保険料を下げる方法として「水災補償を外す」を推奨するFPは0名。一方で59.0%が、保険料のために水災補償を外した相談者に遭遇

お金の相談プラットフォーム「マネーキャリア(https://money-career.com/)」を運営する株式会社Wizleap(東京都渋谷区、代表取締役 谷川昌平)は、お金のリアルを調査するシンクタンク「お金のリアル総研」の調査として、火災保険の取扱経験があるお金の専門家(FP)83名を対象に、損害保険と自然災害への備えに関する意識調査を実施しました。
調査の結果、保険料を下げたいという相談への対応として「水災補償を外す」と答えたFPは83名中0名だった一方、59.0%(49名)が「保険料を抑えるために水災補償を外している相談者」に遭遇していると回答しました。専門家が削らないと考える補償が、相談者側では先に削られている実態が浮かび上がっています。
■ お金のリアル総研とは
お金のリアル総研は、お金にまつわる日々の悩みや選択に、“考えるきっかけ”を届けるシンクタンクです。変化の多い社会制度や経済の動きを、生活者の目線から読み解き、一人ひとりの選択に寄り添う情報を発信していきます。年に2回、その時期のお金にまつわるニュースや制度の変化、経済・政治の動きなどをもとに意識調査を実施。加えて、トレンドに即したテーマでの調査発表も不定期に行い、世の中の「お金の悩み」を定点観測していきます。
家計、働き方、制度、価値観。お金にまつわる課題は、ますます複雑に、そして個別化しています。だからこそ、お金のリアル総研は、専門家の視点と生活者の声をつなぎながら、「お金について考える習慣」を社会に根づかせていきます。
■ 調査背景
毎年8月30日から9月5日は防災週間です。2026年の夏は、住まいの災害リスクが相次いで現実のものとなりました。
2026年7月28日、熊本県で最大震度7を観測する地震が発生し、気象庁はこれを「令和8年熊本地震」と命名しました。気象庁が地震に名称を定めるのは2024年の能登半島地震以来で、熊本県で震度7が観測されたのは2016年以来10年ぶりとなります。
さらに8月13日から14日にかけては、線状降水帯の発生などにより千葉県で記録的な大雨となりました。千葉市中央区では14日0時までの12時間降水量が341.5mmに達し、県内の広範囲に大雨特別警報が発表されています。
この豪雨について、ウェザーニューズが現地からの約2万件の報告を分析したところ、被害を示す報告のうち55.7%が、低位地帯または浸水想定区域の「外」から寄せられたものでした。河川の氾濫ではなく、短時間の豪雨で排水が追いつかない都市型水害が広い範囲で発生したとされています(出典:ウェザーニューズ/https://weathernews.jp/news/202608/140171/ )。
住まいの備えについては、非常食の備蓄や家具の固定といった物理的な対策が語られる機会が多い一方、被災後の生活再建を支える経済的な備えは見落とされがちです。住まいの保険は火災保険と、それに付帯する地震保険で構成され、補償の範囲は契約時の選択によって変わります。水災補償のように、加入時に外すことができるものもあります。
そこで本調査では、2つの災害の直後にあたる2026年8月20日から25日にかけて、実際に火災保険を取り扱った経験のあるFPを対象に、相談の現場で見えている契約者側の理解度と、専門家が考える備え方を調査しました。
■ 調査トピックス(サマリ)
Highlights
1. 相談者の知識が少ないと感じる保険の1位は「火災保険」72.3%(60名)。2位は「地震保険」65.1%(54名)で、住まいに関わる2種目が上位を占める
2. 相談現場で最も多く挙がった認識のずれは「契約の補償内容を十分に把握していなかった」69.9%(58名)
3. 「地震保険は単独で加入できると思っていた」51.8%(43名)、「地震による火災や損壊も、通常の火災保険で補償されると思っていた」50.6%(42名)と、地震に関する認識のずれは半数を超える
4. 保険料を下げる方法として「水災補償を外す」と答えたFPは0名。一方で59.0%(49名)が「保険料を抑えるために水災補償を外している相談者」に遭遇している
5. FPが挙げる「今すぐ確認すべきこと」の1位は「地震保険に加入しているか」68.7%(57名)、2位は「ハザードマップを踏まえた水災補償の要否判断」59.0%(49名)
■ 調査結果1. 相談者の知識が少ない保険、1位は「火災保険」72.3%
「加入者が多い以下の保険のうち、相談者の知識が少ないと感じるものはどれですか」と尋ねたところ、最も多く挙げられたのは「火災保険」で72.3%(60名)でした。次いで「地震保険」が65.1%(54名)と続き、住まいに関わる2種目が上位を占めています。
※複数選択可のため、各項目の選択数の合計は回答者数(83名)とは一致しません。
・1位:火災保険(60名/72.3%)
・2位:地震保険(54名/65.1%)
・3位:賠償保険・自転車保険等(45名/54.2%)
・4位:生命保険(42名/50.6%)
・5位:医療・がん保険(35名/42.2%)
・6位:自動車保険(29名/34.9%)
加入率が高く、住宅ローンの契約時などに加入することも多い火災保険が、生命保険や医療保険を上回って最上位となりました。

■ 調査結果2. 7割が「補償内容を把握していない」相談者に遭遇。地震に関する認識のずれは半数超
「火災保険・地震保険について、相談者から聞いたことがある、または相談の中で気づいたことがある認識」を複数選択で尋ねたところ、以下の結果となりました。
※複数選択可のため、各項目の選択数の合計は回答者数(83名)とは一致しません。
・1位:契約の補償内容を十分に把握していなかった(58名/69.9%)
・2位:契約時から一度も内容を見直していなかった(44名/53.0%)
・3位:地震保険は単独で加入できると思っていた(43名/51.8%)
・4位:地震による火災や損壊も、通常の火災保険で補償されると思っていた(42名/50.6%)
・5位:保険金額が現在の再建築費用等に合っているか確認したことがなかった(40名/48.2%)
・6位:川や海の近くでなければ、水災リスクはないと思っていた(38名/45.8%)
・7位:建物だけでなく家財にも補償が必要になる場合があることを知らなかった(33名/39.8%)
・8位:「火災保険」という名称から、火事だけが補償対象だと思っていた(32名/38.6%)
・9位:免責金額(自己負担額)があることを把握していなかった(26名/31.3%)
「特にない」と回答したFPは2名(2.4%)にとどまり、ほぼすべてのFPが何らかの認識のずれに接していることが分かりました。
とりわけ地震については、「単独では加入できない」「地震による損壊は火災保険の対象外」という制度の基本部分で、半数を超えるFPが認識のずれに遭遇しています。地震保険は火災保険とセットでの加入が必要で、地震を原因とする火災・倒壊・埋没・流失は、火災保険ではなく地震保険の対象となります。

【参考|FPの自由記述より】
「万が一が起こった時に『使える(役に立つ)火災保険』になっているのか」
「最近の環境変化から昔は問題ではなかったことが問題になることもあるので、契約時以来、更新を続けている場合は一度契約内容を見直してもらいたい」
「言われたまま加入するのではなく、万が一を少しでも想像して加入すると良いと思います」
■ 調査結果3. 保険料を下げるために「水災補償を外す」と答えたFPは0名。一方で59.0%が外した相談者に遭遇
「相談者から『住まいの保険の保険料を下げたい』と言われた場合、最初に見直すべきだと考えるものはどれですか」という問いに対し、最も多かった回答は「他社と比較して乗り換える」55.4%(46名)でした。
・1位:他社と比較して乗り換える(46名/55.4%)
・2位:5年契約にして長期割引を使う(21名/25.3%)
・3位:免責金額(自己負担額)を引き上げる(8名/9.6%)
・4位:家財の保険金額を下げる(6名/7.2%)
・5位:破損・汚損などの補償を外す(2名/2.4%)
注目すべきは、選択肢に用意した「水災補償を外す」を選んだFPが83名中0名だった点です。保険料を下げる手段として、水災補償の削減を最初に選ぶ専門家はいませんでした。
一方で、水災補償の現場実態を尋ねた設問では、59.0%(49名)が「保険料を抑えるために水災補償を外している相談者がいる」と回答しています。専門家が削らないと考える補償が、相談者側では先に削られている構図です。
※複数選択可のため、各項目の選択数の合計は回答者数(83名)とは一致しません。
・1位:自宅のハザードマップを見たことがない相談者が多い(55名/66.3%)
・2位:保険料を抑えるために水災補償を外している相談者がいる(49名/59.0%)
・3位:水災補償の有無を自分で答えられない相談者が多い(48名/57.8%)
・4位:説明すると水災補償を付ける判断をする人が多い(24名/28.9%)
・5位:被害を受けてから相談に来る人がいる(13名/15.7%)
また、水災補償が抜けてしまう最大の原因については、「保険料を抑えるために外している」38.6%(32名)が最多で、「内陸や高層階なので不要だと判断している」27.7%(23名)が続きました。
説明を受ければ水災補償を付ける判断をする相談者が一定数いること(28.9%)を踏まえると、判断の前提となる情報が届いていない可能性がうかがえます。
また「川や海の近くでなければ、水災リスクはないと思っていた」相談者に接したFPは45.8%(38名)にのぼりました。令和8年8月千葉豪雨では被害報告の半数超が浸水想定区域の外から寄せられており、立地だけで水災リスクを判断することの難しさが示されています。

【参考|FPの自由記述より】
「保険料が高いからといって補償を下げると、せっかく入ってても対象にならなかったりということがあることを理解した上で加入された方が良い」
「水災はハザードマップに限らず起こりえる」
「ハザードマップで安心な地域でも、昨今の短時間豪雨の際は浸水のリスクがあるので、マップ以外の立地や屋外の設備(蓄電池、エアコン室外機など)も考えて火災保険を検討した方がいい」
■ 調査結果4. 4割近くが「保険金が出なかった、または足りなかった」相談を経験
「被害に遭ったのに保険金が出なかった、または足りなかった」という相談を受けたことがあるかを尋ねたところ、38.6%(32名)が受けたことがあると回答しました。原因として挙げられた内容は以下のとおりです。
※複数選択可。「そうした相談を受けたことはない」は51名(61.4%)。
・経年劣化と判断された(20名/24.1%)
・家財の補償を付けていなかった(14名/16.9%)
・水災補償を外していた(9名/10.8%)
・地震が原因だったが、地震保険に加入していなかった(7名/8.4%)
・損害額が免責金額を下回った(6名/7.2%)
・保険金額が実際の建て直し費用に足りなかった(6名/7.2%)
また、相談者の住まいの保険で「付いていないことが最も多いと感じる補償」としては、「水災補償」22.9%(19名)が最多となり、「家財の補償」21.7%(18名)、「臨時費用」18.1%(15名)、「個人賠償責任」18.1%(15名)が続きました。
■ 調査結果5. FPが挙げる「今すぐ確認すべきこと」1位は地震保険への加入68.7%
「自然災害に対する住まいの備えとして、今すぐ確認すべきだと考えるものを3つまで」尋ねた結果は以下のとおりです。
・1位:地震保険に加入しているか(57名/68.7%)
・2位:自宅のハザードマップを確認したうえで、水災補償の要否を判断しているか(49名/59.0%)
・3位:水災補償が付いているか(37名/44.6%)
・4位:保険金額が現在の建て直し費用に合っているか(36名/43.4%)
・5位:家財の補償を付けているか(24名/28.9%)
・6位:契約内容を5年以内に見直しているか(11名/13.3%)
・7位:保険料が上がっても補償は削らないこと(10名/12.0%)
地震保険への加入と、ハザードマップを踏まえた水災補償の判断が上位2項目となりました。上位3項目のうち2つが水災に関する確認事項であり、調査結果3.で見られた認識のずれと対応する結果となっています。

【参考|FPの自由記述より】
「災害は防げなくても、被害は備えで減らせます」
「特に家財の額を過小評価しているお客様が多いと思います。専門家のアドバイスを聞いて、最低でも500万円以上かけるようにしましょう」
「現在、家の価格が高くなってますが、保障は足りてますか」
「災害に遭った際に『こんなはずじゃなかった』と思わないように、契約の確認や必要に応じて見直しが必要だと思います」
■ 調査概要
調査名:損害保険・防災意識に関するFP意識調査
調査主体:お金のリアル総研(運営:株式会社Wizleap)
調査対象:FP・お金の専門家のうち、火災保険を取り扱った経験がある方
有効回答数:83名
調査期間:2026年8月20日~8月25日
調査方法:Webアンケート(選択式・自由記述)
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社 名 株式会社Wizleap
所在地 東京都渋谷区神宮前2-34-17 住友不動産原宿ビル19F
代表者 代表取締役 谷川昌平
設立年月 2017年2月10日
資本金 3億5,000万
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従業員数 95名※2026年6月時点
URL:https://wizleap.co.jp/
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