪問先である北大生協のプレゼン

グループ討議を通じて日韓の学生が共通の価値観を発表
日本の大学生協を、利用者であり担い手でもある学生の視点から紹介
交流会では、韓国側の参加者が日本側の参加者とともに小樽商科大学生協・北海道大学生協を訪れ、購買店舗や食堂などの大学生協施設を見学しました。
大学生協店舗の見学

韓国の学生から日本の学生に質問も
大学生協は、学生の毎日の食事や学修、住まい、安心・安全を支える事業体であると同時に、学生自身が組合員として運営や活動に参加する協同組合です。
日本側の学生は、日常的に取り組んでいる新入生歓迎、食生活改善、共済・防災、環境活動、平和活動などの活動を韓国の学生に紹介し、自分たちが学生委員会活動を始めた理由や、学生の声を取り組みに反映するための工夫を伝えました。
あわせて、北海道内の生協が呼びかけて大学生を含む若者世代の挑戦を後押しする「ほっかいどう若者応援☆学生プロジェクト」のメンバーからもプレゼンを行い、交流をしました。
韓国側の学生からも、自大学の大学生協や学生組織の活動について紹介がありました。制度や運営方法には違いがある一方、「学生の生活をよりよくしたい」という出発点は共通しています。互いの取り組みを比較することで、自分たちの活動を別の角度から見直す機会にもなりました。
地域社会とのつながりから学んだ「恩送り」の精神
交流会2日目のプログラムでは、北海道内の生協が取り組む「地域食堂おちゃのま」や「ほっかいどう若者応援☆学生プロジェクト」の活動についても学びました。子ども食堂や学習支援など、地域の人々と学生がともに活動する現場を通して、大学生協が大学の枠を超え、地域社会ともつながる存在であることを体感しました。
参加者の感想からも、子どもたちの居場所づくりや世代を超えた交流、学生による主体的なボランティア活動から、「支えられた人が次世代を支える」という「恩送り」の循環や、奉仕の精神に基づく地域貢献の意義について理解を深められたことがうかがえます。
「地域と連携した子ども食堂を運営していることが印象的だった。特に、大学生が主体的に参加し、保護者世代と子どもたちをつなぐ役割を担っていることに驚いた。」
(韓国の学生)
「『もらった恩を、次世代へ』という言葉が印象に残った。自分が支えられた経験があるから、今度は支える側になる。この循環が生協の大きな価値だと思った。」
(日本の学生)

ほっかいどう若者応援★学生プロジェクトの子ども食堂で提供しているほうれん草を参加者も手伝って収穫

子ども食堂の様子 札幌市・北海寺
3つのテーマセッションを通じて相互理解を深め、国境を越えた学び合いを実現
交流会では次の3つのテーマセッションがおこなわれました。学生委員会レポート交流と3つのテーマセッションを通じて、日韓比較から見えた大学生協の価値と課題が見えてきました。テーマセッションI
日本・韓国の大学生協の認知度や利用状況の違いを踏まえて、SNSなどの情報発信を活用した広報の在り方や組合員の参加を広げる方法について
テーマセッションII
日本・韓国の大学生協における組合員の特典やメリットおよび魅力的な生協加入の利点について
テーマセッションIII
日本・韓国の大学生協の学生委員会の役割および生協加入や組合員とのコミュニケーション等の課題について

日韓の学生が混ざって交流
日韓比較から見えた大学生協の価値と課題
日韓の学生が共有したのは、大学生協は単なる店舗や食堂ではなく、学生自身が大学生活をより良くするために参加する組織であるという認識でした。
日韓の違い:学生委員会の組織運営や参加のきっかけ
共通の認識:組合員特典は学生生活を支える価値を実感できるものであるべき
共通の課題:大学生協の価値をどう伝えるかが日韓共通の課題
学生委員会レポート交流とテーマセッションを通し、日韓の学生委員会や組合員制度の違いを比較しながら、大学生協ならではの価値について改めて見つめ直しました。特に、組合員特典は単なる経済的メリットではなく、組合員として学生生活を支える価値を実感できるものであるべきという認識が共有されました。また、学生委員会の組織運営や参加のきっかけには日韓で違いがある一方、「大学生協の価値をどう伝え、学生や大学をどう巻き込んでいくか」という課題は共通しており、それぞれの特色を生かした組織づくりや今後の活動の方向性について考える機会となりました。
組合員特典の本質:
「組合員特典は、単なる割引やポイントではなく、『組合員であることの実感』を生み出すものだと感じた。特典の本質は、『生協に入っていてよかった』と思える安心感であるべきだ。」(日本の学生)
「日本では、組合員と非組合員でサービスや特典に違いを設けている点が特に印象的でだった。韓国でも十分な議論を重ねたうえで、組合員ならではの特典のあり方を検討する必要があると感じた。」
(韓国の学生)
「大学生協は消費の場であるだけでなく、学生生活を支えるさまざまなサービスを提供することが重要だと感じた。」
(韓国の学生)
日韓の学生委員会に共通する悩み:
「『生協の価値をどう伝えるか』『学生や大学をどう巻き込むか』という課題は、日本と韓国の大学生協に共通していると感じた。」
(日本の学生)
総括と今後に向けて:日韓交流から描く大学生協の未来
最終日は、グループ別プレゼンテーションと総括を通して、4日間の学びを振り返り、日韓双方が目指す大学生協の未来像を共有しました。両国の大学生協の違いや強みを相互に学ぶことで、自国の大学生協の強みや課題を改めて見つめ直す機会となりました。また、大学生協が学生生活を支え、人と人とのつながりを育む存在であることを再認識するとともに、その想いや役割を広く伝え、より多くの共感や参加につなげていくことの重要性を共有し、今後の実践への意欲を深めました。今後に向けて
「大学生協の未来を考えるうえで大切なのは、特典を増やすことではなく、その特典や活動を通して『どんな大学生活を支えたいのか』を伝えることだと感じた。学生・生協・大学がともによりよい大学生活を考え続けることが、これからの大学生協に必要だと思う。」
(日本の学生)
「今回のセミナーを通して、韓国の大学生協における学生組織の拡大方法や、大学生協の対外的な活動のあり方について、今後さらに考えていきたいと思った。」
(韓国の学生)
4日間の成果
「資料だけでは分からない多くの学びや気づきを得ることができた。日本の大学生協学生委員会が大学生協をどのような視点で捉え、どれほど愛着を持って活動しているのかを知るとともに、日韓の共通点や違いへの理解を深めることができた。」
(韓国の学生)
「日本と韓国の大学生協の違いを知るだけでなく、その違いを通して日本の大学生協の強みや課題を見つめ直すことができました。大学生協や学生委員会の活動は、サービスや企画を提供するだけではなく、学生生活を支え、人と人とのつながりを生み出し、よりよい大学生活をともに考えるためのものであることを改めて実感した。」
(日本の学生)
今後の展望
本交流会を通じて築かれた日韓の学生同士のつながりを一過性のものとせず、今後も継続・発展させていくことを目指しています。今年度は、オンライン会議システムを活用した日韓合同の事後交流会を予定しており、交流で得た学びや各大学での実践を共有する機会となるよう検討を進めています。今後もそれぞれの大学生協の取り組みや課題を学び合い、日韓両国の大学生協の発展につながる協力関係を築いていきたいと考えています。
全国大学生協連の国際活動
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