前戦の悔しさは忘れてはいない。11月7日、富山グラウジーズを87-78で下した試合後、北卓也ヘッドコーチの「前回の対戦ではアルバルク東京に2連敗しているので、次は2連勝できるようにいい準備をしたい」という言葉はただのリップサービスではない。
篠山竜青も指揮官に同意する。主将は「優勝を目指すチームとしてレギュラーシーズンで負け越すチームを作りたくないので、2連勝したい。ホームでなかなかいい戦いを見せられていないので、しっかり気持ちの入ったプレーを40分間続けたい」と気合い十分。
前回の対戦は第4節。10月20日・21日のこと。GAME1は川崎のゾーンディフェンスが功を奏し、前半は36-36で折り返す。第3クォーターに入るとA東京がディフェンスのギアを1段上げ、川崎にタフショットを強いるとともに、田中大貴、竹内譲次が次々とシュートを決めて7点差に。A東京は最終第4Qも手綱を緩めず、さらに点差を広げ、89-67の大勝を収めた。
GAME2、A東京はさらにディフェンスの強度を上げて試合に入った。第1Qで18-12と主導権を握ると、第2Qはタイトなディフェンスで川崎を8点に封じ、36-20と前半で勝負を決めにかかる。後半は川崎も息を吹き返すも、A東京は流れを渡さず、66-46の2日連続の完勝となった。
ゲームプランを遂行したルカ・パヴィチェヴィッチHCが「この2日間、リーグでトップの力を持つ川崎に対してよく戦ってくれた。自分たちのディフェンスを4Qに亘ってプレーした結果、相手を46点というロースコアに抑えることができた」と胸を張れば、北HCは「完敗です。46点では勝てない。第2Q8点で前半20点、あれだけのディフェンスをされているのにファウル5つ、フリースローが1本もなかったのは気持ちの面で戦っていないということ」と悔しさを滲ませた。
選手たちも「すごく強いチームに対して2連勝できたのでとても自信になった」(馬場雄大)、「今季もいい形でスタートを切れ、川崎にも2連勝することができて本当にうれしく思う」(アレックス・カーク)、「今日の前半、特に2Qはエナジーが足りていなかった。メンタルの部分は負けてはいけない」(篠山)、「チームの完成度が露呈した試合だったと思う」(辻直人)と好対照なコメントを残したのだった。
あれから3週間、川崎はエースのニック・ファジーカスがスタメンに戻り、4連勝と調子を上げてきた。3連敗を喫していたA東京も11月7日、秋田ノーザンハピネッツを100-55で一蹴し、調子を取り戻しつつある。『2018-19 B1リーグ戦』第9節は11月10日(土)・11日(日)・川崎市とどろきアリーナにてティップオフ。レギュラーシーズン最後のライバル対決を見逃すな。チケット発売中。