2 樋口一葉ゆかりの地 文京区菊坂

さて次は、文京区の春日へ。東京ドームから、ほど近い場所ですね。
白山へ向かう通りを歩いていくと、かつての文豪たちが暮らした町が残っています。

 

都営三田線の春日駅から5分ほど歩くと、明治時代を代表する作家 樋口一葉が暮らした町があります。

表通りの雰囲気とは違って、急にノスタルジックな風景になります。菊坂周辺は、和菓子屋さんなどが多いです。とあるお店は明治10年創業だそうですから、ひょっとすると、樋口一葉も和菓子を買い求めたかもしれません。

 

菊坂を上っていくと、土蔵が。現在は廃業していますが、樋口一葉がこの町で暮らしていたころに、質草を入れて生活資金を借りていた質屋(伊勢屋質店)なんだそうです。

現在は、個人の方の所有物のため、内部は一般公開されていないそうなのですが、当時と変わっていないのだとか。
樋口一葉の作品を読むと、生活はけっして楽ではなかったようですが、人情味のある方に助けられたんでしょうね。

 

伊勢屋質店跡は、土蔵だけでなく住居部分も残されています。

樋口一葉は、菊坂を離れた路地裏に住んでいたそうです。そちらへ歩いてみましょう。

 

途中、「宮沢賢治旧居跡」という看板が。宮沢賢治と樋口一葉はご近所さんだった? 残念ながら樋口一葉が文京区菊坂に住んでいたのは、明治22年頃だとされていますので、二人は顔を合わせることはなかったはずです。それにしても、不思議なすれちがいですね。

 

樋口一葉が文京区菊坂に住んでいたころの住居跡へ。(※現在は、民家になっていますので、見学の際は、ご迷惑にならないようにされてくださいね)

この後、樋口一葉は、台東区に転居しますが、その後文京区の西片に再度転居し、24歳の若さで逝去します。小説家として評価が高まり始めた中での夭折は、悲劇的ですが、作品では触れられない彼女を小説家として育てた朝日新聞記者の半井桃水(なからいとうすい)とのラブロマンスなども、非常に切ないお話だと思います。関心がある方はぜひ調べてみてくださいね。