2011年のある日、「公園でかっこいい犬を見たんですが、写真に撮れなかったのでイラストを描いてみました」とのコメントとともに、Twitterに投稿されたゆるいイラスト。投稿者は俳優の田辺誠一さん。
さっき公園でカッコイイ犬を見たんですが、写真を撮れなかったのでイラストを描いてみました。犬に詳しい方、犬種が分かったりすると嬉しいです。 https://t.co/Mqcc4pOK
— 田辺誠一 (@tanabe1969) 2011, 9月 27
田辺さんはTLで犬種を知っている人がいないか尋ねますが、もはや犬かどうかも怪しいその個性的なイラストは瞬く間に話題に。なんともゆるい田辺画伯の絵の魅力の虜になる人が後を絶たず、昨年11月にLINEスタンプが登場。
そして“かっこいい犬”には「もっちー」という名前も付き、ついに書籍化! 3月28日にファンブック『かっこいい犬。パーフェクトBOOK!』が発売します。
今回のファンブックでは、なんと“かっこいい犬”こと「もっちー」が平面から飛び出し、東京の街中を遊びまわる! 今まで見たことのない、もっちーの姿や情報が満載となっています。
そんなファンブックの発売を記念して、田辺画伯にインタビュー。ここまで成長した、かっこいい犬「もっちー」のことや、田辺画伯の描く絵がなぜ魅力的なのか、その理由がわかるかも?
子どもの時の僕が聞いたら「本当かよー!? 嘘だぁー!」って言うと思う
――最初は“かっこいい犬”ということで展開していたと思うのですが、キャラ名が「もっちー」となった由来を教えてください。
田辺:白くて四角くて“おもち”みたいなキャラクターなので。あと、僕自身もおもちが大好きなので、「もっちー」にしました。
――結局、見かけた“かっこいい犬”の犬種ってわかったのでしょうか……?
田辺:犬種はわからないですね~。でも、鼻先が尖った犬ではなかったです。
――それでも、かっこよかったんですよね?
田辺:ちょっと顔は“ぶちゃっ”としてるけど、堂々としている感じ、その存在がかっこよかったんです。もう唯一無二の存在としての空気感が。
――顔やスタイルなどではなく、その存在自体がかっこよかったんですね! それを元にご自身が描いた“かっこいい犬”の本が出ることについて、感想をお聞かせください。
田辺:もう“ウレぴあ”です。嬉しいですよね(笑)。幸せなことだな、と思います。自分の考えたもので、一冊まるごと世界を作れるっていうのはものすごく嬉しいです。
――今回、ご自身で撮影場所のロケハンも行かれたんですよね。
田辺:そうです、全部やっています。ページ構成からコンテまで、何から何までやらせてもらいました。満足のいく出来です。
――直立した「もっちー」が現実の世界に飛び出してきましたが、実際にお会いしてみていかがでしたか?
田辺:感無量な嬉しさです。自分の頭の中で考えられた平面だけの世界だったものが、飛び出てきて、実際に会ったり、動いたりするというのは思ってもみなかったことなんで。子どもの時の僕が聞いたらたぶん、「本当かよー!? 嘘だぁー!」って言うと思うんですよ。
――確かに信じられないですよね。
田辺:タイムマシンで小学生の僕のところに行って、「45歳のときにお前が描いた絵が本になったり、実物が動くから」って言っても、「え? 何言ってんの?」ってなると思う。さらに45歳でしょ? 25歳とかならまだわかるけど、なんでそのタイミングで?って、子どもの頃の僕が聞いたら思うくらい、信じられないことで、夢のようです。
――もし、タイムマシンがあったら、自分の子ども時代に会いに行って、伝えてあげたいと思いますか?
田辺:伝えてもたぶん信じて貰えないので、それはそれで現在の僕が凹むので伝えないです。だって、去年の9月の僕に言っても信じないですもん。
昨年の11月にLINEスタンプを出して商品化などのお話をいただくようになったので、9月の時には、自分が近い将来絵を書いて、それが仕事に繋がるなんてことはまったく想像していなかったので、状況がガラッと変わりました。