~研究でのエビデンスに基づく子どもへの関り方を、専門医の解説と当事者家族の経験で伝える講演。沖縄の教職員167名の振り返りでは、半数超が「褒め方」、3人に1人が「行動の理由」を記述~


教員向けイベント「先生の学校2026」(主催:公益財団法人こども教育支援財団、会場:広尾学園中学校高等学校)に登壇

一般社団法人日本小児発達子育て支援協会(所在地:東京都港区)代表理事で小児科専門医の西村佑美は、2026年9月13日、教員向けイベント「先生の学校2026」(主催:公益財団法人こども教育支援財団、会場:広尾学園中学校高等学校)に登壇しました。

教員・保育者を対象とした登壇は、7月末からの約6週間で4件目です。西村の講演は、応用行動分析(ABA)やペアレントトレーニングなど、研究で効果が確かめられた方法を土台にしています。それを専門医として解説し、きょうだい児・母としての経験を重ねて伝えます。
「先生の学校2026」で、発達特性の活かし方を講演

登壇者の方々と壇上にて


「先生の学校2026」は、「教育こそ最高の仕事」をテーマに、小・中・高校の教員と教員志望の学生に向けて開かれたイベントです。

西村は「発達特性の活かし方を考える」と題したショート講演と分科会を担当しました。当日の様子は教育新聞(2026年9月15日付)に掲載されています。


今回の講演で西村が伝えたのは、次の3点です。

・ AI時代、「普通じゃない」ことは強みになります。
AIがデータとして持っていない人間らしさは、いわゆる「普通じゃない」部分にあります。ADHDの特性がある子は、席を立つ、思いついたらすぐ発言するといった行動で叱られやすい一方、同じ特性がひらめきや発想力にもなります。みんなと同じようにできることを目指すより、特性を強みとして伸ばせるかどうかが問われる時代です。

・ 子どもの行動には、必ず理由があります。
目に見える「困った行動」は氷山の一角です。やめさせようとする前に、その子に何が起きているのかを探偵のように探します。怒られ続け、否定され続けた子は「自分はダメかもしれない」と思うようになり、不適応や不登校といった二次障害はそこから始まります。

・ 研究のよるエビデンスがあり、効果が期待できる声かけや介入方法を身につけていきましょう。
子どもと過ごせる時間は限られています。研究で確かめられた方法を先生と保護者が身につければ、特性を強みに変えていけます。

いずれも、7月の沖縄県立総合教育センターの研修と共通する内容です。

分科会では、参加した先生から「それって、特性のある子に限らない話ですよね?」という質問がありました。西村が伝えているのは、どの子にも当てはまる声かけと捉え方です。発達特性のある子への関わり方を学ぶことは、学級全体への関わり方を見直すことにつながります。

最後のクロストークは、こども教育支援財団の二川佳祐氏の進行で行われました。高濱氏の問いかけをきっかけに、登壇者それぞれが自身のルーツや歩んできた道を語り、その経験が活動の方針になって今の取り組みにつながっていることが共通していました。

西村の場合は、最重度自閉症の姉とともに育ったことが、医師を志した原点です。登壇者の思いが重なったのは、先生自身が自分を大切にすること、という点でした。

教職員167名の振り返りから見えた、学校現場が求めているもの
7月31日の沖縄県立総合教育センター夏期短期研修では、受講後の振り返りに教職員167名が回答しました。全員が「満足」(86%)または「どちらかというと満足」(14%)と答え、自由記述も全員が記入しています。

研修の内容は9月16日のリリースで紹介しました。ここでは、自由記述をキーワードで集計した結果を紹介します。1人が複数の項目に該当しています。


求められていたのは、明日の教室で使える関わり方と、子どもの見方を変える視点の両方でした。

「西村先生の『特性は問題ではない、理解されないときに問題が起きる』という言葉が心にささりました。今の学校に一番必要なことを学ばせてもらいました」

「これまでの実践を否定するのではなく、これまでの経験に新たな視点や具体的な支援方法を加えることができた」

「明日からやってみようと思えるものばかりであった」

今回の研修への登壇は昨年から2回目でしたが、昨年に続く受講だと書いた方も12名いました。

研究で確かめられた方法を、専門医の解説と家族の経験で伝える

西村の講演に熱心に耳を傾ける参加者

受講者が書いた「褒め方」と「行動の理由を探る視点」には、どちらも研究の裏づけがあります。西村の講演の土台にあるのは、応用行動分析(ABA)、ペアレントトレーニング、PCIT(親子相互交流療法)、ESDM(アーリー・スタート・デンバー・モデル)など、国内外の研究で効果が確かめられてきた方法です。


専門書や専門家向けの研修では難しい用語・方法が多く、忙しい教室や家庭でそのまま使える形にはなっていません。西村の講演は、そこに二つの立場を重ね、明日からすぐに使えるよう説明します。

・ 専門医として:のべ1万組以上の親子を診てきた小児科専門医・子どものこころ専門医の立場から、その関わりがなぜ効くのかを、専門用語に頼らずに説明します。

・ 家族として:最重度自閉症の姉と育ったきょうだい児であり、発達特性のある子を含む3児の母でもあります。教科書どおりにいかなかった場面と、そのときどうしたかを話します。

根拠の説明だけなら「正しいけれど、うちの教室では難しい」で終わり、体験談だけなら「その家庭だからできた話」で終わります。両方がそろうと、聞き手は理由に納得したうえで、自分の教室に置き換えて考えられます。

振り返りの自由記述では、医師・専門家としての視点に触れた回答が26名、家族や母としての立場に触れた回答が約30名ありました。14名は、その両方を挙げています。

「医学的な根拠があり、腑に落ちる部分が多くありました」

「医学的な視点と、保護者としての視点と両方からの、先生の考えを聞くことができたことが良かったです」

「医師ということもあるが、姉妹児でご自身も育児をされているからこそ、話の内容が非常に理解しやすかった」

「なんとなく感覚でやっていたところを、先生のお話で自信をもって続けていこうと思いました」

これまでの研修は教育や福祉の立場の講師が多く、医療の立場から聞いたことで児童生徒を理解する方法が広がった、という記述もありました。

著書『発達特性に悩んだらはじめに読む本』(Gakken)が読まれ続けている理由も同じです。載せているのは著者個人の経験則ではなく、研究で効果が確かめられた声かけと接し方で、そこに専門医の解説と、家族としての体験を添えています。2024年9月の発売から2年が経ったいまも、Amazonの売れ筋ランキングに入り続けています。

通常学級の担任すべてに関わるテーマ
文部科学省の2022年の調査では、通常の学級に在籍し、学習面または行動面で著しい困難を示すとされた児童生徒は、小・中学校で8.8%、小学1年生では12.0%でした(文部科学省、2022年12月)。学級担任の回答にもとづく推定値で、小学1年生の30人学級なら3~4人にあたります。

「立ち歩く」「すぐ手が出る」「話し合いに入れない」子にどう関わるかは、特別支援学級だけの話ではなく、通常学級の担任すべての課題になっています。
学校・教育関係の登壇が続く
2025年1月以降、学校や教員・保育者に向けた登壇は9件あります。2025年は学校単位の保護者向け講座が中心でしたが、2026年の夏は、教員・保育者そのものを対象とした研修やイベントが7月~9月の約6週間で4件続きました。



西村佑美のコメント
「私が講演でお伝えしている褒め方や声かけは、私個人の経験則ではありません。応用行動分析やペアレントトレーニングなど、研究で効果が確かめられてきた方法で、特性のある子に限らず、どの子にも当てはまります。ただ、正しい方法ほど、忙しい教室や家庭では『わかっていてもできない』ものです。私自身、最重度自閉症の姉と育ち、発達特性のある子の母として、教科書どおりにいかない毎日を過ごしてきました。だから講演では、医師として『なぜ効くのか』を説明し、家族として『うまくいかない日はどうするか』までお話しします。診察室や相談の場で出会う保護者は、先生方を深く信頼し、尊敬しています。その先生方が、特性のある子への接し方に悩まずに教室に立てるよう、力になりたいと思っています。子どもを育てることは、未来の社会を育てること。教育センターや教育委員会、学校の研修で、ぜひ使ってください。」

■調査概要
・ 名称:令和8年度夏期短期研修「発達障害のある幼児児童の理解と支援」受講後の振り返り
・ 実施:沖縄県立総合教育センター
・ 対象:同研修の受講者(対面、オンデマンド)
・ 回答数:167名
・ 設問:満足度、その理由、学んだことと今後の教育活動での役立て方
・ 集計:満足度は回答の単純集計。自由記述は日本小児発達子育て支援協会がキーワードで分類し、1人が複数の項目に該当する

今後の展望と講演依頼について
日本小児発達子育て支援協会は、全国の教育センター、教育委員会、学校・園、自治体、企業からの講演と研修の依頼を受け付けています。教員研修、校内研修、保護者向けの公開講座や保護者会など、対象と時間に合わせて内容を組み立てます。どのテーマでも、研究で効果が確かめられた方法を土台に、専門医としての解説と、家族としての経験を合わせてお伝えします。対面・オンラインのどちらにも対応し、オンデマンド配信の併用もできます。

主なテーマは次のとおりです。

・ 発達特性のある子の捉え方・伸ばし方(教職員、保育者、保護者向け)
・ スマホに頼らない育児方法を学ぶセミナー
・ 発達特性のある子に関わる指導者・保護者向けのメンタルヘルスケア
・ 職員の多様性を理解し活かすコミュニケーション実践(産業医として)

■プロフィール
西村 佑美(にしむら ゆみ)



小児科専門医、子どものこころ専門医、認定産業医。一般社団法人日本小児発達子育て支援協会 代表理事、株式会社CDPSA 代表取締役、子ども発達相談アカデミーVARY 主宰。
宮城県出身。最重度自閉症の姉とともに育った経験から、障害のある子とその家族に寄り添う医師を志す。日本大学病院小児科で発達外来を担当し、のべ1万組以上を診察。第一子に発達特性があることがわかり、当事者家族として療育に取り組んだ経験も活かしながら、ペアレントトレーニング、応用行動分析(ABA)、ESDMなど、エビデンスのある発達支援にもとづく子育てアドバイスを行っている。
2020年に「ママ友ドクター(R)プロジェクト」を始動。2022年からオンラインコミュニティ「子ども発達相談アカデミーVARY」を主宰し、海外9か国を含む国内外の保護者を支援している。全国の自治体、教育機関、企業で講演や研修を行う。たまひよ、mamagirlでの連載のほか、AERA with Kids、プレジデントオンライン、東洋経済education、VERYなどメディア掲載多数。

■著書


『発達特性に悩んだらはじめに読む本』(Gakken、2024年9月発売)発達特性のある子どもと向き合う保護者に向けた入門書です。研究で効果が確かめられた声かけと接し方を、専門医の解説と、家族としての体験を交えて紹介しています。Amazon4冠、累計1万4000部超。発売から2年が経ったいまも、Amazonの売れ筋ランキングに入り続けています。




■問い合わせ先
一般社団法人 日本小児発達子育て支援協会(CDPSA-JAPAN)
・ 所在地:東京都港区北青山1丁目3番1号 アールキューブ青山3階
・ 代表理事:西村 佑美(医師)
・ 公式サイト:https://www.cdpsa-japan.net/
・ お問い合わせ:office@cdpsa-japan.net
・ 西村佑美SNS:https://lit.link/doctornishimurayumi/


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