TGS 2026に初出展したPaidyのブース

BNPL(Buy Now Pay Later)によるあと払いサービスを展開するPaidyは、9月17~20日(9月21日は台風により中止)まで千葉・幕張メッセで開催された「東京ゲームショウ 2026(TGS 2026)」に初出展した。PayPalとの共同出展で、スマホ決済サービスの出展自体が珍しい。Paidyの橋本知周副社長執行役員に狙いについて聞いた。(BCN・細田 立圭志)

リアルタイム性が求められるゲームとの相性がいい

(以下、敬称略) 昨年は親会社のPayPalのスペースの一部を借りて出展していましたが、Paidyとしてここまでしっかりと作り込んで出展するのは今回が初めてです。2018年にデジタルコンテンツのあと払いサービスに僕たちが最初に参入しました。

それまでのあと払いは、基本的に配送先の住所がないと与信できませんでした。だから物販の配送と一緒に、請求書も送っていたのです。そんな中Paidyが、ユーザーの住所がなくても、携帯電話番号とメールアドレスだけでデジタルで完結する決済(翌月あと払い)の仕組みをつくったのです。

ゲームはその場でアイテムを購入するなど、リアルタイム性が求められるのでペイディと相性がいいです。それまでカードを持たないユーザーは、コンビニにプリペイドカードを買いに行ったり、買った後に足りなかったらもう一度チャージしに行ったりしていました。その不便さや手間を省き、現金の代わりにペイディを使ってリアルタイムでチャージできる環境を提供したのです。

また、アイテムの購入やサブスクでの利用が多いですが、最近はイベントやキャンペーンでの利用も増えています。背景には投げ銭などの単価の上昇があります。それまでは100円など少額での支払いでしたが、最近は1000円、2000円、3000円などと上がっているのです。例えば3000円の場合、1000円ずつを分割あと払いする需要がとても高まっています。

他のサービスは事前登録や本人確認が必要ですが、ペイディは最初、本人確認なしで携帯電話番号とメールアドレスだけでパッと使えます。まずは翌月あと払いで使ってもらって、慣れてきたら需要に合わせて分割あと払い(3・6・12回)をするための本人確認の登録に進んでもらうという形です。

また、ユーザーは分割手数料無料(口座振替・銀行振込のみ)なので、高単価商品も前向きな投資として活用できます。ここで事業者として一番難しいのは初めて使う人への与信ですが、僕らには12年間蓄積してきたリスクモデルがあるため、手軽に高いレベルで与信が行えるのもポイントです。

出展者向けにもアピール

今回、ユーザー向けだけではなく、開発会社やプラットフォーム、IP事業者に対しても、「支払いに対するハードルをなくせる」というメリットを訴求しています。決済手段にペイディを導入することで、ユーザーの利便性が高まる点を訴えていきたいですね。

事業者が得られる具体的なメリットは、リアルタイム課金による機会損失の防止や、分割あと払いの対応による高単価商品の売り上げアップ、2500万ダウンロードを突破したアプリの利用基盤を活用したプロモーション、アプリだけでなくブラウザ決済への対応などが挙げられます。決済はすべてデジタルで完結するので、振込票の印刷などの事務作業は不要ですし、初期費用も月額使用料もありません。必要な費用は決済手数料だけです。

物販における代引きは、ユーザーが不在で商品が戻った場合の返送にかかる配送料は事業者が負担するため、再配達をするたびにコストがかかります。再配達の回数が増えると最悪の場合、キャンセルや受け取り拒否につながってしまいます。しかし、ペイディなら決済済みのため、置き配なども可能になります。ドライバー不足や再配達問題の解決にもつながるサービスなのです。

PayPalとペイディで国内の決済ニーズを網羅

PayPalとペイディは同じ決済サービスですがカニバリはありません。PayPalはグローバルやカード決済が中心で、ペイディは国内のあと払いで、カード以外のユーザー層をカバーします。両社が組むことで、日本の決済ニーズを網羅できるという狙いがあります。

ゲームユーザーはライフタイムバリュー(LTV)が長く、一度支払い方法を決めるとずっと使っていただける傾向にあります。そのためカードならPayPal、カード以外ならペイディという形で両社で一緒に訴求しているのです。