農薬・化学肥料・除草剤を使用しないイチゴの周年栽培と、ニジマス3倍体の養殖に対応
循環型農業「アクアポニックス」事業共創カンパニーである株式会社アクポニ(所在地:神奈川県横浜市、代表取締役:濱田健吾、以下アクポニ)は、イチゴとサーモン(ニジマス3倍体)を同一システムで生産できる屋内型アクアポニックスシステム「アクポニベリーファーム」を、2026年10月より販売開始します。
「アクポニベリーファーム」は、LEDを用いた屋内環境で、農薬・化学肥料・除草剤を使用せずにイチゴを周年栽培することを目的に開発したシステムです。あわせて、アクアポニックスに最適化した専用飼料「AQUAPONICSプラス6号」の販売も開始します。2026年10月7日(水)~9日(金)、幕張メッセで開催される「第16回 農業WEEK 東京展」にて、本システムの展示を行います。

アクポニベリーファームでイチゴ栽培を行う「紀州ライヤ農園」の様子(和歌山県和歌山市)
アクアポニックスとは
農薬・化学肥料・除草剤不使用の甘いイチゴを周年栽培可能
アクアポニックスは水耕栽培と陸上養殖を組み合わせ、魚の飼育水に含まれる栄養を植物の生育に活用する食料生産システムです。これまでアクアポニックスでは、リーフレタスなどの葉野菜やハーブ類の栽培が一般的でしたが、アクポニでは自社農園での研究開発や他社との共同実証を重ね、イチゴやトマトなどの果菜類にも栽培対象を広げています。「アクポニベリーファーム」は、モジュール形式で拡張可能な閉鎖型イチゴ栽培システムです。LEDによる光環境を用いて温度・湿度等の環境制御を行うことで、季節や天候に左右されにくいイチゴの周年栽培を可能にします。
商品概要
製品名:アクポニベリーファーム
導入可能規模:1,200平米~
栽培実績:よつぼし、紅ほっぺ、やよいひめ等
サイズ/想定生産量(1,200平米の場合の想定)
- 栽培棚:15m×4段×26.4列
- 栽培可能株数:約15,200株
- 想定出荷量:年間36トン

アクアポニックスで栽培したイチゴ
2023~2024年に株式会社アグリ王(所在地:神奈川県横浜市)と行った実証実験の結果、アクアポニックス産イチゴは一般的なイチゴと比較し、糖度が高く酸味が少ないことが確認されました(文部科学省 食品成分データベースと実証実験で測定された数値を比較)。一般的なイチゴは平均糖度が10度程度であるのに比べ、アクアポニックス産イチゴは平均糖度が15度と、より糖度の高いイチゴが生産できることが確認されています。

2023年から2024年春にかけてアクポニとアグリ王が実施した共同実証実験の結果
「アクポニベリーファーム」の特長
1. 栽培スペースを効率化し、面積あたりの収量約1.5倍を実現「アクポニベリーファーム」では、栽培ベッドの幅を従来の600mmから200mmに変更し、栽培スペースを効率化。作業効率向上にもつなげるとともに、従来システムとの比較で面積あたりの収量約1.5倍を見込んでいます。
一般的に、完全閉鎖型の栽培環境では、受粉昆虫が活動するための光環境を確保することが課題となります。本システムでは、受粉昆虫であるマルハナバチが活動できる光環境を設計に取り入れ、閉鎖環境下での自然受粉に対応。人工授粉にかかる作業の省力化を図ります。

紀州ライヤ農園に設置された「アクポニベリーファーム」
2. ニジマス3倍体の養殖に対応。高い溶存酸素量を維持する設計
「アクポニベリーファーム」では、イチゴの栽培とあわせて、ニジマス3倍体を同一システム内で養殖できます。ニジマス3倍体は、2倍体と比べて大型化する特徴がある一方、酸素消費量が多く、イチゴの根圏でも酸素が消費されるため、システム全体で十分な溶存酸素量を維持することが重要です。
本システムでは、ナノバブル発生装置と酸素ガスを併用し、魚と植物の双方に必要な溶存酸素を供給する設計としています。ニジマス3倍体は、2年間で1尾あたり約2kgまでの育成を想定。イチゴとニジマス3倍体という2つの生産物を組み合わせることで、導入者が地域ブランド化などを含めた事業展開を検討することが特徴です。なお、魚はご希望に応じて、ニジマス3倍体以外にもチョウザメ、ホンモロコ、コイなどの淡水魚を養殖することが可能です。

ニジマス養殖イメージ
3. イチゴとニジマスの生産に対応した専用飼料を開発
「アクポニベリーファーム」の販売開始にあわせ、アクポニが独自に開発したアクアポニックス専用飼料「AQUAPONICSプラス6号」を発売します。本製品は魚粉の配合割合を30%に抑え、植物性たんぱく質を37%配合した低魚粉設計とし、魚粉の削減によって生じた配合上の余地をミネラルなどに充てています。
一般的な養魚飼料は魚の成長を主な目的として設計されているため、アクアポニックスで果菜類を栽培する場合、植物の生育に必要な養分を飼育水に追加することがあります。「AQUAPONICSプラス6号」は、魚の成長に必要な栄養に加え、植物の生育に必要となるミネラルにも着目した飼料です。イチゴの成長に必要なカリウム、鉄、カルシウムを配合し、追肥によって飼育水の成分を調整することなく、栽培に必要な要素を魚への給餌を通じて供給できます。
また、ニジマスへの効果としては、低脂肪で身が締まること、魚臭低減などがあげられます。当社ではシステム本体と専用飼料を組み合わせて提供することで、魚の飼育と植物の栽培を一体で考えたアクアポニックスの運用を支援します。
4. 生産環境をデータで管理。AIによる栽培相談機能も追加予定
当社が提供するクラウド型生産管理システム「アクポニ栽培アプリ」を利用することで、気温、pH、溶存酸素など10項目の環境データをIoTセンサーで自動取得可能。給餌や定植など作業についての記録を行うことで、アクアポニックスの管理に必要な生育現場のすべてのデータ(作業、環境、生育状況)を一元管理することができます。
また、アプリにはこれらのデータを統合的に分析し原因分析や予測を行う「栽培レポート」、窒素循環、節水効果、脱炭素効果を算出する「資源循環可視化レポート」機能を搭載。追加機能として現在、栽培の相談に対応するチャットボット型AI「アクポニAI」を開発しており、2026年11月頃にプロトタイプ版の提供開始を予定しています。

アクポニ栽培アプリ 詳細はこちら
今後の展開について
「アクポニベリーファーム」は、国内ではすでに2件の導入実績があり、今後も国内での導入拡大を目指します。また、日本のイチゴは海外からのニーズも高く、ベトナム、サウジアラビア、アラブ首長国連邦等の地域からイチゴとサーモンの生産に関する問い合わせが寄せられており、気候条件に左右されにくい閉鎖型システムの特性を活かした海外展開も視野に入れています。弊社では今後も、設備・飼料・データ・運用支援等のサービスを組み合わせ、アクアポニックスを活用した事業の立ち上げを支援していきます。
第16回 農業WEEK(J-AGRI TOKYO)に出展
2026年10月に幕張メッセで開催される「第16回 農業WEEK」に出展し、「アクポニベリーファーム」の展示を行います。会期中は当社ブースにて、イチゴとサーモンを組み合わせた生産システムの仕組みや、専用飼料、データ取得と資源循環の可視化を行える「アクポニ栽培アプリ」、導入事例の紹介等を行います。アクアポニックスシステムの導入をご検討中の方、イチゴやサーモンの生産にご関心のある方、新規事業の情報収集をしている方はぜひお越しください。
第16回 農業WEEK 開催概要
会期:2026年10月7日(水)~9日(金)10:00~17:00
会場:幕張メッセ 4~8ホール
小間番号:24-54
公式サイト:https://www.jagri-global.jp/hub/ja-jp.html
来場登録はこちらから
株式会社アクポニについて
所在地:〒231-0012 神奈川県横浜市中区相生町3-61 泰生ビル2F設立:2014年4月2日
代表取締役:濱田健吾
事業概要:
・アクアポニックス農場の設計施工/運用支援
・アクアポニックス・アカデミー(アクアポニックスを体系的に学べる講座)
・導入支援コンサルテーション(導入計画、品種選定、生産システム選定、設計、業務プロセス作成等)
・生産管理コンサルテーション(スマホアプリ、環境センサー、Webカメラ等を活用した生産支援)
URL:https://aquaponics.co.jp
お問い合わせ
株式会社アクポニ
TEL:0466-21-7191
E-mail:info@aquponi.com
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